141(カトリナ視点)
それはとある日の日刊紙にこんな見出しと共に掲載された。
『隣国との緊張状態は我が国の宰相が原因か!?カドーニ王国の事件事件にも関与の可能性』
正直見た時は驚いたがすぐにお兄様が屋敷へ訪れた。
「今朝の記事は見たか?」
お兄様は私の部屋に入ってきて開口一番にそう言った。
「これですか?」
私は大々的に報じられている日刊紙を差し出す。
「これはどういう事ですか?カドーニ王国での事件というのはもしかして…」
「その通りだ」
私がなんとなく予想していた事を言うとお兄様は難しい顔で肯定する。
「ではこの記事は事実という事でよろしいのですね?」
「僕達の調査で分かった事だ。カドーニ王国での女性傷害事件やカトリナが誘拐されそうになった件も全てこの国の宰相と繋がりがあった」
「そうですか。それで?逮捕は出来そうなんですか?」
私は質問したい事が多すぎて矢継ぎ早に聞いてしまう。
「やけに冷静だね」
お兄様はそう言ったが全然冷静ではない。
「冷静ではありませんよ。内心はすごく驚いていますが驚きすぎて顔に出ないだけです」
お兄様は近いうちに全て解決すると言葉を残して去って行った。
『急展開!宰相が一連の関連を認め裁判へ!国民裁判の可能性も』
その言葉通り、それからしばらくの日刊紙はこの話題で持ちきりだった。そのおかげで叔父様も忙しくしている。
「早すぎるまさに急展開でしたね」
「ええ。でもさすがお兄様だわ」
「そうですね」
ネリアとそう話しながら職場である騎士団に向かうとそこでもこの話題ばかりだ。
「宰相が関わっているなんてどういう事なの?」
「詳しい事は知らないけどこれが本当なら大問題よね」
「本当お貴族様の考えている事は分からないわね」
「これから私達どうなるんでしょうね。針子の仕事も前より減ったし解雇なんて事になったらどうしよう」
「やだ!縁起でもない事言わないでよ」
「まぁあり得るわよね」
なんて話しているのを聞きながら自分は黙々と作業をする。
やがて報道されればされるほど説明や責任を問う声は大きくなり、国王が声明を出す事態となった。
その声明は日刊紙だけではなく、街の掲示板などにも貼り出され、皆が集まって見ている。
そしてその日も針子の世間話は続く。
「声明を出したみたいだけどあんな声明なら誰でも書けるわよね?」
その声明の内容は国民は混乱させてしまった事への謝罪と大臣などの総入れ替えをするというのが主だった。
「国王自身が書いたものじゃないんじゃない?」
なんてずっと喋っている。
確かに仕事は減っているけどずっと喋っていられたら正直迷惑だ。
そう思っていた時。
「皆さん、ここは職場です。お喋りをしたいならどうぞ他の所でお願いします」
とソンナさんが注意してくれた。
話していた数人の針子は気まずそうに黙った。
こういう時、ソンナさんは頼りになる存在だと改めて思う。
そんな日々を過ごしていた私に朗報が立て続けに届いた。
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