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そうして迎えた新年。
お嬢様は朝から出かけていた。
「じゃあ行ってくるわ」
「行ってらっしゃいませ」
私は作っていたお菓子を渡し見送る。
そして私も家事を済ませて使う食材を持ち、メイナーさんの屋敷へ向かった。
「ネリアちゃん、いらっしゃい!」
メイナーさんが出迎えてくれて屋敷の中に入るとシリルさんもいて1人1人のお孫さんを紹介してくれた。
「初めまして。ミール公爵家でメイドをしております。ネリアと申します」
と自己紹介をするとみんな明るく出迎えてくれた。
「おばあ様とシリルからいつも話は聞いていてお会いしてみたいと思っていたんです。だから嬉しいです」
それからみんなで料理やお菓子を作る。
厨房でもメイナーさんが司令塔だ。
「じゃあまずはクリームたっぷりのケーキを作りましょうか」
「はい」
そうして主に私を含めた女の子チームでケーキ作りを開始した。
ケーキは普通のスポンジケーキにチョコケーキ、タルトなど数種類を作り、さらにクッキーやマカロンなどのお菓子も作った。
「これだけあれば大丈夫でしょう。次はご飯ね」
「はい」
それが終わればいよいよ夕食作りだ。
夕食作りはシリルさん達兄弟も手伝ってくれた。
「これはどうすれば良いの?」
「刻んで鍋に入れてちょうだい。これはこの鍋に入れて」
とメイナーさんも指示をしながら腕を振るっている。
そしてパスタやパイ、スープ、炒め物、サラダなど数えきれないほどの料理が並んだ。
「ちょっと作りすぎちゃったけどできたわね。皆、もうダイニングにいる?」
「はい。皆様お揃いです」
運ぶのを手伝ってくれていた屋敷の使用人が言った。
「そう。じゃあ早く行かなきゃね」
「そうですね」
私達は早足でダイニングへと向かった。
屋敷のメイドが椅子を引いてくれおずおずと座ると
「みんな来てくれてありがとう。みんなと新年を過ごせて嬉しいわ。今日は存分に楽しみましょう。乾杯」
それを確認してメイナーさんが乾杯の音頭を取った。
「乾杯!」
私もそれに合わせて声を出すと皆さんが乾杯に来てくれた。
それからメイナーさんの料理の説明が始まり自由に取って食べる。
「遠慮しないでどんどん食べてね。お代わりもあるから」
とみんなに呼びかけてみるみる内に皿いっぱいだった料理が減っていく。
「でもぜひカトリナさんにも会ってみたかったので残念です」
メイナーさんにとって2番目の孫であるベティさんが言った。
「大丈夫よ。明日また会えるから」
とメイナーさんが返す。
「そうなんですか?」
「はい。またお邪魔させて頂きます」
「嬉しいです。明日、楽しみにしてますね」
孫全員の目元が特にメイナーさんに似ている。
「ネリアさんはカトリナさんのメイドをしてらっしゃるんですよね?」
「はい」
今度は3番目の孫であるクラーラさんが話しかけてきた。
「聞きました。カトリナさんは今ヘルムード学院に通われているって。すごいですね」
「そういえば飛び級がどうとかって言ってなかった?」
メイナーさんがそう聞いてきたので素直に答える。
「はい。飛び級、決まったようです」
「本当に!?あそこの飛び級は難しいと聞きますが」
今度はシリルさんが入ってきた。
「お嬢様はとても頑張っておられましたから」
などと話しながら夕食を終えてデザートを食べゆっくりしていた所。
「騒がしかったでしょ?ごめんなさいね」
今度は1番目の孫のアンさんが声をかけてきた。
どうやら1番目から4番目の孫は全員女性のようだ。
「みんなあなた達の話をよく聞いていたから興味あるのよ。まぁ私もその1人なんだけど。ふふっ」
それから色々な話をしていつの間にか年が明けそうになっていた。
「もうすぐ新年よ。花火が上がるらしいからこっちで一緒に見ましょう」
「はい」
そうして年越しの花火を見て新年を祝った。
「あけましておめでとう。今年もよろしくね」
「よろしくお願いします」
メイナーさん達と新年の挨拶を交わす。
「どうする?今日はもう遅いからうちに泊まる?」
「いえ。さすがにそれは申し訳ないですしお嬢様も帰ってきていると思うので今日はもう失礼します」
「そう。ならシリル!送ってってあげなさい」
「そんな申し訳ないです」
「だめよ。女の子がこんな遅い時間に1人なんて」
「そうですよ。僕が送っていきます」
「ありがとうございます」
結局、シリルさんに家まで送ってもらった。
「今日は来てくれてありがとうございました」
「いえいえ。こちらこそ美味しいものをたくさんご馳走になってしまって。お土産までありがとうございます」
実はメイナーさんの屋敷から帰る時にお土産をたくさんもらった。
「おばあ様も嬉しそうでしたから。遠慮しないでください」
「ありがとうございます」
ここまでお読み頂きありがとうございます。




