165(フェルソニー視点)
それから各方面に話をしカトリナは無事針子として騎士団で働く事になった。
さらに一連の事件の重要人物に宰相が浮上した。
これは叔父の情報のおかげだ。
叔父は人脈が広く人付き合いも上手い。
そのため王室周りに関するありとあらゆる情報を集めてくれた。
その中で宰相には黒い噂が多かった。
この時点では噂程度だったが王城に潜入している潜入班の情報と照らし合わせると宰相が関わっている事はほぼ確実だった。
僕個人としてはすぐにでも逮捕に踏み切りたかったが、そこまで行くにはまだ証拠が足りない。
そこで潜入班に宰相をしばらく間、徹底的に監視してもらう事に決まった。
そうして辛抱強く待ったがその間に隣国と緊張状態に入ったり、コッピーニ村で災害があったりと今回協力を要請した機関も情報局自体も忙しくなってしまった。
しかしそんな中で隣国との緊張状態は宰相が裏で糸を引いているとの情報が入った。
この事で情報局側で宰相に話を聞く事に決定した。今回は局長も同席する。
「ようこそお越しくださいましてありがとうございます」
「いいえ。忙しいので手短に」
「承知しております。こちらへどうぞ」
ある1室に案内し話を始める。
「それで?」
初めから偉そうな態度だ。
「今回、お話をお聞きしたいのは隣国との緊張状態はあなたが裏で糸を引いているのではないかという疑惑についてです」
「はっ?それはただの噂でしょ?」
「ええ。もちろん国を担う方がそんな事するとは思っていませんよ。しかし一応念のため。そちらも疑念は晴らせた方がいいでしょう?」
「はははっ。確かに。なんでも聞いてください」
「ありがとうございます。ではさっそくこちらの写真をご覧ください」
そうして情報局が得た数々の情報を開示する。
その瞬間、表情が少しだけ変わった。
「なんですか?これは」
「こちらが得た情報ですよ」
それからも色々と聞き取りをした。
「これで以上です。本日はご足労頂きありがとうございました」
「いいえ。疑念は晴れましたかな?」
「ええ」
笑って言うが僕とカリアンは目を見合わせた。
話を聞く限り、怪しい。
なのでしばらく泳がせる事にした。
「怪しいな」
「やっぱり君もそう思ったか。本当はすぐにでも逮捕したかった」
「まぁまぁ落ち着け。なんとかする」
「君はいっつもそう言うよね」
「でもなんとかなっているよね」
そうなのだ。カリアンがそう言う度にどうやっているのか分からないがなんとかなっている。
「そうだな」
そう話した数週間後の記事を見て驚いた。
『隣国との緊張状態は我が国の宰相が原因か!?カドーニ王国の事件にも関与の可能性』
と出ていたのだ。
すぐにカリアンに聞く。
「これ、どういう事だ」
「ああ。これな。記事の通りだ。潜入班から決定的な証拠の音声を得た。騎士団が近いうちに逮捕に踏み切るはずだ」
書類仕事をしながらこっちも見ずに言う。
「その音声は?」
「これだ」
そう言って聞かせてくれた音声には確かに決定的な発言が録音されていた。
「これは…!」
「こっから忙しくなるぞ」
「ちょっと出てくる」
「えっ?」
「戻って来てからしっかり働くから」
そう言って叔父様の屋敷へ向かう。
カトリナもこの記事を見ているはずだ。
カドーニ王国の件から続いているためカトリナも当事者ではある。説明をしたい。
カトリナの案の定、どういう事かと質問攻めにされたがさっき聞いた話と僕の知っている情報で答える。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




