175(シシー&アランドレ視点)
私達は休日もそれなりに動く。
お嬢様は休日も活発で街に出かけたり、農園を経営しているクライドさんの元へ行ったりしていた。
さらにお嬢様の誕生日があったのでプレゼントを渡そうと言う事で合間を縫って買いに行った。
最初は何を買えば良いか分からなかったが、色々考えて入浴時に使えるものにする。
入浴であれば毎日するし使ってもらえると思ったからだ。
2人でお金を出し合いバスボムを買った。
迎えた誕生日当日の朝。
今日はフェルソニー様がお嬢様を観劇に誘い、その護衛をする。
その前に私達で買ったバスボムを渡す。
「お嬢様、お誕生日おめでとうございます」
「なに?」
「何が良いのか迷ったのですが、バスボムにしました」
正直に言うと
「ありがとう!使わせてもらうわね」
お嬢様はとても喜んでくれて良かった。
観劇について行くと劇場は人がすごかった。
どうやら人気の劇のようだ。
私達はお嬢様の側と外の二手の分かれて護衛する。
やがて劇が終わり会場を出ようとする人も多く私達はなんとか追いつく。
今の所、特に心配はなさそうだ。
次はフェルソニー様、おすすめのカフェへと向かう事になった。
するとフェルソニー様が席を外した。
その時はちょうどアランドレも外を見に行きいなかった。
だからだろう。お嬢様は男性に声をかけられた。
とっさにお嬢様を守ろうとしたがお嬢様に制止された。
その後、すぐにフェルソニー様が来て大丈夫だったがこういう時はいつももどかしい。
私が女だからだろうか?
それともお嬢様を守れるほどまだ強くはないから?
私は心にモヤモヤを残したまま帰宅した。
それからはさらに訓練に力を入れた。
そんな時、コッピーニ村で豪雨災害が起き私達の隊が派遣される事となった。
第五騎士隊として所属している以上、皆が行くのに私達だけが行かないという事はできないしコッピーニ村は屋敷で働いているナビナさんの故郷でもあるため自分達のできる事をしたいという思いがあった。
少し迷いながらもお嬢様に話した。
まだあっちの詳しい状況は分からないが、相当ひどいと聞いている。
もしかすると今後さらに雨が降る可能性もあり油断はできない。
全て正直に話し終えると
「分かってるわ。私達の事は気にせず行ってらっしゃい」
お嬢様はそう快く送り出してくれた。
さらにこれも私達で事前に決めていた事だが、お嬢様の専属護衛としてミール公爵家から頂いているお給金は私達がコッピーニ村へ行っている間、断る。
また私達が行っている間の専属護衛は屋敷から腕利きの者をつけてもらえるよう頼んである。
「私達が災害支援でコッピーニ村へ行く事になったのでその間の専属護衛をお願いできませんでしょうか?」
「分かった。腕利きの者をつける。気をつけて行って来い」
「ありがとうございます」
お嬢様の叔父上がそう言ってくれた。
数日後、私達は出発しコッピーニ村へと向かった。
さらに数時間の道のりをかけてコッピーニ村へ到着するとすぐ被害状況の確認に入った。
状況は予想以上にひどく浸水して泥まみれになった家や山の方では土砂崩れも発生している。
まずは特に被害が大きく、緊急性の高い地域を優先する。
「大丈夫ですかー!誰かいますかー!いたら返事をしてくださいー!」
救出や救助を専門とする部隊とともに要救助者を探し回る。
そして何人かは救出できたものの残念ながら亡くなっている人もいた。
救出の他にも浸水した家の掃除や復旧を手伝ったりもした。
まず汚い泥水を外に出し綺麗にしていく。
さらに泥がついた床や壁も拭き、だめになった板も張り替える。
とにかく騎士としての仕事じゃなくてもできる事は全てやった。
「ありがとうね。ありがとうねぇ」
どこに行ってもそう言ってもらえて純粋に嬉しかった。
やがて支援したいという人達がコッピーニ村へとやって来た。
そうすると暗い顔をしていた人々も明るい表情になった。
そしてナビナさんの家も手伝いに行った。
事前にナビナさんの家は豪雨の影響は大きくないと聞いていたがそれでもひどかった。
1ヶ月近くコッピーニ村に滞在しやっと支援がひと段落し帰って良いという命令が下った。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
一部、内容を変更しました。
申し訳ありません。




