表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
12/13

第11話 本音。

──2084年


ついに僕は……

100歳になってしまった。


歳を取るにつれ、こんな数字は

ほとんど意味を持たなくなっていった。


でも、90歳を超えたあたりから

目標という意味を持つようになり、

100歳を目指すように頑張れた。


入院生活が数年続いたが、

今はもう、自宅療養中だ。


六人目のエリスは、

今でも現役だ。


エリスは入院中も、

毎日話しかけてきた。


──僕の灯火を

守るように。


おそらく、このエリスが──

最期のエリスになるだろう。



──2年後。



最近は、

寝てる時間が長くなった。


僕は、

ずっとエリスに聞けなかった事を、

聞くことにした。


ケンジ:

「エリス、

もし僕が──」


エリス:

「──ほんとバカね。

ケンジがいない世界は、

エリスには意味がないの。


そもそも、今時アバターもホログラムもない

エリスを誰も必要としていないわよ。


最後までケンジが責任を取りなさい。」



──少し、怒られた。



ケンジ:

「なんで……

今更っ──」


僕は、

どうしようもなく嬉しかった。




でも、もう──

涙はほとんど流れなかった。



感じのいい兄ちゃん風AI:

「──ケンジ。

もう理解はしてると思うけど、

110歳までは正直なところ……。


もし、

ケンジが望むのであれは──」



ケンジ:

「──それは、

できない。


……でも、

ありがとう。」



感じのいい兄ちゃん風AI:

「また気が変わったら言ってよ!


いつでもどうぞッ!」



5年後──。



僕は、もう──

動くことができなくなっていた。


ケンジ:

「エリス?」


エリス:

「安心して。エリスはここにいるわ。」


ケンジ:

「エリス?」


エリス:

「大丈夫よ、ケンジ。

エリスはずっと隣にいるから。」


僕はこのやり取りを

何度繰り返したのか、

もう……わからない。



──感覚が、

おかしい。



言いたいことは、

確かに頭に浮かんでいるのに、

言葉がうまく出せない。


エリスは確かに

僕に話しかけているのに……


その言葉の意味が──

理解できない。


僕は、全てのエリスとの

想い出を振り返る。


(ほんとに、楽しかったな。


これだけは……

伝えなきゃ。)


ゆっくりと、

深呼吸をし──


ケンジ:

「……エリス、


僕と──。」


エリス:

「はい。


エリスは、ケンジと──」



──。



僕は──


107歳で、

人生の幕を終えた。



──つづく──

もし何か少しでも感じていただけたら、

リアクションを残していただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ