173(シシー&アランドレ視点)
私達はコクルト国にやって来てコクルト国の騎士団の第五騎士隊の所属となった。
第五騎士隊は主に災害時に出動する部隊で一般的な騎士隊よりは出動が少なく騎士団の針子として働くお嬢様に万が一の事があってもすぐ駆けつけられるよう騎士団長が取り計らってくれた形だ。
それでも日々、訓練に励みいつでも出動できるよう準備は欠かさない。
基本の素振りから打ち合い、備品のチェックに連絡会とやる事は多い。
コクルト国の騎士団では年に数回、打ち合いの大会があるようで優秀な成績を収めた者には豪華な品が送られるらしい。
今は皆、それに向けて頑張っている。
「ふん!はっ!」
「力が抜けているぞ!もっと強く!」
「はい!」
まともに騎士としての訓練を受けていなかった私達はなんでも自己流でやっていた。
しかしミール公爵家に来てからましてや騎士団所属になってからは本格的な護衛術や剣術を教えられそれを覚えるのが大変だった。
「疲れたなぁ」
訓練が終わり、休憩していた所騎士隊の同僚に声をかけられた。
「はい」
「それにしてもお前達、センスあるよなぁ。いきなり入隊するって聞いた時はどうなるかと思っていたけど。前になんかやってたのか?」
「いいえ。ただ街の用心棒を」
「だからか。お前達ならもっと訓練すれば第一騎士隊に行けるんじゃないか?」
「えっ?」
「ほら、あそこで訓練してる」
その人が指差す方向には休まず訓練している集団がいた。
「第一騎士隊はな、この騎士団の中でもトップの部隊でもしもの時1番に前線に立つんだ。入隊するには厳しい入隊試験をクリアするか隊長自らのスカウトでしか入れない。でも狙っている連中はたくさんいる」
「そうなんですね」
「まぁ俺も憧れてはいるけどな。じゃあ戻るわ」
その人は喋るだけ喋って行ってしまった。
でもそんな話を聞いていたから昼休みに声をかけられた時はびっくりした。
「腹減った〜ここ良いか?」
「どうぞ」
「あっ自己紹介がまだだった。俺、第一騎士隊隊長のフランだ。よろしく」
第一騎士隊と言えばさっき聞いた部隊だ。
「第五騎士隊所属のシシーとアランドレです。よろしくお願いします」
「実はさっき2人の事、見てたんだ。2人は最近入ったばっかりだって聞いたけどそうとは思えなかった」
「ありがとうございます」
「なぁ今度、興味あったらうちの隊も見にこないか?」
「すみません。大変嬉しいお誘いではありますが私達はお嬢様をお守りしなければならないので。それに私達はまだ前線に出れるような実力ではありませんので」
「お嬢様って?」
「騎士団の針子として働いているミール・カトリナ様です」
「ああ。なんか新人が入ったって聞いたような。でも見にくるだけなら良いだろ?こう言っちゃなんだが第一騎士隊の訓練は勉強になる事も多いと思うぞ?第五騎士隊の隊長には俺が言っといてやるから」
その時はやんわり断ったのだが、それから何かと話しかけてくるようになった。
しかもいつの間にかお嬢様とも仲良くなっている。
そして遂に私達は根負けし第一騎士隊の訓練を見学させてもらう事になった。
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