教国
「ウル、お前もそろそろステータスを調べていい頃合いかもな。」
夕食を食べている時に父上にそう言われた。ステータスとは自分のスキルや得意属性、契約従魔等が見れるものだ。
(そういや昨日師匠にも言われたな。自分のスキルか、気にしたこと無かったな。)
「そうですね、丁度明日は予定が無いので教国で調べてきます。」
「一人で大丈夫か?一緒に行った方が。」
「大丈夫です。父上もお忙しいでしょうから。それに、転移ゲートを使ってすぐですし。」
「ならいいが、気をつけて行ってくるんだぞ。」
「はい。」
「ウルももうステータス調べる歳かー。早いもんだね。良いスキルがあるといいね。」
「姉上のように固有スキルと強い先天スキルに恵まれると良いのですが。」
(それに、スキルよりも気になることもあるし。)
教国、西大陸の真ん中よりも南側に位置する国で、浄化や治癒魔法等の光属性を得意とする者たちが多く属する国である。
「さて、教会への転移ゲートは何処だったかな。」
教会には姉上のステータスの付き添いで一度だけ行ったことがある。だがだいぶ前に行き記憶も曖昧な為、少し迷っている最中であった。
(人に聞いた方が早いか。)
そう思い周りを見回すと人集りがあった。
(なんだ?何かあったのか?)
とりあえず行ってみるかと思い人集りの方に言ってみると、何やら怒鳴り声が聞こえた。
「いいからとっとと慰謝料を払えって言ってんだよ!お前とぶつかったせいで腕が痛くてしょうがねぇ!あーこれ折れてるわー!」
「だから先程から謝っているだろ、大体腕が折れてるなら何故そんなに元気なんだ。それにいくら脆弱な人間と言ってもぶつかった程度で腕の骨が折れるはずないだろう。」
「ごちゃごちゃうるせぇな!俺は被害者だぞ!」
「そもそもそちらがぶつかってきただろう。私は避けたぞ。言いがかりも程々にして欲しい。急いでるんだいい加減離してくれ。」
何やら大柄な男とローブの男が喧嘩をしているようだ。会話から察するに大柄の男は当たり屋なのだろう。見ている住人達も困った様子だ。それも仕方ない、教国は比較的治安がいい方なので、こんな事は珍しく住民達もどうすればいいのか分からないのだろう。
(警備兵はまだ来なさそうだしとりあえず喧嘩を止めるか。それにあのローブの男少し気になるしな。)
「おい、いい加減にしないか。周りの迷惑が分からないのか?ずっとくだらない事で近隣住民を困らせて、怪我をしたのなら教会に行けばいいだろう。何をずっと喚いているのだ。」
今の私はフードを深く被っており、声も低くしているため女だと舐められることはないだろう。下手に女が出しゃばればあのタイプは間違いなくもっとうるさくなる。
「なんだァ?関係ねぇクソガキが邪魔するんじゃぇ!これは俺とこいつの問題だ。」
「関係無くはない、そいつは僕のつれだ。それに道をふさいで喧嘩をしているから邪魔なんだよ。」
普段ならこんな面倒事には関わらない。道など飛べばいいだけの話だ。だが今回は少し違う、あのローブのやつには聞きたいことがある。わざと関わらせてもらおう。
「ほォ?テメェのつれって事なら話が早ぇ、とっとと金を寄越せクソガキ。」
「ゴミにやる金などないが?」
「ガキが調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
男の意識が完全にこっちに向いた。殴りかかろうとしてきており、大きく腕を振り上げていたのでそのまま下に入り込み腹部に一発拳を入れたら男は気絶してしまった。
(やべぇ、力加減ミスった。)
「なんだ!なんの騒ぎだ!」
丁度警備兵が来たらしい、これ以上の面倒事はごめんだ。警備兵は住民から事情を聴き、男を連れていった。その間身を隠しながら人集りが散るまで待っていた。
(しまった!あのローブのやつは?)
どうやら騒ぎに紛れて逃げたらしい。時間を無駄にしてしまった。結局教会に着いたのは昼過ぎで、やはり面倒事には関わらない方がいいと思った。
1回データが飛んで結構萎えました。ステータスは基本7〜10歳の期間に初めて調べます。その後は必要に応じて、主に魔力量を測るためにステータスを調べる時もあります。




