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「何を作るの?手伝うわ」
「いえ、そんな…簡単なものですよ。新鮮そうな魚が手に入ったのでそれを煮込んだものと肉と野菜の炒め物にしようと思ってます」
「美味しそう」
お嬢様が手伝ってくれたので予想以上に早く出来上がった。
そして家での1回目の夕食を迎えたのであった。
それからもお嬢様はシスカ公国の色々な場所を巡り、時にはコクルト国やカドーニ王国の方々と手紙のやり取りをしながら過ごしていた。
そして迎えたヘルムード学院編入試験の結果発表日。
朝からお嬢様は緊張でソワソワしていた。
しかも目の前に到着した時でさえソワソワしている。
「緊張するわ」
「お嬢様、もういい加減行きましょう。大丈夫ですよ」
と背中を押して学院内へと進み職員室をノックした。
「失礼します。先日編入試験を受けさせて頂いたミール・カトリナと申します」
「あっカトリナさん!こんにちは。結果についてですよね。今ドーナ先生も呼んできます」
「ありがとうございます」
お嬢様に気づいてくれたキャメロンさんが職員室を出て行く。
少し経ってドーナ先生と戻ってきた。
「お部屋を準備しました。こちらへどうぞ」
「私もすぐ行きますから」
キャメロンさんに部屋へと案内されて私は席に座ったお嬢様のそばに控える。
「お待たせしました。結果についてですね」
「はい」
そう言うお嬢様の表情はガチガチで明らかに緊張しているのが分かるし机の下で重ねている手がギュッと固く握られているのが見える。
「そんな緊張しなくても大丈夫ですよ」
「すみません」
「いえ。結果ですがおめでとうございます。見事合格点に達していました。これからもよろしくお願いしますね」
ドーナ先生がそう言った瞬間、お嬢様は信じられないというように目を見開いた。
「本当ですか!?」
「ええ。私だけではなく他の先生にも確認してもらいましたから確かです」
その瞬間、お嬢様は目に涙を浮かべる。
「大丈夫ですか?」
慌ててキャメロンさんが拭くものを差し出す。
「すみません。嬉しくて…気が抜けてしまって」
「良かったですね」
私も正直、嬉しくて平静を装うのが大変だった。
「少し落ち着きましたか?」
「ええ。すみません」
「ではこちら入学許可証と学院内で必要なもののリストです。特に制服は公式の取り扱い店がありますのでそこで購入してください」
「分かりました」
「また本学院の生徒である事を証明する証明書は入学当日にお渡ししますので学院内では常に携帯してくださいね。他に何か質問はありますか?」
「特には」
「まぁ常に必要なものと言えば制服と証明書くらいですしね。また本学院では新しく入学した生徒にはお世話学生と言って学院内で困った事があった時に面倒を見るお世話係の学生が1人つきます。もちろん私達もいますし何かあれば遠慮なく言ってください」
「はい。ありがとうございます」
「あっあとうちの制服は少し特殊なので出来上がるまでに時間がかかるかもしれません。また具体的な日時が分かりましたらご連絡ください。それに応じて入学日を決めさせて頂きます」
「分かりました。よろしくお願いします」
私達は深々と頭を下げ学院を後にした。
そして学院を出た瞬間、私達は目を見合わせて喜び合った。
「やった〜!」
「おめでとうございます。帰ったらお祝いしましょう」
「まさか入れるなんて。信じられないわ」
「あれ?自分の力を信じていたのでは?」
「信じてたけどまさか本当に叶うなんて。早くお父様とお母様、お兄様、叔父様にも報告しなくちゃ」
「その前に宴会のための美味しいものを調達しなければ」
「そうね。そうしましょうか」
それからウキウキのままさまざまなお店を回り、お酒や食べたい物を買った。
お酒はまだ何も成年じゃないからだめじゃないかとお嬢様に言ったら
「社交界デビューもしているみたいだし大丈夫じゃない?みんな社交界にデビューしたら飲むって聞いたわよ」
と言われた。
まぁ今日はめでたい日だしそんなに飲まなければ大丈夫そうなのでよしとする。
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