192(カトリナ視点)
落ち着いた頃には参列者はほとんど帰った後だった。
翌日。
今日は遅めの起床となった。
両親と共に朝食を摂り、ゆっくりしたのち午後からはお母様と共に慰めの品を頂いた方にお礼状を書く。
「あっちではちゃんと食べてるの?」
お礼状を書きながらお母様が話しかけてくる。
「はい。ネリアが作ってくれていますから」
「忙しくてもちゃんと食べるのよ」
「はい…」
「それで?あっちの生活はどうなの?」
「楽しいですよ」
矢継ぎ早に聞いてくる。
「良かったわね。お父様からもお話があったと思うけど別に気負う必要はないのよ。カトリナの好きにしなさい。それをお父様もお母様も尊重するから」
「ありがとうございます。なんでそんなに優しいんですか?」
嬉しい言葉に思わず聞いてしまった。
「なんでって大切な娘だもの。当たり前よ」
「ふふっありがとうございます。お母様はその…」
「なに?」
「休んでいなくて大丈夫なんですか?」
お母様は一瞬、言葉に詰まっていた。
「あっごめんなさい!」
普段はすぐに返す人だからこんな事は珍しく思わず謝罪した。
「大丈夫よ。そうねぇ何かしていた方が気が紛れるの。そうじゃないと思い出してしまうから」
とお母様は悲しそうに言う。
「でもカトリナやお父様がいてくれて良かったわ。1人だったらどうなっていたか分からないから」
「お母様…」
お母様の悲しそうな表情に何も言えなくなってしまった。
「あっごめんなさい。さぁ続きをやりましょう」
「はい」
それから数時間お礼状を書き続けた。
「さぁもう疲れたから残りはまた明日にしましょう」
するとネリアが空気を読んだかのようにお茶を持ってきてくれた。
「お疲れ様でした。お茶をどうぞ」
「ありがとう」
「うん!変わったお茶ね」
お母様がネリアにお茶について聞く。
「シスカ公国のお茶を少し持ってきたんです」
「あぁだから!美味しいわ」
「ありがとうございます」
私達はのんびりしているがお父様は忙しそうだ。
お兄様の仕事についてなど諸々やる事があるようでいつも王城に通っている。
朝は早く、夜は遅いため葬儀が終わってからほとんど顔を合わす事はなく、私は私で勉強に勤しんでいた。
そしてあっという間にシスカ公国へと帰る日が訪れた。
この日は両親共、見送りのために屋敷にいてくれて「これを持って行け」「あれを持って行ったら?」とお土産をたくさんくれた。
「体に気をつけて頑張るんだぞ」
「また手紙待っているわ」
「はい。ありがとうございます。行って参ります」
そして両親と使用人達に見送られシスカ公国へ戻った。
道中、ネリアそして学院に戻ってからも学院の人に心配されたが私のやる事は明確だ。
これまで以上に勉強に邁進し良い成績で飛び級を目指す事。そしてなるべく早くヘルムード学院を卒業する事だ。
そのためにはトップの成績を取る必要があるのだが、私には最大のライバルがいた。
そのライバルとはエイジャー・カーティアス。
私とさほど変わらない年でチャラチャラしていて何も勉強していなさそうなのに毎回トップの成績で正直、腹が立つ。
今もほら。
「今回の小テストのトップはエイジャー・カーティアスさんです。おめでとうございます。皆さんも頑張ってください」
ヘルムード学院には大事なテストが年に数回ありその他にも小テストがたくさんある。
その度に成績が算出され、あまりに低すぎると退学になる可能性もある。
「カーティアスはやっぱりすごいなぁ」
「カーティアス、勉強教えてよ」
と休み時間はクラスメイトに詰め寄られている人気者だ。
「ごめん。ちょっと用事あるからまた後で」
それなのに…
「カトリナさん、何してるの?」
私に絡んでくる。
「本を読んでいるんです」
「あっこれ調合についての?」
「そうですよ」
「へぇ〜今ここなんだ」
「なんですか?」
「いや?勉強教えてあげよっか?」
「結構です!」
一時が万事こういう鼻につく態度で腹が立つ。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




