198(カトリナ視点)
大体の人に挨拶を終えネリアの所に戻ろうと思ったらメイナーさんの孫のシリルさんと楽しそうに話しているのを見た。
邪魔してはいけないと思いつつも興味を抑えきれず陰からそっと見守っていた。
私は内心嬉しくなっていた。
前世でもネリアのそういう浮いた話は聞いた事がなかった。
あの子は推し?とかいうのの一筋という感じだったと思う。
やがて2人の話が終わりそうな頃合いを見て近づく。
「楽しそうだったわね」
とちょっとニヤリとして言った。
「ただ声をかけてくださっただけですよ」
ネリアはツンとして言ったが満更でもなさそうだ。
「そう?その割には楽しそうだったけど」
「それより挨拶は終わったんですか?」
「ええ。疲れたから飲み物でも持ってくるわ」
話し過ぎて喉がカラカラだ。
ヒールも正直、痛い。
「飲み物ならこちらに」
ネリアがすでに飲み物を取っていてくれていた。
「ありがとう」
それを受け取りゴクゴクと飲み干す。
それからはネリアの側で美味しいものをたくさん食べながら庭園を見て回った。
「本当に綺麗ね」
「はい」
「これはどうやって管理しているのかしら?」
「さぁ。専属の庭師でもいるんじゃないですか?」
「まぁ大体そうよね。うちだってそうだし」
私の実家にも専属の庭師がいる。
帰り際、メイナーさんに聞いた。
「メイナーさん、この庭園の花って専属の庭師さんがお世話しているんですか?」
「確かに庭師もいるけどほとんど私よ」
「メイナーさんが?」
「ええ。花のお世話は好きなの」
「すごいですね」
「ふふっありがとう」
さらに手土産までもらって帰ってきた。
それからは定期試験まで勉強にさらにスパートをかける。
学院ではドーナ先生の研究室で新薬の研究をする。
「皆さん、そろそろ定期試験も近づいてきましたね。そこで皆さんに中間報告をお願いしたいです。今日から中間報告の作成に取り掛かってください。そうですねぇ中間報告は定期試験後という事でよろしくお願いします。各グループ、これまでの成果を全力でアピールしてくださいね」
とドーナ先生が学生に呼びかける。
「中間報告かぁ。どうする?」
カーティアスが話を進めようとする。
「あの…中間報告ってなんですか?」
「ああ…この学院では年に2、3回研究での成果を発表する報告会があるんだよ。まぁ回数は各研究室の先生の気まぐれで決まるんだけどな。ちなみにそれも成績に入るぞ」
「そうなんですね」
「で、どうせどのグループも新薬の事を発表するはずだろ。それだったらこっちは視点を変えてこうするのはどうだ?」
カーティアスを中心として中間報告の構想を考えていく。
皆で意見を出し合い
「これをこうした方が良いはずよ」
「ちょっと記録用に取ってたメモあったよね?見返した方が良い」
「確かに」
そうして私達は手分けして結構な量のメモを見返した。
「そういえば叔父さんに会ったんだって?」
「えっ?」
私も皆に追いつくためいなかった期間を埋めるように夢中でメモを読んでいるといつの間にか隣にカーティアスがいてそう話しかけられた。
「あっいや、叔父さんがミール・カトリナに会ったって言ってたから。俺の叔父はレンドール・ナイラスって名前なんだけど」
確か先日のメイナーさんのガーデンパーティーで会った人だ。
「あの方の甥?」
「やっぱり会ったんだ。そうだよ」
「あっえー」
「ふっなんだよ」
「ごめん。どんな反応すれば良いか分からなくて。でもそうだったんだ」
「うん。顔ちょっと似てないか?」
「どうだろう?レンドール卿はダンディな感じだったから」
「ふふふっカトリナも意外と言うなぁ」
「あっごめんなさい」
「いや、良いんだ。それより定期試験は大丈夫なのか?」
「勉強は進んでるよ」
「また勉強会でも開こうか?」
「そうだね」
そうしてみんなで過去のメモを読み漁り研究授業は終了した。
あのガーデンパーティー以来からもネリアからメイナーさんの話をたくさん聞く。
聞くとやってもらう事が多くて申し訳ないと言っていた。
今回はネックレスをもらったらしく自分にはこんな大層なものは付けられないと言っていた。
しかしネックレスはつけてこそだと伝えるとメイド服の下にこっそりつけるようになったようだ。
私も実は申し訳ないと思っていた部分があったので定期試験が終わったら家に招待するつもりでいた。
メイナーさんの屋敷に比べたら全然だが美味しいお茶とお菓子を用意してもてなそうと考えている。
ネリアも賛成してくれた。
だが、その前に定期試験だ。
あれから最後の勉強会が開かれ分からない部分は教えてもらった。
しかし学院に来てから初めての大きな試験なだけに緊張する。
ネリアにも応援をもらい定期試験に挑んだ。
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