143(カトリナ視点)
それは突然、訪れた。
なんとフランさん達が派遣されている隣国で疫病が発生したのだ。
その疫病は特効薬がなく、対処療法しかできないものだった。
しかも対処療法をするための薬でさえ高価でほとんど貴族しか使えない。
それはすなわち薬を買えない国民は死んでしまう可能性が高いという事だ。
それでは意味がないと思うが、今の私にできる事は少ない。
でも何かしたい、そんな中で思いついたのがマスクだった。
この頃、お兄様や叔父様からも祖国へ帰るべきだと言われたが帰ったからと言って疫病が祖国に広がらないというわけではない。
それなら私にできる事をしたいと思った。
ちょうど針子の仕事で大量に端切れが余る。
私はこれももったいないと感じていてこれでマスクを作れないかと思っていた。
そう思った私はすぐに相談を持ちかける。
「あの…この余った端切れって頂く事はできますか?」
「何に使うんですか?」
「実は…あるものを作りたいと思っていて」
「あるもの?」
「はい。最近隣国で疫病が発生したという報道を見まして…それを予防するものをこの端切れで作れないかと思っています」
「予防するもの?」
「はい。マスクと言いましてそれで口を覆う事で疫病を少しでも予防できるのではないかと」
「マスク…?まぁそれにどんな効果があるのかは分かりませんがこんなにあるので少しなら大丈夫かと思います。でもこの端切れも使う事があるので全部はだめですけど」
「ありがとうございます!」
「疫病は怖いですからね。試しにそれ私にもくださいますか?」
「はい!もちろんです」
「ではそういう事で」
これで材料の方はOKだ。
あとは販売もしたいのでそれは叔父様へ相談してみる事にする。
「針子の仕事をしていると大量の端切れが出るんです。それを使ってマスクを作れないかと思って」
「そのマスク…とはなんだ?」
「あっ説明し忘れていました。すみません。マスクとは口元を覆うもので疫病に感染する可能性を減らせる事のできる魔法のアイテムです」
「そんなものがあるのか?」
「はい。こちらが完成予想図です」
マスクの形を書いて見せる。
「本当は布ではなく特殊な紙の方が良いんですが、今はとりあえず布で製作します」
「特殊な紙?」
「はい。正確に言えば繊維です。でも布で作ってもずっとつけてるのではなくて定期的に綺麗に洗ったり取り替えたりすれば大丈夫です」
「そうか…私に何か手伝える事はあるか?」
「ありがとうございます。ではこれから本格的に製作する予定なのでその都度意見をお伺いしたいのと完成したらそれを販売できる商会も紹介して頂きたいのです」
「分かった。いつでも対応できるように準備しておく。他に必要なものがあればいつでも言ってくれ」
「ありがとうございます」
叔父様は快諾してくれ、私達はさっそくマスクの製作に取り掛かった。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




