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「今日はお時間を作って頂きありがとうございます」
当日、私達の案内でクライドさんの農場へと向かった。
「いいえ。それで今日は小麦をご希望との事で」
「はい。そうです」
「分かりました。こちらへ」
案内したのは私達も案内された事のある倉庫だ。
「ご希望に添えるものかは分かりませんがこれがうちで作っている小麦です」
「お〜これ買い取らせて頂いても良いですか?実際にこれでパンを作ってみたいので」
「はい」
そうしてエコピットさんはクライドさんの小麦を買い取った。
今日のところはクライドさんの所で事足りたのでそのままパン屋へ送り届けた。
「2人とも今日は案内してくれてありがとうございました。おかげで良いパンができそうです」
「それなら良かったです」
「完成したらぜひ食べに来てください」
「良いんですか?」
「ええ。ご馳走します」
「ありがとうございます。ではまた」
エコピットさんはこれからクライドさんの小麦でパンの試作をするようだ。
「良かったわね。クライドさんにもお礼しなきゃね」
「はい」
数日後。
クライドさんの小麦で作ったパンができたとの知らせがあり店員の皆やお嬢様で試食会をする事になった。
「これがクライドさんの小麦で作ったパンだ。皆食べてみてくれ」
「お〜匂いはいつも通りですけど」
1口頬張ると柔らかい口触りと共にほんのり甘さを感じた。
「うん。いつも通りだと思いますけど」
私達とディナさんはそう言ったがそこでクロエさんが
「いや、もう少し改良の余地あると思います」
と言った。
「まず風味が物足りなく感じるし柔らかさももう少しあったような気がします。今のままでもこれはこれで美味しいけど」
「そうなんだよ。自分ももっと工夫できる部分があるんじゃないかって思ってて」
さすがベテランだ。クロエさんは少しの違いを敏感に察知している。
「あの提案なんですけど小麦粉混ぜてみてはどうでしょうか?」
「やってみる」
クロエさんのエコピットさんが乗る。
この頃の日刊紙は隣国との事とコッピーニ村の災害の事ばかりでその影響もあり国内での流通も滞っていた。
そんな不安から一部では買い占めも起きており材料を含め欲しいものが手に入らない人達は工夫してなんとかやり繰りしている。
それからまた店主とクロエさんを中心とした従業員皆でのパン作りが始まった。
そして皆で意見を出し合い完璧ではないが最もコッピーニ村の小麦で作ったパンに近いものができた。
それをまた皆で試食しついにそれをお店に並べる事が決まった。
今日はその初日。
皆お客さんの反応が気になる。
念のため今まで通りコッピーニ村の小麦で作ったものと混ぜたものの2種類を並べた。
売れ行きはというととてもよくどちらも閉店するまでに全て売り切れてしまった。
「売り切れましたね」
「あとはアンケートの結果を待つだけだ」
混ぜた方のパンを買ってくれたお客さんには任意でアンケートを取って味の評価をしてもらう事になった。
後日、何人かアンケート用紙を持ってきてくれるお客さんもいて結果は好評だった。
そうして今後は混合の小麦でパンを作る事が正式に決定した。
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