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そうして迎えた編入当日。
お嬢様は朝から気合いが入っていた。
新しい制服に袖を通し身だしなみもきっちり整えていた。
門の前まではシシーとアランドレが護衛してくれる。
「行ってらっしゃいませ。初日、頑張ってください」
「ありがとう。行ってくるわね」
お嬢様を見送った私は部屋を掃除したり洗濯をしたり、身の回りの家事をこなす。
やがてシシーとアランドレと共に簡単な昼食を済ませ夕食の買い物のついでに街探検もする。
今まで街には何度も出たが、必要なものを買うばかりでしっかりとは見ていない。
道をゆっくり歩きながら1つ1つ見ていると
「おっと!ごめんね。怪我はない?」
男性とぶつかってしまった。
「こちらこそ申し訳ありません!私がよそ見をしていたから」
私は咄嗟に深く頭を下げる。
「こっちこそ急いでいたから。あっごめんね。もう行かなくちゃっ。もし何かあればここに連絡して」
渡されたのは名刺だ。
見るとそこには探偵事務所と書いてある。
その日は結局、夕食の買い物をして帰った。
「ではお嬢様をお迎えに行ってきます」
夕食の準備に取り掛かろうかという時、アランドレがそう声をかけてくれた。
「行ってらっしゃいませ。お嬢様をよろしくお願いします」
帰りも門の前からは2人が護衛してくれる事になっている。
私も気合いを入れて夕食の下準備をする。
シスカ公国にはこれという郷土料理がない。
言ってしまえばどれも美味しいのだ。
でも少しこの国の味というものにも興味があってたまたまふらっと立ち寄った書店で料理本を見つけたので買ってみた。
今日はその中の1つを作ってみるつもりだ。
シスカ公国の海鮮を使った素朴な味の料理らしくこれなら食べやすいのではないかと思った。
まずはお店で買ってきた魚を捌く所から始める。
料理本と一緒に魚の捌き方の本も買ったのでそれを見ながらやっていく。
さすがやはりシスカ公国は本も手に届きやすい値段だった。
今までだったら1冊買うのも悩んでいたはずだ。
そうして試行錯誤しながらなんとか捌き終わった頃、護衛の2人と共にお嬢様が帰ってきた。
「ただいま〜」
「ただいま帰りました」
「おかえりなさいませ。お荷物預かります」
「大丈夫よ。それより何かやっていたんじゃない?」
「はい。今日買った新鮮な魚を捌いておりました」
「えっ?ネリアが?」
「はい。本日の夕食のために」
「すごい!私も見て良い?」
「はい」
「じゃあ着替えてくるわ」
「あっお手伝いします」
「大丈夫よ。続きやっていて」
一旦自分の部屋に行き、着替えてきたお嬢様が戻ってきた。
「美味しいそうね。今日の夕食は何?」
「海鮮パスタです。海鮮のだしだけで味付けをするようでもちろん魚の身もパスタの上に乗せます」
「ここの海鮮は美味しいから楽しみだわ。何か手伝う事ある?」
「いえ。お嬢様もお忙しいでしょうから」
「大丈夫よ。それに今日は初日だから課題はあまり出されていないの」
「それならこれを洗って頂いても良いでしょうか?」
「分かったわ」
私達は隣同士で調理場に立ちながら色々な話をした。
「今日はいかがでしたか?」
「まだ初日で分からない事ばかりだけどお世話学生さんも良い人だし」
「良かったですね」
「ええ。クラスメイトも少々個性的だけど良い人達だわ」
「そうですか。安心しました」
お嬢様が無事、ヘルムード学院に入学しこれからは前に進むのみと考えていた時、ある知らせが届いた。
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