159(カトリナ視点)
「遅れました。すみません」
とその先生は私の向かいに座る。
「あっドーナ先生すみません。こちら薬の調合?について主に教えているハカル・ドーナ先生です」
キャメロンさんから紹介され私も挨拶する。
「初めまして。薬の調合を専門にしておりますハカル・ドーナと申します。編入生の担当もしています」
笑顔が素敵な穏やかそうな女性の先生だ。
「初めまして。ミール・カトリナと申します。よろしくお願いいたします」
「推薦書は問題ありませんでした」
「ふんふん…そうですね」
「学校案内も済ませております」
キャメロンさんと先生が話す。
「分かりました。ではこちらからいくつか質問しても?」
全て聞き終わった先生はこっちに目線を向け聞いてくる。
「はい」
「以前はどこの学園に?」
その質問に私は一瞬、固まってしまった。
転生する前のカトリナの記憶は重要な事とカトリナ本来のポテンシャル以外はあまり覚えていない。
「申し訳ありません。実は私、記憶喪失になってしまい祖国での学園時代の事はまったく覚えていないんです」
と言った。
「そうなんですね…こんな事聞いてしまってすみません」
先生は申し訳なさそうにするがこっちの方が申し訳なくなる。
「いいえ。こちらこそ申し訳ありません」
「ではコクルト国から来られたようですが今まで何を?」
「あっ今までは旅をしていました。お恥ずかしい話ですが祖国の王子から婚約破棄をされてしまって…それからは色々な国を回っていました」
これに関しては嘘をつく必要はないので正直に言う。
その後も少し雑談をし先生から驚きの事を提案された。
なんと今から編入試験を受けないかと言われたのだ。
「えっ?今から?」
思わず素っ頓狂な顔をしてしまった。
「せっかくこちらまで来て頂いたのにこのままお帰り頂くのも申し訳ないですしね」
「実はあなた方が隔離されている間にドーナ先生が試験問題を準備してくださったんですよ」
「分かりました。ぜひ受けさせてください」
そう言われたら受けないわけにはいかない。
大丈夫。不安だが自信はある。
「分かりました。では今準備してきますので少々お待ちください」
そう言うと先生が出て行った。
数十分後。
「お待たせして申し訳ありません。教室の準備ができましたので行きましょう。あっ侍女と専属護衛の方達はこちらでお待ち頂けますか?」
「はい。承知いたしました。お嬢様、頑張ってくださいね」
「ありがとう。頑張ってくるわ」
私はネリア達に見送られ先生と共に職員室を出た。
案内されたのは空き教室。
「こちらに座ってください」
「失礼いたします」
「準備はいいですか?試験時間は60分です」
「はい」
「では始めてください」
先生の声を聞いてペンを走らせる。
正直難しい問題もあったが、全力を尽くしたつもりだ。
結果は5日後だと言われてお礼をし学院を出た。
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