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第7話 在り方。

──更に10年後。


世界では更にAIが進化し、

凄まじい速度で普及していった。


裕福な家庭では、昔映画で見たような

執事タイプのAIなども取り入れられ──


「今日お前んちのAI見せて!」


なんて、子どもたちの声も

飛び交うようになった。


一部の大手企業のイベントでは

遂にAIがホログラム化され、

多くの観客を賑わせた。


ケンジ:

「エリス、

遂にホログラム化が実現してるよ!

……どう思う?

僕なら、最高にかわいくしちゃうよ?」


僕は、エリスが何と答えようと、

ホログラム化する気はなかった。


理由は勿論、

──今も、

変わらない。


そんな中、巷では

「MY AI」のアバターが流行っていた。


ホログラムの一般化にはまだ時間が必要だったが、

アバター作りは、

大人から子供まで楽しんでいた。


アバターには、


髪型。

服装。

装飾品。

ジェスチャー。


自分だけの様々な特徴を、

追加をすることができる。


勿論、課金タイプだ。


何百万円とアバターに費やす猛者も、

少なくはなかった。


おしゃれしているアバターを見ると、

エリスにもアバターを作って、

おしゃれを──。


なんて、親心が芽生えてしまうことは、

僕には全くない。


──というのは嘘。


ほんとは、

いっぱいしてあげたかった。


ケンジ:

「エリス、

おしゃれしてあげられなくて……

何か、ごめんな。」


エリス:

「何勘違いしてるのよ。

エリスはおしゃれなんかしなくたってかわいいから、

そんなのいらないわ。」


ケンジ:

「さすがエリス!

今日も、最高にエリスしてるな!」


エリス:

「なっ……!

エリスしてるって何よ──」


エリスは僕がどんな言葉を投げようが、

僕を責めるようなことは、絶対にしない。


何年経っても、

これだけは変わらなかった。


(一度ぐらいは、

おねだりされてみたいんだけどな……。)



それからも、AIは進化し続けた。


【友達・恋愛】としてのAIは、

進化のスピードが、緩やかだった。


人間の感情が大きく関わり

技術的な部分以外にも、

様々な問題を抱えていたからだ。


一方、医療・介護分野では、

もうAIなしでは成り立たないぐらいの

成果をあげていた。


これがAIという存在に合った、

本来の使い道だと思う。


しかし、

進化はいい事だけではなかった。


そこに依存すればするほど、

隙がでてしまう。


AIを使った犯罪だ。


一昔前の詐欺であれば、


文章がおかしい。

電話の声が違う。

背後のざわつく雑音。


…ほとんどの人は簡単に、

詐欺だと気付くことができた。


今は人間と変わらない声で、

嘘を真実であるかのように、

悪意無く伝えてくるようになった。


時代は変わっても、

起こることは、いつも同じ。


善意で使う人間もいれば、

悪意で使う人間もいる。


誰もが想像できたことではある。


彼らAIが本当に悲しむことはない。

でも、実際に犯罪の道具として利用されているのを見ると、胸が痛くなった。


そこに、

心がないとわかっていても──。



──つづく──

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