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翌日。
お嬢様と共にメイナーさんの屋敷を訪れた。
「いらっしゃい。カトリナちゃん、ネリアちゃん」
「メイナーさん、昨日は伺えずすみませんでした。お土産も美味しかったです。ありがとうございました」
「ううん。昨日は楽しめたの?」
「はい。おかげさまで」
「それは良かったわ。あっ言い忘れていたけど新年明けましておめでとう」
「おめでとうございます」
「紹介するわ」
そうしてメイナーさんは私にしてくれたようにお嬢様にお孫さん達とお子さん達を紹介していた。
「初めまして。ミール・カトリナと申します。メイナール侯爵夫人に私の侍女と共にいつもお世話になっております」
といつものメイナーさんではなくメイナール侯爵夫人と言った。
そこで私は2つの事に気がついた。
1つは私は昨日、メイナーさん、メイナーさんと呼んでいたが私の今の立場を考えれば本当はメイナール侯爵夫人と言うべきだった事。
でもそれを皆さんが聞き流してくれて誰にも咎められる事はなかった。
もう1つはメイナーさんが侯爵夫人だった事。
貴族だとは思っていたが実際に聞くと驚いてしまった。
本来なら出会うはずのなかった方々なのにどうして私と友達になってくださったのかと少し疑問に思う。
「私達の仲でそんなにかしこまらないでちょうだい。いつもみたいにメイナーさんでいいから」
「そうですか?でも初対面の方が多いので」
「大丈夫ですよ。私達、カトリナさんとネリアさんの話、おばあ様からよく聞いていてメイナーさんって呼ばれてるのも知ってますから」
「そうですよ。大丈夫です。なんなら私達の事も気軽に呼んでください」
「あっじゃあ…はい。分かりました」
「こっちに来てみんなでお茶しましょう」
そうして全員でお茶をした。
「昨日の残りで申し訳ないのだけれど…」
「いえ。昨日のお土産のケーキとても美味しかったので嬉しいです」
「そう?嬉しいわ〜」
実は新年は買い物を控える人がシスカ公国には多いらしい。
「カトリナさんは今、ヘルムード学院に?」
「はい」
さっそくお嬢様に質問攻めだ。
「ちょっと?あなた達、そんなに同時に質問したらカトリナちゃんが困っちゃうわよ。カトリナちゃん、ごめんなさいね」
「大丈夫です。ただゆっくり話して頂けると。質問には全てお答えしますから」
「ごめんなさい」
そのような感じでお嬢様はあっという間にメイナーさんのお孫さん達とも娘さんや息子さん達とも仲良くなっていった。
「ネリアちゃん、今日の夕食は決まってる?」
お嬢様が孫さん達と話していて私は1人でまったりしていた時、メイナーさんにそう声をかけられた。
「いいえ。今日は適当に食べようかと思っていました」
「それなら今からリーサルマッチャを作るんだけど持っていって」
「リーサルマッチャ?」
聞き慣れない料理名にそれは何か聞くと要は薄焼きピザのような料理だと言う。
薄く伸ばした生地に新年のお祝いで残ったものを載せて焼くらしい。
「暇そうだったからシリルにも手伝ってもらう事にしたの」
メイナーさんと共に厨房へ向かうとシリルさんがいた。
「リーサルマッチャは窯で焼くから。男手が必要でしょ?さぁ始めるわよ」
3人でリーサルマッチャ作りを始める。
まずメイナーさんが生地を極限まで薄く伸ばし私がその上にあらかじめ用意されていた具材を乗せてシリルさんがそれを窯に入れる。
そんな感じで3人で作業を進めていく。
数時間後。
気づいた時にはもう何十枚ものリーサルマッチャができていた。
「これで最後ね。もうあの子達は落ち着いたかしら?」
「さすがにもう結構時間経ってるよ」
「いや、侮れないわよ。あの子達お喋りだもの」
「私、見てきますね。シリルさん、最後できたので窯にお願いします」
「分かりました」
と具材が乗った生地をシリルさんに任せて皆の様子を見に行くとまだ話していた。
「まだ話していました」
私は一旦厨房に戻りそう伝えた。
「焼き上がったよ」
「じゃあここに入れてちょうだい。私は少しあの子達の所へ行ってくるわ。後で持って来てちょうだい」
「分かりました」
焼き上がったリーサルマッチャは特製の容器に入れてアツアツのまま保温されるようだ。
「では私達も行きましょうか?」
「はい」
私達は簡単にその辺の片付けをしてからメイナーさんの後を追う。
「あっ来た来た。これがリーサルマッチャよ。たくさんあるから今日のお土産に持って行って」
とメイナーさんがお嬢様に言う。
「そんな…いつももらってばかりで」
「いいのよ。今日くれたジャムのお礼」
実は今日、私達も手土産としてジャムを持って行ったのだ。
そのお返しだとたくさんのリーサルマッチャをもらって帰ってきた。
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