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旦那様もあれから忙しそうにしている。
毎日、王城に行き夜遅くに帰ってくる。
その繰り返しだ。
どうやらフェルソニー様の仕事の事で色々と引き継ぎがあるらしい。
そしてあっという間に私達がシスカ公国に帰る日が訪れた。
「カトリナ、頑張るのよ」
「はい。お兄様のためは…間に合いませんでしたが薬の勉強をなるべく早くやり遂げて帰ってきます」
お嬢様は忌引き休暇の間も勉強をさぼらなかった。
「無理はせずにな」
「はい。行って参ります」
奥様と旦那様はお土産をたくさんくれた。
馬車に乗り込み私達だけの空間になった所で聞く。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「ええ。なんか勉強に集中していたら気分も晴れたわ。今の私がやるべき事はなるべく早くヘルムード学院を卒業する事だって。お父様にね、言われたの。ミール公爵家の家督を継いで欲しいって」
「えっ?」
「当たり前よね。お兄様がいなくなった今、直系である私に話が来るのは。だから言ったの。勉強を途中で投げ出したくはないから無事、ヘルムード学院を卒業してからかそれが無理なら甥のジェイニーや養子に継がせてくださいって。そしたらお父様も卒業まで待ってくださるって」
「お嬢様はそれで良いんですか?」
「良いも何も領地経営って楽しそうじゃない?昔、そういうゲームやってたのよね」
昔とは前世の事だ。前世というと驚かれるからと昔と言っていたのが染みついたようだ。
「でも次の当主になるという事は跡継ぎの事も考える必要がありますし大変な事が色々ありますよ」
「ああ。結婚の事ね。考えてみれば私、こっちに来てからあまり社交の場に出た事がないよね。だから1回出てみても良いかなって。あとはもし何か良い出会いがあればするししなかったらしなかったで養子をとっても良いってお父様にお許しを頂いたわ」
「えっもうそこまで?」
「ええ。何があるか分からないじゃない。今回の事で実感したわ」
「そうですね」
「さぁ帰ったら勉強頑張るわ!」
そうして馬車に揺られる事、数日。
シスカ公国に戻ってきた。
お嬢様はそのまま学院へと向かう。
私は途中のアパートで降りて部屋の片付けや留守中に入った郵便物の整理などをする。
実は私は落ち着くまではと思い仕事はしていない。
そんな時にフェルソニー様の訃報がありさらに忙しくなってしまった。
全て落ち着いたら仕事の事も考えてみようと思っていたが今は喪に服す1年間は侍女の仕事に集中した方がいいのではとも思っている。
幸いミール公爵家の好意でまだ侍女としてのお給金はもらえているためそれで生活はできているのであまり心配はない。
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