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刺繍の受注をロム商会にお願いして毎週決まった数を縫い付け、代金を受け取る。
数日休んでまた繰り返すという生活にも慣れてきた。
メイナーさんのサロンの方にはたまに小物を納品しに行く。
「受注の方はどう?何か困った事はない?」
「はい。よくして頂いています」
「それは良かったわ。サロンの方の売れ行きも相変わらずの調子よ。でも無理はしないで。ただでさえ受注で大変でしょう」
「ありがとうございます」
「そういえばカトリナちゃんはどうしてる?最近会ってないから」
「お嬢様は実習で忙しくされています」
「そう。落ち着いたらまたお茶したいわ」
「伝えておきます」
お嬢様は今も実習中で家にはいない。
「そういえばシリルさんも最近お見かけしませんね」
「今は色々忙しいみたいで。もちろんサロンもあるしロム商会でもお勉強をさせてもらっていたり」
「そうなんですね。頑張ってくださいとお伝えください」
「分かったわ。ネリアちゃん達の話もよく出るの。どうしてるかしらって。だから伝えておくわね」
「よろしくお願いします」
「それにしてもみんな頑張っているみたいで嬉しい反面少し寂しいわね」
「えっ?」
「いや、みんな忙しくからなかなか話せる時間がないなと思って。あっごめんなさい。こんなのは年寄りのわがままなのよね」
「そんな事ありません。私もメイナーさんとのお茶の時間は楽しいですしこれからもしたいと思ってます」
「それは嬉しいわ。じゃあこれからも出来限り、お茶しましょうね」
「はい!」
それからもサロンの方の納品の際はお茶をするようになって暖かくもなってきたので時には外に出る事もあった。
「良い匂いね」
香水を買いに行ったり、本屋さんに行ったり色々な場所へ出かけた。
「こういう流行りは私、分からないから若い人と出かけるとやっぱり刺激になるわ」
「私もメイナーさんと一緒で楽しいです」
「ふふっ。あっそうだ!この辺に美味しいケーキとパフェが食べられるお店があるようなの。行ってみない?」
「はい。ぜひ行ってみたいです」
そうしてメイナーさんの案内でお店へ向かう。
店員に案内され席に座ると
「このお店、孫達に教えてもらったのよ」
メイナーさんは嬉しそうに話す。
「今日の事シリルに話したら妬かれちゃうわね」
「そんな事ないですよ」
「いえ、本当よ。シリルが忙しい時にネリアちゃんの話すると妬いてる顔をするもの」
私は少し恥ずかしくなってしまった。
「そうなんですか?」
「そうよ。今度わざと話してみるわ」
すると数日後、電話がかかってきた。
「ネリアさん、こんにちは。シリルです」
「えっ?シリルさん!?」
「はい」
「どうしたんですか?お仕事が忙しいのでは?」
「落ち着いたので電話しました。もし良かったら今度一緒に出かけませんか?」
「えっ?」
「あっいや、この間祖母と出かけたと聞いたので。私も久しぶりに会いたいです」
直球で言われて一瞬言葉に詰まってしまう。
「あっごめんなさい。忘れてください!」
それを感じ取ってかそう言われたが
「いいえ。大丈夫です。どこ行きますか?」
気づいたらそう返していた。
「えっ本当ですか?じゃあ考えておきます。ありがとうございます」
そうして電話が切れた。
そして約束の日。
色々考えた結果、カフェに行く事になった。
カフェばかり行っている感覚はあるが話したいとなればやはりカフェしかないのだ。
「こちらです」
シリルさんに案内してもらいお店に入った。
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