177(シシー&アランドレ視点)
なんとフェルソニー様の感染が確認された。
この事でお嬢様は相当なショックを受け数日寝込んでしまった。
私達ももちろんショックだったし何より今回の事で疫病をより近くに感じる。
やがてお嬢様の体調が回復するとお嬢様はフェルソニー様に会いたいと言い出しさらに薬の勉強をしたいと叔父上に懇願していた。
その気持ちは充分に理解できる事だ。
それでも難しいだろうと思っていたが、お嬢様は諦めずついにはフェルソニー様との面会が叶い、お嬢様のお父上である旦那様を説得できれば薬の勉強のためシスカ公国に行っても良いとの許可が出た。
フェルソニー様との面会の時は側にいた私達も涙なしには見ていられなかった。
あんなお嬢様は今まで見た事がない。
面会を終えたお嬢様は泣いていたものの次に顔を上げた時には目に確かな決意が宿っていた。
それからは人が変わったように勉強を始め一時はお嬢様付き侍女であるネリアさんも心配するほどだ。
確かにお嬢様は日に日に弱ってきていてついには私達もほとんど顔を見る事がなくなってしまった。
「お嬢様は大丈夫ですか?」
「今日もお部屋で勉強されております。いい加減やめて欲しいのですけどあれだけ頑張っている姿を見ているとなかなか言えなくて」
そんな事を話していたある日。
屋敷の中を歩いていた時、お嬢様の部屋から話し声が聞こえてきた。
なにやらちょっとした言い合いをしているようだったがその日を境にお嬢様は部屋から出てきてご飯を食べたり睡眠もしっかり取っているようだ。
「さすがに心配でお嬢様に言ったんです」
とネリアさんが言っていた。
そこからのお嬢様はある意味すごかった。
叔父上に与えられた条件を全てクリアしいよいよシスカ公国に行ける事になったのだ。
前々からそれに向けて色々と準備はしていたので行くとなったらすんなりだった。
元々、私達の隊長には事前に話は通しておいたしそもそも疫病で第五騎士隊の活動自体危うい状況だ。
お嬢様達は色々準備する事があったようだが、私達にはあまりなかった。
そして迎えた出発の日。
疫病ため見送りは屋敷の人だけではあったがあまり寂しくはなかった。
数日、馬車に乗ってやっとシスカ公国目前の場所まで来たのに私達がコクルト国から来たという事で1週間の隔離生活を送る事となった。
自分が見た事もないような色々な検査を受け、コクルト国の屋敷の皆さんがくれたお土産も全て調べられて隔離生活の間はお嬢様を含め誰にも会えない。
やる事もないのでただひたすら運動などをする。
そうして毎日、検査を受け最終日の検査でも感染していない事が分かり隔離生活を4人全員終えられた。
やはりシスカ公国の街はこれまで行ったどの街とも違う。
自分にはとても都会に見えた。
遠くからでも通信できる技術や同じものを何枚も作れる技術まである。
これは今までの国ではなかったものだ。
そんなのに感心しながらヘルムード学院へと向かった。
これまたヘルムード学院もすごい場所で校舎は立派だし校舎を取り囲むようにある庭園も素晴らしい。
実際に案内してもらうと感嘆をもらすばかりだ。
予想外だったのはその日に入学試験を受けるという事だ。
これにはお嬢様も驚いていたが、私達の隔離期間中に準備しておいてくれたらしい。
お嬢様は「受けます」と言って別室へと向かう。
私達がいられるのはここまでだ。
待っている間、ソワソワするが私達はお嬢様の頑張りを私達は知っているからこそ信じるしかない。
やがて試験が終わり結果は後日という事だった。
その日は遅くなったため外で食事を摂った。
なんやかんやそれがシスカ公国に来て4人で初めての夕食だった。
今までは純粋に4人だけという事はなく常に誰かいた。
しかしこれからは本当に4人だけの生活になる。
聞いていた通りシスカ公国は海鮮が美味しかったが他のものも美味しかった。
これまた良い土地に来たと思っていたからあんな知らせが来るなんて思ってもいなかった。
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