158(カトリナ視点)
シスカ公国に向かった私達はシスカ公国に入る前に足止めされた。
コクルト国からやって来た私達に疫病の危険性がないかを詳しく調べるためだ。
まずは城に連れて来られ、熱を測ったり棒を口に突っ込まれたりなど色々な検査をされた。
その後、城で管理している隔離施設で1週間隔離された。
その間は4人とも別々の部屋で部屋の外に出るのも禁止なので皆の様子も分からない。
そうしてやっと隔離期間の1週間を迎え、その日の検査で大丈夫だったので4人全員で出る事ができた。
その後、叔父様が紹介してくれたアパートに向かう。
私としてはこの国が1番前世に近いように思う。
電話のような通信機能もあるし手間ではあるが印刷技術もある。
その印刷技術のおかげで本や新聞も安価で平民にも行き届いている。
今まではその国その国で特徴があったがアパートのオーナーに案内された部屋は至って普通だった。
「鍵渡しておきます」
ひと通り、説明してくれて最後に鍵を渡されてオーナーは出て行った。
部屋も綺麗だし気に入った。
それからヘルムード学院に向かう。
先程ヘルムード学院に電話したら今から来ませんか?と提案されたのですぐに了承した。
この国の電話は前世の携帯電話というより糸電話に近い。
受話器に耳を当て相手の声を聞き、話す時は受話器から離して話す。
学院の前に着くとこちらまで緊張してくる。
立派な建物の校舎がありその周りを囲うように庭園がある。
ここに薬草などを植えるのだろう。
「お待ちしておりました。私、この学院で事務員をしておりますエイリー・キャメロンと申します。よろしくお願いします」
緊張しながら中に入るとすでに職員が待っていてくれたのでカーテンシーで挨拶をする。
「初めまして。ミール・カトリナと申します。こちらは私の侍女と専属護衛です。今日は同席させて頂いても構いませんか?」
「ええ。もちろんです。むしろすみません。学院内の様子が分かるように教員の方にも同席して頂こうと思ったのですが、難しくて…」
ある意味今回の訪問は突発的だったので当たり前だ。
「いえいえ。先生方もお忙しいと思いますし大丈夫です」
「すみません。ではさっそくですが行きましょう。学院内はもちろん学生生活についてもできる限りご説明させて頂きますから」
「ありがとうございます」
そうしてキャメロンさんによる学校案内が始まった。
キャメロンさんの説明を聞きながら歩いているとちょうど授業をしている教室の前を通りかかった。
そこでは年齢も性別も何もかも違うさまざまな学生が一緒に学んでいる。
それは学院の理念が深く関係しているのは間違いないが私はそれにとても感動した。
今までこの世界に転生してから貴族と平民などという身分差を切に感じてきた私にとって久しぶりに見た光景だった。
「大丈夫ですか?」
感傷に浸りすぎてキャメロンさんにも心配されてしまった。
「あっ大丈夫です。ごめんなさい。なんだか懐かしく感じてしまって」
それからも庭園や研究室などに案内してもらった。
特に感動したのは庭園だ。
そこにはたくさんの薬草があり温室はドーム型になっており光が全方面から降り注ぐ。
「これすごいですね」
「ええ。自慢の温室です」
その後、職員室に戻り推薦書を確認してもらったのち最初に話していた先生がやって来た。
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