120(カトリナ視点)
数日後、今日はサーカスを観に行く日だ。
朝から準備をしネリアに変な所がないか何度も確認する。
お兄様なしで男性と出かけるのはほぼ初めてだったから緊張した。
「変な所はないかしら?」
「ええ。とてもお綺麗です」
その時。
「お迎えが参りました」
というナビナの声が聞こえた。
「ありがとう。今行きます!」
急いで返事をし私達は急いで玄関に向かう。
玄関ホールではすでに2人が待っていた。
「こんにちは」
「今日はお誘い頂きありがとうございます」
2人は私服だからかいつもと雰囲気が少し違って新鮮だ。2人は騎士団の中でもイケメンだと針子の人達が言っていたが確かにかっこいい。
「こちらこそ受けて頂きありがとうございます。行きましょう」
「はい」
そうして4人でサーカスへと向かった。
会場に到着するとフランさんが会場に入るために必要なチケットがないと言い出す。
そこでエイブリーさんがフランさんの分のチケットもポケットから取り出した。
ここでも2人は良いコンビだ。
無事、4人で会場に入る事ができた。
そうして始まったサーカスはリングやトランポリンを使ったものや猛獣使いなど前の世界のサーカスとさほど変わらないものだった。
会場では何か芸をする度に歓声が上がり大盛り上がりのまま終了する。
「はぁ〜とっても面白かったです。今日はお誘い頂きありがとうございました」
感想を言い合いながら会場を出ようとすると
「泥棒〜!」
という貴婦人の声が聞こえた。
その後すぐにタッタッタッと走る男が見えた。
私達が声を出す間もなくフランさん達は犯人に向かって走って行った。
「待て!」
ネリアも動揺していたが、私のそばを離れず守ってくれた。
2人は割と早く強盗犯を捕まえて戻ってきた。
フランさんは1人でしょんぼりした強盗犯の首を掴み警備隊に引き渡しに行く。
「ごめん!こいつ警備隊に引き渡して来るからちょっと待ってて。エイブリーもここで待ってろ」
エイブリーさんも強盗犯から取り返したバッグを女性に返しに行った。
「さて行こうか。このままじゃ締めも悪いし他に行きたいところある?」
その後、2人が戻ってきた所で仕切り直しをする事になりそう聞かれたが思いつかなかったのでフランさん達のおすすめのお店に行く事になった。
「じゃあ最強の屋台飯食べる?」
フランさんがいう最強の屋台飯とはなんなのか。
向かったのは屋台街。
そこにはたくさんの種類の食べ物やお店が連なり賑わっている。
「おっちゃん、いつものあれちょうだい。4つね」
フランさんはその店で手慣れたように注文し店主も手慣れたように作り始める。
やがてコンビニの肉まんのような紙に包まれた物体が渡された。
それは熱々で湯気を立てている。
半月型に包まれた生地を一口割ると中からはスパイスの効いたお肉と野菜が溢れ出る。
「美味しい!」
「でしょ?」
聞くとこれはブチャタータンというらしく小腹を満たすのにはちょうど良い。
さらに甘い味のデザートブチャタータンもあるらしい。どんなのか気になるのでデザートブチャタータンも食べ行く事にした。
エイブリーさんの案内で歩いている途中、代金を払い忘れていた事に気がついた。
「ふふっ。あっ忘れていましたけどさっきのブチャタータンの代金払います」
「良いって。あれは俺の奢り」
「では次のお店では私が奢ります」
その宣言通り次のデザートブチャタータンのお店では私が支払った。
そして最後にフランさん達は自分達のお気に入りスポットだという景色の良い高台へと連れて来てくれた。
こういう時、本当に写真機能があればと思う。
フランさん達に写真について説明すると「革命だな」と言って笑った。
この時間が永遠に続けば良いのに本当にそう思った穏やかな1日だった。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




