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第二十九章 世界を賭けた戦い

ゲートをくぐった先に見えたのは、なんとも凄惨な光景だった。


「これが、テンペンシア連邦国の国土?」


以前の緑豊かな地形は見る影もなく、地面はえぐられ、穴が開き、所々から黒煙が上がっている。


そして、王都の城壁の前でとてつもない戦いが繰り広げられていた。


「私が率いる部隊、ノクティスが率いる部隊、そしてドラが率いる部隊にそれぞれ4万ずつ別れ、進軍せ

よ。エンド・ドラゴンは空中から援護!では、進め!」


空から見る光景は実に圧巻だった。


一糸乱れぬ動き。


テネレッツァは惚れ惚れしてしまう、と思いながら、進んでいく。


「ねえ、クラリア。大将ってあれ?」


テネレッツァが指さした先に見えるのは、格段に強い炎を纏った魔物族とガンドラ、そして黒く青い体で

もっとも強い魔力を放っている謎の男である。


「クラリア、私が獄と深淵の相手をする。その間にガンドラを片付けて」


「なぜですか?ガンドラと誰かの方がまだ楽なのでは?」


クラリアはテネレッツァと言葉を疑問に思いそんな質問をする。


「ガンドラを見ると、冷静ではいられないような気がする」


ふと、軍の方を見ると、すでに交戦状態に入っていた。


テネブラエは杖で、ノクティスは漆黒の片刃の大剣で、そしてドラは二刀の薙刀で、それぞれ、部隊の大

将と思われる魔物と対峙していた。


「私たちは、私たちのやるべきことをするまでです」





ああ、面倒なことになった。テンペンシア連邦国は四神とかいう奴のせいで侵入はおろか障壁に傷をつけ

ることすらできん。


「ほ、報告です!後方に謎の軍勢がいきなり出現!その数およそ12万!」


「なに!」


ガンドラは焦りを覚えた。


(まずい、まずいぞ。これでは負けてしまう。一体どうすれば…)


「どうしたガンドラ殿、顔色が優れないが」


「ん?ああ、後方に謎の軍勢が現れおっての」


「そんなことでしたら、お任せを」


「おお、では頼むぞ。ベイントス」


ベイントスと呼ばれた、黒く青い体の男は後ろを向き、テンに手を掲げた。


「召喚 青と黒の軍勢よ!」


総勢18万の軍勢が一瞬にして召喚された。


「さあ、これでよいだろう。して、イグニスよ。気づいておるか?」


「ああ、空中に二人、桁違いの魔力量の持ち主がこちらを伺っておるな」


「全員で片付けましょうか」


ガンドラの提案に二人とも頷いた。


「邪魔な芽は若いうちに積んでおかねばな」






二人は地上に降り、テネレッツァは残寒残霊槍を、クラリアは柄の部分に紫色の宝玉が入った黒の大剣を構えた。


「ベイントス!イグニス!お前たちの相手はこの私だ!」


テネレッツァが大声で叫び、二人を挑発した。


「ほお、あのガキ私たちを一人で相手すると言っておるぞ」


「なめられたものよう。なあ、ベイントス」


テネレッツァと二人は少し離れた場所に移動し、対峙する。


「さあ、お前の相手はこの私だ。ガンドラ」


「魔人族である私に勝てるとでも?」


意気揚々と剣を構える。


「貴様らのくだらん世界征服など、止めてくれるわ!」


「やかましい!世界がわがバングラス帝国の手に落ちれば、世界は平和になるのだ!」


「そんなので!世界が平和になるわけないだろう!」


クラリアは、ガンドラに切りかかっていく。


対するガンドラも暗黒魔法で対抗する。


「ぐぐっ。貴様何者だ!」


「フィニスの皇女 クラリア」


「なぜ、なぜ貴様らが鬼竜と手を組む!そんな時間はなかったはずだ!」


「あの子は押しに弱いからねえ」


そんなことを話している間にも、クラリアの剣撃の速度が上がっていく。


「大剣を振り回しているのになんて速度だ」


クラリアが大剣で圧倒していると、いきなり離れた。


そして、大剣をしまった。


「貴様、なめているのか?」


その意外な行動にガンドラもキレそうになっている。というか、もうすでにキレている。


「もういいや、殺してあげる」


手に魔力を込め、二本の魔法剣を作り出した。


「双」


ぽたぽたと、ガンドラの体から血が流れる。


「たとえ私を倒そうとも、あの二人がいる限り、貴様らに勝ち目はない!」


手のひらに魔力を込め、最後の悪あがきをしようとしたが、それもクラリアに見抜かれていた。


「…!させるか!」


すぐさま、魔法剣でガンドラを切り裂いた。


「お前たちに、未來など、な、い…」


「ふう、あっちは大丈夫かな」

激しさを増す戦場を眺めながら、テネレッツァのところへと走っていった。


今回の章はいかがでしたか?

面白かったり改善点等があればぜひ感想欄で教えてください。

今後ともよろしくお願いします。

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