164(フェルソニー視点)
それから本格的に捜査が始まったがそんな中でもカトリナ達がこっちに来ても不便がないよう準備を進めていた。
そんな時、カドーニ王国で仕立てを頼んだズボンが出来たとの連絡があった。
すぐにカトリナへと手紙を書きその事を伝えると「嬉しいです」と返事が届いた。
その少し後、カトリナもついにコクルト国へとやって来た。
コクルト国には私達の父方の叔父がいる。
今回はそこへの滞在を許してもらえるよう交渉してくださいと父上に頼みすぐに許可を得た。
叔父も久しぶりに会いたかったのだろう。
僕が叔父の屋敷へ挨拶に行った時もすごい歓迎ぶりだったから分かる。
「フェルソニー、久しぶりだな。元気にしてたか?食事は食べたか?用意したから食べて行け」
「叔父様、お久しぶりです」
そのままダイニングテーブルに座らされる。
その間に運ばれてくる料理も豪華だ。
食べながら話をする。
「仕事は順調か?」
「はい。おかげさまで」
「それは良かった」
「それで仕事の事で叔父様に頼みたい事があるんです」
「なんだ?」
それから叔父様に捜査の協力を要請した。
これは事前にコクルト国の情報局側にも確認を取っての事で叔父様は王城に出向く機会も多いので情報収集に協力してもらう。
実は今回の一連の出来事は裏でコクルト国の政治関係者が関わっているかもしれないとの情報があるのだ。
そのためカトリナも叔父様の近くそして自分が目の届く場所に居てもらった方が安心だ。
「そうか。それは大変だ。私も協力させてもらう」
「ありがとうございます」
叔父様はすんなり了承してくれた。
そうして忙しい日々の中でもカトリナに会いに行く時間は作る。
今日も叔父様の屋敷へと出向いた。
「ようこそいらっしゃいました」
叔父様の執事であるマールが出迎えてくれた。
「カトリナは?」
「今はお部屋にいらっしゃいます」
とカトリナの所まで案内してくれた。
部屋の前まで来てマール越しに見るカトリナは笑顔をだった。
「お兄様!」
「久しぶりだね。元気にしてた?」
僕に気づいたカトリナに声をかける。
「なに飲んでるの?」
「これは今日行ったお店で調合してもらったモク茶です。その人の体調などに合わせて何種類かのスパイスを調合してくれるんですよ」
確かにコクルト国のモク茶は有名だ。
「へぇ〜僕も行ってみようかな」
「ぜひ。それはそうと今日はどうしたのですか?お仕事がお忙しいのでは?」
雑談していてすっかり忘れていたが今日は用事があった。
カトリナがカドーニ王国で頼んでいたズボンを届けるためだ。
「あっ今日はこれを届けに来たんだった。はい、これ届いたんだ」
「もしかしてズボンですか…?」
その瞬間、カトリナは感動したように目を見開きいきなり椅子から立ち上がって喜ぶ。
「うん」
「やった〜!」
「そんなに?」
これには僕も驚き、笑った。
「ええ。とても」
「そういえば仕立て屋から感想教えてくれって。あとこれを商品として販売する事も考えてるって」
その後、カドーニ王国の仕立て屋からの手紙に書いてあった事を伝える。
「商品として?」
「うん。まだどこにもないものだし許可をもらえたら具体的な事相談したいって。どうする?」
「そうですねぇ。仕立て屋とのやり取り、私にやらせてもらってもよろしいですか?」
カトリナに仕立て屋の宛先を教え後、もう1つ相談されていた事を話す。
「あっそれともう1つ相談があるんだ。カドーニの時みたいにこっちでも仕事って探してる?」
今回協力を要請しているコクルト国の騎士団本部に話をしに行った時、針子を募集しているという貼り紙を見た。
さらには騎士団長から人手がなくて困っているという話を聞いた。
カトリナは刺繍のハンカチをくれたように刺繍が得意だ。
だからその話をすると1度会いたいと言うので僕から話を通す事になった。
その後、叔父様とも進捗状況を話し屋敷を出た。
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