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「みんな店任せちゃってごめんね。ありがとう」
「お帰りなさい。コッピーニ村はいかがでしたか?」
「パンも焼けたし皆喜んでくれた」
「良かったですね」
「ああ…」
「何かあったんですか?」
複雑そうなエコピットさんの表情を見て聞く。
「それが普段お世話になっている農家の所にも行ったんだが畑が浸水して今後小麦とかパンの材料を卸せなくなるかもしれないって」
エコピットさんは言いづらそうに話した。
やっと忙しい日々が終わると思ったら次の問題が発生だ。
「えっ?材料が手に入らなかったらパン、焼けなくなりますよね?」
「もちろん他の所から仕入れる事も考えてはいるんだがうちは材料にもこだわって一級品を使っているし何よりコッピーニ村の農家さんには散々お世話になっているから」
「簡単じゃないって事ですね」
「ああ。困ったな…」
「ちなみに材料って小麦ですか?」
「大方はそうだ。フルーツも少しやられたけどそれは他の所から補填できる」
そこで思い出した。
私達に雑穀を含め農業を教えてくれているクライドさんが小麦も育てている。
それに私達も雑穀を育てる練習として小麦も育てている。
しかもクライドさんも私達も結構な広さの場所で育てているためどちらからか仕入れられるのではないかとそう思った。
そこでエコピットさんにだめ元で相談してみた。
「あの私、小麦栽培している農家さん知ってます」
「本当か?」
「はい」
「それって紹介してもらう事できるか?」
「聞いてみないと分かりませんがお願いしてみます」
「ありがとう!あっそれと今回の件で皆に特別ボーナスを出そうと思ってるんだ。多くはないけどお金と好きなパンをプレゼントしようと思っている」
「良いんですか?」
「うん。今日閉店作業した後に好きなの持って行って。売り切れないようにいっぱい焼いとくから。遠慮せずにね」
「ありがとうございます」
それからいつものように仕事をし閉店作業を終えた店内で私達は好きなパンを選んでいた。
「店長、本当になんでも良いんですか?全部でも?」
エコピットさんにディナさんが聞く。
「ああ。いいよ。全部でも」
「やった〜ありがとうございます〜」
私はいつも屋敷で出されているパンと食べた事のないものを何種類か選んだ。
「このパンどうしたんですか?」
仕事を終えて帰宅しパンを厨房に持っていくとブレムさんに声をかけられた。
「実はパン屋の店主からボーナスとして頂きまして。お屋敷で出しているパンもあるのでもし良かったら使ってください」
「確かにいつも出しているパンだ。本当にいいんですか?」
「はい」
「では使わせてもらいます」
その後お嬢様の部屋へ行った。
「失礼します。ネリアです」
扉の前で声をかけ「どうぞ」という声を聞いて入室する。
「話したい事があります」
「なに?」
「店主が帰ってきたのでとりあえず忙しいのは落ち着くと思います。今まで申し訳ございませんでした」
「いいえ。謝る必要はないわ。お疲れ様」
「それと今回のコッピーニ村の災害でパン屋で仕入れている小麦が手に入らない可能性があるようなのです。そこであの…クライドさんの所でも小麦を育てていますよね?紹介しても良いでしょうか?」
「クライドさん次第だとは思うけど私はかまわないわ。でも小麦もこだわっているのではないの?」
「もちろん店主に見てもらって判断してもらおうと思っています。ちなみにもしあれだったらうちの小麦も良いですか?」
「えっ?うちの小麦は練習だからそんなに美味しくはないと思うんだけど」
「もしもって事があるかもしれないじゃないですか」
「私は別にかまわないけど」
「ありがとうございます」
「クライドさんには私から手紙を書いておくわ」
「ありがとうございます。よろしくお願いいたします」
こうして店主に紹介する事が決まった。
ここまでお読み頂きありがとうございます。




