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「大丈夫か?」
「はい。ごめんなさい。お相手するのが面倒くさかったのでお兄様ならきてくれると思って少し利用してしまいました。ありがとうございます」
「良いんだよ。こういう時はいくらでも利用してくれ。それよりやっぱりカトリナはどこにいても目を惹くな」
「なんかすみません…」
「いや、それだけ可愛いって事だよ。さぁそろそろ行こうか」
「はい。今日は私が払います」
「いいや。カトリナの誕生日なんだし僕が払うよ」
「私だってお仕事でお給金頂いておりますから」
お嬢様とフェルソニー様が会計で小競り合いをしている。
「分かった。皆食べた分は自分で払おう。君達も良いよね?」
と私達の方に目線を向けてきた。
「はい」
結局それぞれで支払いをして屋敷へと戻った所でフェルソニー様は用事があるからと
「晩餐会には参加するから」
それだけ言って去って行った。
それからお嬢様にお茶を淹れてリラックスしてもらっている間に私は色々やる事をやる。
晩餐会のためにテーブル周りの準備やお嬢様が着るドレスの準備に届いたプレゼントの整理など多岐に渡る。
「これ、こっちに置いてください」
「はい」
休む事なく動いてお嬢様の準備をするため部屋に向かう。
「お嬢様、そろそろご準備を」
部屋に入るとお嬢様はフェルソニー様から贈られた本を読んでいた。
「もうそんな時間!?」
「はい」
「つい本が面白くて夢中になっちゃったわ」
「お着替えをお手伝いいたします」
「ありがとう」
今日はいつもより豪華なドレスだ。
「今日はいつもより派手ね」
お嬢様も気づいたようだ。
「お誕生日ですから」
ドレスを着てアクセサリーを付けヘアやメイクも整えて準備が整った。
コンコン。
「ご準備は整いましたか?旦那様がお待ちです」
「今行くわ」
執事のマールさんに声をかけられてダイニングへと向かう。
「お待たせしました。準備に時間がかかってしまって。すみません」
「カトリナ!?綺麗だよ」
フェルソニー様がお嬢様の姿を見て感動している。
「お兄様、大袈裟です」
「いや、大袈裟なんて事あるか。とても綺麗だ」
「叔父様まで。ありがとうございます」
「さぁ乾杯しよう」
「はい」
「改めてカトリナ、誕生日おめでとう。乾杯」
「乾杯」
「ありがとうございます」
皆さんが席に座ったのを見て私は配膳をする。
「今日はコクルト国の祝いの料理を用意した」
「ありがとうございます。頂きます」
お嬢様が料理を1口食べると
「どうだ?」
感想を求める。
「美味しいです」
「そうか。良かった。今日はフェルソニーと演劇を観に行ったんだって?」
「はい。今まで演劇を観る機会はそんなに多くなくて観に行っても恋愛ものが多かったのですが、今回はミステリーっぽくって自分まで謎解きしている気分になれました」
「カトリナは意外にそういう系統が好きみたいです」
フェルソニー様が会話に入った。
「そうか。確かにそうだな。誕生日プレゼントも作物の棚だったし」
「僕への要望、農家に関する本ですよ?令嬢が欲しがるとは思っていなかったので驚きました。ふっ」
フェルソニー様が小さく笑う。
確かに今回要望しているものはどれも大半のご令嬢が欲しがるものとはかけ離れている。
「ははっ。少し見ない間に随分変わったようだな」
フェルソニー様が言う。
「確かに。ふふっ。令嬢が頼むものではありませんよね。思ったんです。私は世界を知らな過ぎるなって。国に影響を及ぼす私達貴族こそもっと広い世界を見て色々な視点に立つ事が大切だなって」
「カトリナのそう考えられる所、好きだよ。僕も見習わないとな」
「驚いたよ。こんなに成長していたなんて思わなかった」
2人は感心していた。
その日は晩餐会が終わって部屋に戻ってからもフェルソニー様から贈られた本の話題で持ちきりだった。
「本にもクライドさんが言っていた事が書いてあったわ」
とか
「こうすると良いらしいわ」
とかこのままでは止まらなさそうだったので
「明日も早いので今日はもう休んで明日また話しましょう」
その言葉でやっと我に返って
「あっそうね。おやすみなさい。また明日」
ここまでお読み頂きありがとうございます。




