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それからお嬢様は実習準備に追われ帰りが遅くなると連絡が来る日が多くなった。
「もしもし。今日も遅くなるわ」
「分かりました。ご夕食は?」
「いつも通り帰ったら食べるから取っておいて」
「かしこまりました。くれぐれも無理はしないでくださいね」
「分かったわ。ありがとう」
私はいつも通り夕食を作り、お嬢様の分を取り分けた後、シシーとアランドレと共に食べる。
私達は今の所、今までみたいに他の所で仕事はしておらず時間ができたためシシーとアランドレは自分達の新しい趣味を探しゆったりとした時間を楽しんでいるようだ。
私は時間はできたものの今までのように色々な事をやろうという気持ちは落ち着いてしまった。
強いて言えばお嬢様の慈善活動の一環で刺繍をしているくらいだ。
お嬢様が休みの日はお嬢様も作っていたが、忙しくなり今はほとんど私が作っている。
これを教会のバザーに出してその利益を教会へ寄付する。
でも最近私も何か始めようかと思って編み物を始めてみた。
まだまだ人前に出せるほどではないが、上手になってきていると思う。
その事をこの前、メイナーさん達に話したらメイナーさんのサロンで出してみないかと言われた。
メイナーさんのサロンでは元々ちょっとした小物を販売している。
だが、それのどれも上質なものだ。
私のものは到底及ばない。
「いえ。私はまだまだですから。お店に出せるようなものではありません」
「じゃあじゃあまずは私に作ってちょうだい。お金も払うから。その出来を見て判断するわ」
「本気で言ってますか?」
「ええ。本気よ。だめ?」
「いいえ。でもメイナーさんに渡せるほど上手くはないので」
「じゃあ私でも良いですよ。私はどんな出来でもネリアさんが作ってくれるものなら嬉しいですから」
そこでシリルさんが入って来た。
「えっ?」
「そうよ!まずはシリルに作ってみてくれない?それを見て良ければ私も注文するわ。もちろんサロンにも置かせてもらうわ」
「本当ですか?」
「あっもちろん代金はお支払いします」
「そういう事ではなくて」
「そんなに気負わなくて大丈夫よ。私達はただどんなものでもネリアちゃんの作ったものが欲しいだけだから」
「分かりました。お作りします。でもどんな出来でも覚悟してくださいね」
「もちろんです。楽しみにしております」
結局、2人に押されて作る事になった。
せっかくなら相手が欲しいものをと思い聞くとマフラーを要望された。
「寒いのでマフラーがあると良いですね。色はなんでも良いです」
と言うので色を悩む所から始まった。
最終的にシリルさんの目と同じ青に決め、編み始めたが案の定最初は全然綺麗ではなかった。
そのため何度も編み直しをしてその度に良い方法を模索する。
時間ができたら編んでいた。
家事の合間もそれこそお嬢様を待っている今も。
そうしている内に専属護衛がお嬢様を迎えに行きお嬢様が帰って来た。
「ただいま」
「おかえりなさいませ。ご夕食ができておりますがどうなさいますか?」
「疲れたから先にお風呂でも良い?」
「かしこまりました。お湯の準備をして参ります」
「ありがとう」
事前に少し準備はしていたのでそんなに時間はかからず準備できた。
「準備ができました。どうぞ」
「ありがとう」
「なにかお手伝いしましょうか?ヘッドスパとか」
「ヘッドスパ?ネリアがヘッドスパできるの?」
「はい。たぶん…」
「たぶんって…じゃあお願いしようかな。最近忙しいからそういうのもアリよね」
「はい!」
「じゃあ準備が出来たら呼ぶわ」
そうしてお嬢様が浴室に入って数十分後、呼ばれたので浴室に入った。
「失礼します」
お嬢様はバスタブに入っていた。
「私は何かした方が良い?」
「いえ。大丈夫です。では失礼します」
私は少しオイルをつけて頭皮をマッサージした。
「気持ち良いわ」
「硬いですね。疲れているのが分かります」
「そうなの?」
「はい」
少し間マッサージをしそのままの流れでシャンプーもした。
「他に何かお手伝いする事はありますか?」
「もう大丈夫よ。ありがとう」
「では失礼します」
浴室を出た私はスキンケアをするために準備をする。
「気持ち良かったわ」
「良かったです。どうぞこちらへ」
入浴後、お肌のお手入れと丁寧にブラッシングする。
「夕食はこちらで召し上がりますか?」
「そうね。お願い」
私は夕食を温め直しお嬢様の部屋へ持って行く。
お嬢様が夕食を食べ終わったらお茶を淹れてゆっくりしてもらっている間に食器を片付け、就寝前にマッサージをして1日の仕事が終わる。
シスカ公国に来てからより家事の大変さが身に染みる。
これを普通にやっていたばぁばは本当にすごいと思う。
と日記に書いてやっと眠りについた。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




