収束
「浄化してって…これは干渉許容範囲外じゃない?」
干渉許容範囲、創造者は惑星への過度な干渉を禁止されている。魂の運命をねじ曲げ無いためだ。
基本的には惑星が廃星にならないようにする時にしか創造者達は惑星に手を出さない。
とはいえ、生物の魂の運命にさえ影響が無ければ良いだけの話だ。
(魂の管理は創造者の管轄じゃないからアヴィーはそれを心配しているのだろう)
禁止されているとはいえ、別に破っても少し怒られるくらいなんだけども。
「まぁ、大丈夫だろう。何かあったら責任は私が持つよ」
「でも……」
「そもそも、私がこの身体に入った時点でこの惑星の生物の運命なんてとう変わっているよ。今更何も言われやしないって」
「そこまで言うなら信じるけど」
少し不安が残りつつもアヴィーは世界樹に浄化魔法をかけた。
(流石、アヴィーの浄化魔法はすごいな)
世界樹が銀色の光に包まれ、元の姿を取り戻していく。三分も経たないうちに世界樹は元の姿へ完全に戻った。
しばらくすれば瘴気も消え、魔物の出現も無くなるだろう。
とはいえ今までの被害が無くなるわけではない。
他の大陸がどういう状況かは分からないが、西大陸は悲惨な状態だ。特にフィーナル大森林は一番酷い。
世界樹とくっついている森なので瘴気の回りも早かったが、回復も早いのがまだ幸いである。
世界樹が浄化され事態が収束に向かっているのはいいが、まだまだやる事は山積みである。
実行犯の処遇を決めたり、何が起こったかを説明するための世界会議を開かなければならない。
世界会議だけじゃなく、国でも会議がまた開かれるだろう。
それにキファ殿にも説明しなければならないし、アヴィーとも話し合いたい。
これはしばらく話し合い続きだなと思うと勝手に溜息が出てしまう。
「はぁ、」
「ノア、大丈夫?」
「あぁ、まぁ大丈夫だ。とりあえず一旦世界会議の通達をした後、アヴィーと話したいことがある」
「分かった。ずっと待っていたんだ、少しくらい待つ時間が増えても構わないよ」
そうして一度他の守護者達に、世界会議を開くから自分の大陸の国に伝えるようセズに伝達を頼み私は一度国へ帰った。
解散する前にキファ殿に俺に説明する事を忘れるなよ、と念を押されたがそんな事言われなくとも分かっている。
アヴィーは私以外に姿が見えないようにして、私の傍にずっと居る。目を離すのが怖いらしい。
国へ戻って数日後、国内会議が開かれた。
私はもちろんその場にフォアリアとして出席する。
世界樹汚染前に別れたきり見ていなかった姉の姿を会議で見つけ、少し安心した。
パッと見た感じだけだがいつも通りそうでなによりだ。
ちなみに会議の内容は途中まではしっかりしていたが、途中から私を糾弾する声が多くなり陛下が会議を強制的に止めた。
まぁ、仕方ないことだとは思う。今回私はフォアリアとしてではなくずっとエルディアとして動いていた。
そしてそれを知るのは陛下と家族のみ。何もしていないと思われても仕方ない、仕方ないが腹が立つ。
恐らく陛下は私の周囲に漂う殺気を感知して会議を止めたのだろう。
ちなみに殺気を出したのは私ではなくアヴィーである。
世界会議が開かれるまでもうしばらくかかるだろう。
本当は一秒でも早くアヴィーに話したいことがあるが、今は正直休みたい。
アヴィーにすまんとだけ伝えて私は家に帰り速攻気絶した。




