142(カトリナ視点)
声明の通り大臣を始めとする政治責任者の総入れ替えが行われ、大臣の中にも宰相と結託していた人物は何人かいたそうだがその者達も逮捕される事となった。
この事件の主犯格である宰相は逮捕ののち裁判にかけられ国を転覆させようとした罪で他国へ追放の上、貴族から平民に落とされるとの事だった。
国王の声明について非難していた者達もこの頃には落ち着いていた。
そんな時、1つ目の朗報が届いた。
それは今まで緊張状態にあった隣国と同盟交渉に入ったという事。
それはすなわち隣国とは戦争をしないという事で派遣されているフランさん達も安全に帰って来られるという事だ。
なんでも今回の緊張状態は宰相が裏で糸を引いていたのではないかと報じられていた。本当に良かった。
さらに朗報は続く。
コッピーニ村に災害派遣に行っていたシシーとアランドレがコクルト国に戻って来ると報じられたのだ。
それはとても嬉しい出来事だった。
2人が帰って来るのは実に数ヶ月ぶりの事でそれを知った時からウキウキしていた。
2人をどうやって出迎えるかそればかりを考えている。
「シシーとアランドレが帰って来る時、ささやかで良いから何かやりたいわね」
「確かにそうですね。何が良いですかね?」
それからネリアと何をしようか考えた所、屋敷を少し飾り付けする事、お菓子を作ってお菓子パーティーをする事くらいしか思い浮かばなかった。
2人が帰って来るとされる数週間後までちょっと変わったお菓子にしたいと思い試作を続ける。
時には屋敷の使用人達にも協力してもらって。
私がこっちに来てからお菓子をたくさん作るので使用人達のお菓子に対する舌も肥えてきたような気がする。
そうしてついに2人が帰って来る日を迎えた。
「来ました」
帰って来る正確な時間が分からなかったのでゆっくりしていた所、執事のマールが2人が来た事を教えに来てくれた。
「今行くわ!」
急いで返事をしネリアを置いて玄関へと走る。
「シシー!アランドレ!お帰りなさい」
私は満面の笑みで2人を出迎えた。
「お嬢様、ただいま帰りました」
2人は跪いて挨拶してくれた。
「よく帰って来たわね。2人のためにお菓子を焼いたの。食べてくれる?」
2人は一旦着替えてから私達で作ったお菓子をたくさん食べてくれた。
「本当にお疲れ様。無事に帰って来てくれて嬉しいわ。ありがとう。たくさんあるからいっぱい食べてね」
「はい。これ、とても美味しいです。今まで食べた事のないお菓子ですが…」
「そうなの!シシーとアランドレは私の作ったお菓子今までたくさん食べているじゃない?だから食べた事のないお菓子を作りたいと思って。これはモチっていうのよ」
「モチ…?」
「そう!コクルト国には穀物もあるし豆もあるじゃない?それを使ったの」
「へぇ〜美味しいです」
「良かった」
変わったお菓子とは餅の事だった。
コクルト国には穀物もあるし豆もある。
それを活かせるお菓子を考えていた所、思い浮かんだ。
シシーとアランドレが帰って来たり、カドーニ王国から続く事件の主犯格が捕まったり、緊張状態にあった隣国と同盟交渉に入ったり最近は良い事ばかりだ。
だからだろうか。
これからさらなる地獄を見る事になる。
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