206
そして遂に満足できるマフラーができた。
今日はそれをシリルさん達に渡しに行く。
「こんにちは。ネリアさん。遂に出来上がったんですか?」
「こんにちは。はい。お待たせしてしまってすみません」
「いいえ。見ても良いですか?」
「どうぞ」
「ありがとうございます」
その時、メイナーさんがやって来た。
「ネリアちゃんいらっしゃい。できたのね」
「はい」
「青にしてくれたんですね」
「はい。何色にしようか悩んだんですけど…だめでしたか?」
「いいえ。私の目の色と同じでとても嬉しいです」
図星を言い当てられて頬が赤くなってしまった。
「シリル、巻いてみたら?」
その姿を見たメイナーさんがふっと小さく笑いそう言った。
「うん」
そんなに上手くはない出来でもシリルさんが着けると様になる。
「とても似合ってるじゃない」
「本当?」
「ええ。ちょっと見せて」
とメイナーさんがマフラーを見る。
なんて事はないのになぜか緊張する。
「うん。やっぱり編み目も綺麗だし私もお願いしたいわ。もちろんサロンにも」
と言われて驚いた。
「えっ?」
「元々そう言っていたじゃない」
「でも量産はできませんし」
「それなら大丈夫よ。サロンに置いてあるものは大体1点もので皆、手作りで作ってもらっているものがほとんどなの。もちろんお店みたいに納期も設けていないわ」
「まぁとりあえずそれはゆっくり考えてみて。無理強いはしないから。まずは今回の代金と私もマフラーをお願いしたいわ」
「えっそんな…代金なんていりません」
「そういうわけにはいかないわ。シリル」
「はい」
「これ、受け取ってください」
「いやいや、だめです」
「何がだめなの?」
「そうです。遠慮しないでください。こんなに良いものを作ってくださったんですから」
「ではお言葉に甘えて頂きます。ありがとうございます」
そう言うと2人とも満面の笑みで満足そうにする。
「はい」
「でね、私のマフラーなんだけど色はネリアさんちゃんに選んでもらいたいわ」
とメイナーさんから色々な注文をされた。
「いつまでというのはないから、出来たら教えて。楽しみにしているわ」
「分かりました。頑張ります」
「よろしくね。さぁお茶にしましょうか」
そう言ってメイナーさんが出て行った時、シリルさんに声をかけられた。
「また祖母が色々わがままを言ってすみません」
「いえ。褒めて頂けるのは嬉しいですから」
「でも本当に良いものをありがとうございます。大切に使いますね」
「いえいえ。こちらこそです」
そうしてお茶をご馳走になり、帰ってさっそくメイナーさんのマフラーの製作に取りかかる。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




