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一方私の方も店主がコッピーニ村へ行ってしまい忙しくなった。
お嬢様にその事を話した際は
「私の事なら気にしないで。身の回りの事は自分でできるから。今のところナビナもいるし」
ナビナさんは無事家族と連絡が取れ、一時的に里帰りしたが今は戻ってきている。
「でも…本当に大丈夫ですか?」
あれから専属護衛の2人もフランさん達も居なくなってしまった。
お嬢様が寝る間も惜しんで作っていたのはお守りで私も手伝ってなんとか間に合った。
「気をつけてね。待ってるからまた私の専属護衛に戻ってきてくれるわよね?」
「はい。お嬢様が望んでくださるなら」
「望むわ。だから怪我なく戻ってきてね。これ、受け取ってくれる?」
お嬢様が差し出したのはコクルト国でいうお守りだ。
「これは?」
「コクルト国で無事を祈る時のお守りだそうです。初めて作ったのであまり上手くはないですが…」
「いえ。ありがとうございます。行ってまいります」
それからしばらく経ってフランさん達も隣国へと旅立った。
私達は旅立つ数日前に会う事ができた。
「もうすぐですよね。行くの」
「ああ」
「これ、2人で作ったんです。良かったら受け取ってください」
専属護衛の2人とは違いフランさん達には千人針を作った。
お嬢様にとって戦争のお守りは千人針というイメージがあるらしい。
でも私達は実際に作るのは初めてだ。
何人かに縫い付けを頼んだりもしたがさすがに千人は集まらず残りは私達で縫った。
「これは?」
「千人針という東の国のお守りです」
「へぇ〜そんなのどこで知ったんだ?」
「本で読みました」
「ありがとう」
「エイブリーさんもどうぞ」
「ありがとうございます」
「初めて作ったので上手くできているかは分かりませんが」
「いや、俺達も初めて見たから分からないけど嬉しいよ。ありがとう」
「気をつけて行ってきてください」
「ありがとう。カトリナちゃんも気をつけて。今シシーもアランドレもいないんだろ?」
「はい。ありがとうございます」
私もパン屋の仕事で忙しくなってしまったのでその間のお嬢様のお世話はナビナさんに頼っている。
「焼けました。持ってってください」
作業場からニトルさんの声が聞こえる。
「今行きます」
ニトルさんはパンを焼く職人さんだ。
私達は焼きたてのパンを商品棚に並べていく。
コッピーニ村には店主とその奥さんが行っているが自分達がいない間もしっかり営業できるようシフトもしっかり組んでくれてレシピノートも残してくれたらしい。
「ネリアさん、これここで良いんですか?」
聞いてきたのは同じホール担当のディナさん。
ディナさんは私の後に入ってきた唯一の後輩で
「あっごめん!それこっちに持ってきてくれる?」
そこに別の棚で作業していたクロエさんが話しかけてきた。
クロエさんはベテランで私が慣れていない時もなにかと助けてくれた。
「はい」
「じゃあ看板出そうか」
ひと通り開店準備を終え最後に看板を出す。
そうして約1週間。
ついに店主と奥さんが帰ってきた。
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