202
迎えたシリルさんとの約束の日。
今日も朝から掃除や洗濯、郵便物の整理、リネン類の交換などたくさんの家事を終えてシリルさんとの待ち合わせ場所に向かった。
「ネリアさん!」
行くともうすでにシリルさんがいて手を振ってくれていた。
「こんにちは。お待たせしてすみません」
「いえ。そんなに待っていませんから。ではさっそく行きましょうか?」
「はい」
約束していたお茶屋さんに向かうとすでに行列ができていた。
「本当に人気なんですね。すみません。少し並ぶと思いますが大丈夫ですか?」
「はい。私は」
「私もネリアさんと話せるので嬉しいです」
「なんでそんなにストレートに言うんですか」
「だめでしたか?」
「だめではないですが恥ずかしい…です」
自分でも頬が熱を持ったのが分かる。
「照れているんですね。可愛い…」
「またそういう事を!」
「すみません…ふふっ」
シリルさんは楽しそうに笑っている。
その後も話をしながら遂に私達の順番がきた。
中はたくさんのハーブが並んでおりハーブの名前と簡単に効能が書いてあった。
「いらっしゃいませ。何かお探しですか?」
店内を回っていると店員さんが声をかけてくれた。
「ハーブをブレンドしてくださると聞いて」
「ハーブのブレンドですね。こちらです」
とそのブースに案内してくれた。
「ありがとうございます」
「どのような効能がよろしいでしょうか?」
「体が温まるものだと良いんですけど」
「分かりました。他にはありますか?」
「おすすめはありますか?」
「そうですねぇ…免疫を高める効能のハーブはどうですか?」
「そんなのあるんですか?」
「はい。他にリラックス効果がハーブも入れておきましょうか?この組み合わせは人気なんです」
「じゃあ…はい。全部入れてください」
「かしこまりました。お連れ様はいかがいたしますか?」
「じゃあ同じものを。2つお願いします」
「かしこまりました。ありがとうございます」
「それと今ブレンドして頂いたお茶を飲みたいのですが」
「かしこまりました。では今お淹れしますね。2階のカフェでよろしいですか?」
「はい。お願いします」
そう言って私達は2階は上がり適当な席へ座った。
「楽しみですね」
「はい」
見るとテーブルにはメニューがあっていくつかのケーキの名前が並んでいた。
たぶんお茶と一緒にどうですかという事なのだろう。
「ケーキもあるんですね。何か食べますか?」
そこでシリルさんが言った。
「確かに美味しそうですね」
「いえ。良いです」と言おうと思ったのについ本音が出てしまった。
「ならせっかくですから何か食べましょう。どれが良いですか?」
私はいちごのケーキ、シリルさんは栗のケーキを選んだ。
「お待たせしました。先ほどブレンドしたお茶です」
「ありがとうございます。あっそれとこのケーキをもらえますか?」
「かしこまりました。少々お待ちください」
そうしてブレンドしてもらったお茶を飲みながらゆっくり雑談をする。
「そういえばシスカ公国にはカフェが多いですよね」
「考えた事はありませんでしたが、言われたら確かにそうかも」
「私、今は無理ですがいつかカフェで働いてみたいと思っているんです」
「とても良いと思います。ネリアさんなら仕事も早そうだしネリアさんが働いたら絶対に行きます」
「ふふっありがとうございます」
考えてみればフェルソニー様の死から約4ヶ月が経とうとしている。
ゆっくりなようにもあっという間なようにも感じる。
そんな事を考えながらシリルさんと話していた。
そうしてケーキやお茶を楽しみながらゆっくり過ごし店を出た。
「今日はありがとうございました」
「こちらこそ。本当はもう少し早く出てどこか違う所に行く事も考えていたのですが、やはりネリアさんといると楽しくて時間があっという間で。でも次の楽しみが増えたと思っておきます。また誘っても良いですか?」
「はい。ぜひ。私も楽しかったですから」
「では次は文具店に行きましょう。万年筆を買いに」
と話しながら家まで送ってもらった。
「ありがとうございました。寒いですからもうここで。ではまた」
「はい。また連絡します」
と別れた。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




