お片付け
「まさか……」
「店で会った時点で気づいたよ、私は昼にこいつの魔力を見てたからな。依頼者はあの野蛮人だ。」
「おいおい嘘だろ、そこまで馬鹿だったとは。ってか、それならなんであの場で捕まえなかったんだ?」
「店に迷惑がかかるだろう。大丈夫だ、あいつには追跡魔法をかけといた。寮に戻った瞬間ここに呼ぶ。」
「じゃぁ、俺、蹴られ、損じゃ、、」
「あ?大人しく言っときゃ良かっただろ、最初優しく聞いてやった時に。そもそも私はお前に食事を二度も邪魔されたんだ、お前の顔面を炙ってやってもいいがそれをせずに蹴りだけで済ませてやってるんだぞ?優しいと思わないか?思うよな?」
「記録するのがアホらしくなるほどの私怨だな。」
「当たり前だ。二回もだぞ!?こいつの口に冷凍肉をぶち込んでやる。もちろん依頼者にもな。」
「食の恨みは恐ろしいね。」
「そうだね。ウルは怒らさせない方が良さそうだ。」
「しばらく待機だな、ここからの話はあいつが帰ってきてからだ。」
待ってる間、憂さ晴らしとして捕まえた五人にランダムに電気を流した。後冷凍肉を二個用意した。
「帰ってきたな。」
「そういえば、呼ぶってどうやって呼ぶんだい?」
「強制転移で。」
そう言うと同時に部屋に呼び出した。もちろん暴れないように即拘束をして。
「なんだ!?」
「うるさいな、声量を抑えろ。」
「なっ、なんで貴様らが居る!?ここは俺の部屋だぞ!」
「ここは私の部屋だ。」
「何の用だ?というかなぜお前の部屋に俺が居るんだ!?」
「私が転移させたからだ。」
「転移?」
「そんなことはどうでもいい。こいつらに見覚えはあるな?」
「……知らんな。」
「ほぅ?」
「僕ら四人を入学式前に見てから、対応に腹が立ち、ずっと機会を狙っていた。四人の中で一番弱そうな僕に目をつけて。どうやら僕が第二王子だとは知らないらしいね?」
「お前の帰りを待ってる間にはいてくれたよこいつらが。隙のないロイル、威圧的な俺、剣術科でボコボコにしてくるウル、まぁたしかに俺ら三人は狙いずらいわな?」
「僕はどうやら隙だらけに見えるらしい。」
「事実だろ。」
「ゴホン。それで僕が一人になるタイミングをずっと狙わせていたらしいね?」
「……っ!貴様ら!裏切ったな!」
「だから声量を抑えろって言ってんだよ。」
そう言って凍らせておいた冷凍肉をやつの口に突っ込む。もちろん口から出ないようにして。
「っ〜〜~!」
「うわぁ、冷たそう。」
「あれは頭がキーンってするやつだ。」
「ちなみに解凍された肉はどうするんだい?」
「そのまま飲み込ませるに決まってるだろ?大丈夫だ、解凍されたら冷たいだけの肉だから。食べ物を無駄にしちゃいけないだろ?安心しろ焼いてある。」
「ウルってそんなに肉好きだっか?」
「分かんないけど、ウルにあげる肉は保温魔法をかけてある温かいやつをあげよう。」
「そうだね、危険だ。」
なんかコソコソ後ろで喋ってるが、てか聞こえてるが、まぁ気にしないでおく。どうとでも思え。
「さて、野蛮馬鹿。お前は我が国の第二王子に対して刺客を向けた、これは戦争になってもおかしくない。お前の所属国も調べた、戦争をしたらお前の国は絶対に負ける。うちの国の軍事力は人間国と比べたらめちゃくちゃ高い。お前の愚かな行為がお前の国と国民を苦しめる。」
「……!」
「だが、我が国の王子殿下は戦争など望んでいない。」
「国民を危険な目に合わせたくないし、今回は怪我もしなかったからね。」
「そこでだ、お前が条件を飲むなら何も無かった事にしてやる。本来学園に報告し、学園から我が国とお前の国へ知らされるような事だが、それをチャラにしてやる。どうする?条件を聞くか?」
ぶんぶんと首がもげるんじゃないかってくらい首を縦に振っている。
「一つ、貴様の留学が終わるまで我らに近ずかないこと。一つ、この学園にいる間は種族差別発言をしないこと。一つ、横暴な態度を改める事。この三つだけだ。少ないだろ?優しいだろ?殿下の優しさに感謝しろゴミが。」
また首を縦にぶんぶん振っている。まだこいつ肉食い終わってないのか、そこまで凍らせてないからそろそろ食える頃だと思うけど。
「あと私に最高級の肉を送れ。」
「私情だ。」
「まだ怒ってる。」
「ゴホン。いいか?この三つを破った瞬間にお前のやった事を学園に言う。この事は我が国の陛下にも言わない事を殿下が望んだので言わない。だが、学園が知れば陛下も知るだろう。陛下は我が子を愛しておられるからな、知れば戦争は止められんだろう。言いたいことは分かるな?」
「……ゴクン。わ、わかった。」
「なら契約書に指印を押せ。」
針で指先を刺し指印を押させた。
「契約成立だ。帰れ、汚らわしい。」
有無を言わさず転移させて帰らせた。
「こいつらどうするんだ?ウル。」
「営業妨害で兵に差し出しとけ。」
「了解〜」
アスは五人を連れて転移した。おそらくその辺に捨てた後帰ってくるだろう。ロイと殿下も一緒に男子寮に帰った。ロイが殿下を部屋まで送ってくれるだろう。
「はぁ、疲れた。一日で色々起こりすぎだ。一日で冷めた肉を二度も食うとは……」
まぁ、これからは厄介事も減るだろう。平和に卒業まで行けるといいが。いや行く絶対に行く。これ以上の面倒事があってたまるか。フラグなんかじゃない。何があってもスルーしよう。そうすれば何もないのと同じだ。
はぁ、風呂入って寝よ。




