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自分で創った世界に転生しました  作者: TEL
魔法アカデミー編

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特待生

 アカデミー入学から一月半、筆記も実技も試験は終わり、私は特待生になる権利を獲得した。そして今私は、論文を書いている。どうしてだろう……


 遡ること一週間前、試験結果が出た直後、私は教員室に呼び出されこう言われた。


「おめでとうウルさん。貴方は今回の試験で特待生になる権利を手に入れたわ」

「特待生ではなく、特待生になる権利…?」

「えぇ、そうよ。特待生になるには論文を提出してもらわないといけないの。そして、その論文が魔塔の魔法士の誰かに認められれば、はれて特待生よ」

「なる…ほど…?」


 この魔法アカデミーは入学する時に論文を送り、その論文内容次第で入学の権利が与えられる。

 そして今回の試験は入学一ヶ月後である。論文とは新しい視点や知見を提唱する文。

 こんな短期間で論文を二枚も書くなど、一体どこの学者だろうか?是非、どうしてそんなに新たな視点や知見を見つけられるか聞いてみたいものだ。


(そりゃ最初の試験での特待生は出ないわな……このアカデミーやべぇー)


「論文の提出期限は二週間よ。完成したら私に提出してくれたら大丈夫だから」


 二週間!新たな発見を二週間でやり、データを集めろと言いますか!面白いですね。

 というやり取りが一週間前の事だ。


 幸い私は論文を書いてないだけで、すぐにでも書ける題材があるので問題ない。データも取ってあるものなので、あとは文字におこすだけだ。

 だけど普通に書くのが大変だ。授業が終わったら速攻で寮に帰って書いていて、やっともうすぐ終わる。一週間前もかかった。

 だから私はこの題材の論文を書かなかったのだ。面倒だから。題材は魔力探知魔術の細分化。

 今の魔力探知魔術は大まかな位置や何となくの魔力の動きしか分からない。そのため私の固有スキルの一つの[盤面操作]のようにもっと細かく、分かりやすく出来ないかと思っていたのだ。

 流石に固有スキルレベルまで制度は上がらないが、敵が何の属性で、何の攻撃を、何処にしようとしているか、くらいは分かるようになった。

 まぁその分魔術式が複雑になったのだが魔塔に提出するのならいいだろう。というかこれでも最初より簡単になった方だ。

 万人向け化するにはもっと術式を簡単にしないといけないのだが、別に世間に発表する訳でもない。

 そんな感じで論文を書き切り、次の日の朝に教諭に論文を提出した。

 一週間で書き上げて来るとは思わなかったのか、ものすごく驚いていた。

 あとは魔塔の審査待ちである。




 三週間後、教員室に呼ばれた。恐らく結果発表だろう。こんなに緊張しているのは前世含め初めてかもしれない。そもそも緊張なんてしたことない。頼むから合格してくれ。そう願い、教諭の言葉を待つ。


「おめでとう、合格よ。明日から貴方は特待生だわ。すごいわ、まさか最初の試験で特待生になる初めての生徒が同時に二人も現れるなんて!」


(二人?ここには私しか居ないはずだが)


 すると丁度教員室の扉が開き一人の生徒が入ってくる。ローブの刺繍の色が同じなので、同学年だろう。


(てことは彼がもう一人の?)


「ラトゥーニさん、来たのね。貴方も明日から特待生よ。おめでとう」

「俺()?」

「えぇ、僕も合格しましたので」


 アカデミーでの私は男子生徒として振舞っている。いや、性別は一度も口にしていないのだが、男女共通の制服で魔道具により姿を変えているため男のフリをしている。


「ウルさんとラトゥーニさん。二人も特待生になるなんて凄いわ!貴方達はこのアカデミー初の初試験での特待生として有名になりそうね」


 ちなみに名前もユトゥールでは無くウルと登録した。ユトゥールは西の名前過ぎるので念の為だ。ウルという名ならありふれている。


「へぇ、ウル。お前が。ふーん」


 なんだかジロジロ見られて少し嫌な気分になる。彼と面識は無いはずだが、何か気に触ってしまったらしい。鋭い黄眼がこちらを睨んでくる。


(なんだコイツ…)


「待てよ、灰色髪で緑っぽい瞳?それにウル…」


 なんだかボソボソ言い出した。満足したのだろうか。私は教諭に一声かけてその場を去る。去り際に、おい!と聞こえたが聞こえないふりをした。

 特待生となった今、彼と関わることは無いだろう。

 ないと思おう。




 そして翌日、早速私は国へ一時帰国し約二ヶ月分溜まった仕事を片付けていた。

 特待生は年間単位をしっかり取ればいいので、授業出席義務も、外出許可届も無い。ちなみに研究室も一室与えられる。

 まぁ代わりに特待生は普通生徒よりも多く単位を取らなければならないのだが、取得方法は決められてないので何でもいい。私は実践授業で取りきるつもりだ。

 実践授業はアカデミーの管理している森に住む魔物を討伐する授業だ。一人でもいいし班でもいい。討伐の仕方と核の数、討伐した魔物の種類で成績が決められる。

 実践授業までまだ期間があるので、しばらくは仕事と研究になりそうだ。

 仕事と言ってもそんなに難しいものではないので時間はかからない。

 国に張ってある結界の点検、フィーナル大森林の汚染度点検、スタンピードの報告、魔獣の保護、魔物の報告(必要に応じて討伐)くらいである。

 なので実践授業まではのんびりできそうだ。

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