193(カトリナ視点)
飛び級が可能になるかどうかは全て合算して判断される。
全てとは学院での生活態度や小テストの点数、最終成績などの事だ。
最終成績については全クラスを対象とするため簡単ではないが小テストでのトップならまだ可能性があると思った。
現状、小テストでのトップはエイジャー・カーティアスだ。彼を超えなければトップには立てない。
目標は明確になった。
それからの私はより一層勉強に励んだ。
迎えた小テストの日。
「では始めてください」
という先生の声がすると一気に紙をめくる音がする。
私も紙をめくった。
「はい。そこまで。ペンを置いてください」
そして解答用紙が回収された。
「結果は明後日、発表します。それと皆さんにそろそろ定期試験の事も事もお知らせしなければなりませんね。それも明後日。今日はこれで終わります」
結果発表までの2日間はドキドキしながら過ごした。
「それでは先日のテスト結果を発表します。1人ずつ前に出てきてください」
クラスメイト達が1人1人名前を呼ばれていく。
そして私の番だ。
「ミール・カトリナさん。頑張りましたね」
と解答用紙を渡され見ると今までで1番良い点数だった。
これならクラスのトップも狙えそうだ。
自分の席に戻ると「どうだった?」と隣の席のサセーナさんに話しかけられた。
「今までで1番良い点数だったわ」
この頃にはサセーナさんともよく話すようになっていた。
「あら!良かったわね」
「うん」
「そういえば研究室は決めたの?」
「うん。迷ったんだけどドーナ先生の研究室にしようと思って」
「ドーナ先生?あぁ調合の先生ね。あの研究室は人気よね」
「そうなの?」
「うん」
「ちなみにサセーナさんはどこの研究室なの?」
「私?私はハーマンド先生の研究室よ」
「どんな研究してるの?」
「今はどこの研究室も疫病についてだけどうちは特に薬の飲みやすさとかね」
「そうなんだ。なんでそこにしたいの?」
「誰でも苦い薬は飲みたくないじゃない?」
「ふふっ確かにそうだね」
そして今日は定期試験についても説明された。
「定期試験はこれらの科目を午前と午後に分けて行います」
先生は黒板に書きながら説明してくれる。
「はい。他に質問がある方はいますか?」
何人かが手を挙げ質問する。
「最後に今回の小テストの成績優秀者ですが…」
と言われた時はすごくドキドキした。
「エイジャー・カーティアスさんです」
周りでは拍手が聞こえていたが私はそれを聞いた途端、一気に落ち込んだ。
まただめだったと思っていると
「しかし今回はカーティアスさんに2点差で迫った学生もいましたから皆さん定期試験は頑張ってくださいね」
授業終わり。
「あっカトリナさん、次こそ頑張ってくださいね。あのカーティアスさんと2点差なのは今まで見た事がありませんから」
と先生に言われてそこで私が2点差なのだと気がついた。
「はい」
昼食を挟んで午後からは各自研究室へ行く。
昼食はサセーナさんとスカーラさんと一緒に食べた。
「じゃあカトリナさんが2点差の学生だったの?」
「カーティアスさんは学年の中では有名で。群を抜いて成績が良いと」
「そうなの?」
「確かドーナ先生の研究室だったような」
「えっ?私、ドーナ先生の研究室に入ろうと思っていたのにやめた方がいいかな?」
「カーティアスさんの事、苦手なの?」
「正直ね。いつもからかってくるの」
「でもカーティアスが人に自分から構うの珍しいわよね。ライバルとして認識されてるんじゃない?」
「そうなの?」
「カーティアスって人当たりは良くて誰とでも仲良くなれるけど自分から行く事ってあまりなさそうなのよね」
「まぁもし2点差ならトップも夢じゃないのでは?」
「でも定期試験は難しいんでしょう?」
「ではみんなで勉強するのはどう?私もいつもちょうど中間だからもう少し上げたいし」
「確かにそうね。私も頑張らないと」
「じゃあシスカ公国で1番大きいと言われている図書館に行くのはどう?あそこならこの学院にない書物もあるかもしれないし」
「そうね。カトリナさんに定期試験について色々教えるにも良い機会かもしれないわ」
「じゃあ決まりね。場所は分かる?」
「えっ?」
「分からなさそうだからとりあえず学院の門の前で待ち合わせしましょう」
「分かったわ」
あまりにもとんとん拍子に話が決まって私は何も言う事ができなかった。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




