第一章 出会い
第一章は出会いです。
少し長いですがお楽しみください。
「おーい、朝だよー。」
そんな元気な声でテネレッツァは目を覚ました。
今年で12歳となる少し目が細めのショート髪の女の子のテネレッツァは朝からとてもそわそわしている。
「こらこら、そんな早く食べないの、のどに詰まっちゃうでしょ。 はい水を飲む。」
「ごめんなさい母さん、今日から冒険者になれると思ったら我慢できなくて」
そう、この国 「テンペンシア連邦国」では12歳から、冒険者になったり、職に就いたりすることができる。また、学校は14歳から行くこともできる
「行ってきまーす」
そんな元気な声で言いながらテネレッツァは、冒険者組合である王都冒険者ギルドに行った。
冒険者ギルドは王都の入り口近くにある。
どうやら、大きな魔物や魔獣を狩ってきたときに、運びやすいように、ということだそうだ。
冒険者ギルドに着き、扉をあけてみると、中には朝だからのか、大勢の冒険者がいた。
奥にあるカウンターの中で、一番空いていそうなところに並んでいると、後ろから
「どけよ!ガキが。邪魔なんだよ。」
そう言ってきたのは、朝っぱらから、酒を飲んでいそうなガタイだけいい男だった。ただし、酒臭いが。
「すいません。私。並んでいるんですけど。」
そう返すと、冒険者は、
「ああ? ガキ風情がⅭランク冒険者であるこのガンドラ様に意見するのか? てめぇいい度胸してんな。 そんなクソガキは俺が教育してやるよ!」
そう言ってきた男は、キレ気味になりながら
拳を振り上げてきた。
テネレッツァに当たる瞬間、一人の女性がその男の拳を片手で軽々と止めた。
その女性は、不機嫌な顔をしながら、
「Ⅽランク冒険者が、冒険者登録もしていない子供に絡むのかい? 感心しないねぇ」
と言いながらテネレッツァと冒険者の間に立った。
「誰だてめぇ? 俺に喧嘩うんのか?」
そう言いながら近づいていこうとすると
取り巻きの一人が
「そいつはやべぇです。sssランク冒険者のヴィゴーレです!」
そう言い、ガンドラを止めようとした。
「なに⁈ こんな奴がsssランクだと?」
ヴィゴーレは不機嫌そうに言う。
「そういうことだ。喧嘩売るってんなら買ってやるが?」
ガンドラ達は、後ずさりしながら、
「覚えていろよ!」
と周りを威嚇するように出ていった。
「ふう、危なかったねぇ、大丈夫だったかい?」
テネレッツァはまだ怖がっていたらしく、小さくうなずくだけだった。
「君、冒険者登録に来たんだろ?一緒にしてやるよ。」
さっきのいざこざの間に、カウンターが空いたらしく、すぐに冒険者登録をすることができた。
冒険者登録に必要な事項は次のとおりである。
1,名前
2,両親の名前
3,魔法適性
4,得意武器
あまり書くことがなかったので、すぐに書き終えて受付嬢に用紙を渡すと、
「以上で登録は完了となります。次に、注意事項等を説明いたします。」
僕は、子供でも丁寧に接してくれる受付嬢に感謝しながら、注意事項を聞いた。
冒険者になる上での注意事項は、次のとおりである。
1,ランクはH~sssランクまで
2,通常依頼は、現在のランクと一個上のランクのみ受けることができる
3,指名依頼は基本的に断ることできない
4,冒険者同士の争いには、基本的にギルド運営側は干渉することはない。
など母から聞いたことがあるようなことばかりだった。
そしてもう一つ
「当冒険者ギルドでは、新米冒険者には、先輩冒険者が一緒のパーティーになるというルールがございます。相方はこちらの紹介もしくは立候補によって決まります。」
私が、誰と組むことになるのかなぁと思っていると、
「じゃあ、お前は私と組むか。」
「えっ」
普通に先輩冒険者に対して素で返してしまった。
「いいんですか?」
「いいだろ 別に。ランクの指定はないからな。カレラもいいだろ?」
そう受付嬢に聞き返すと
「sssランクの冒険者が、Hランクの新米冒険者と組むという前例はございませんが、してはいけないというルールはございませんので、いいですよ」
こうして、sssランク冒険者とHランク冒険者の日常が始まったのだった。
「じゃあまずは、何か依頼を受けてみるか。
まあ最初だし、採集依頼なんかがいいんじゃないか?」
ヴィゴーレはそう言いながら、一枚の依頼書を手に取った。
その依頼書には、「薬草 毒消し草採取依頼」と書いてあった。
それを受付に渡し、私たちは、王都の外にあるモストロ・ボスコに入っていった。
「入口の方には、大した魔物はいないはずだから、安心しな」
私は、薬草と思われる草を探していると
「薬草は、葉が三枚、毒消し草は葉が四枚で
少し紫がかっているから覚えときな。あ、ちなみに、今、お前がもってるの毒草だぞ。」
「えっ」
思わず、その辺に投げてしまった
するとヴィゴーレが魔法を唱えて、燃やした。
「いまのは?」
「炎の初級魔法のひとつ「フィア」だ。」
「ちょうどいい。薬草採取が終わったら、魔法について教えてやるよ。」
それから30分くらいたった後、
「うん、それぐらいあればいいんじゃないか? 上薬草も二個手に入ったことだしな。じゃあ、約束通り、魔法について教えてやろう。」
ヴィゴーレはポーチから一冊の本を出すと、テネレッツァに見せながら、魔法についていろんなことを教えてくれた。
教えてくれたことをまとめると、
魔法の種類は全部で7つ 火 水 地 風 雷 光 闇
それぞれ初級から超級まであり、ほかにもいろいろな固有魔法、古代魔法、支援魔法などがあるそうだ。
「人には、それぞれ魔法適性というものがある。それによって使える魔法がかわってくるからな。ちなみに私は炎と風、雷の適性持ちだ。」
そう言うと、手からフィア、フィード、ライアを出して見せた。
「私にもできますか?」
「どんな魔法適性があるかにもよるがな。あと、自分自身で持っている固有魔法は、あまりほかの奴らに見せない方がいいぞ。」
「普通の魔法はいいのに固有魔法はダメなの?」
「ああ、何をされるかわからないからな。過去には、魔物や魔獣を操る固有魔法を持った奴が奴隷商人やあくどい貴族に狙われた、なんて事件もある。だから人には見せん方がいいのだ」
気が付くと、私たちはもうモストロ・ボスコの入り口まで戻っていた。
「さあ、戻るとするか。この、薬草と毒消し草をギルドにもっていけば依頼完了だ。」
「よおーし、もうひと踏ん張り頑張るぞー。」
(ふふ、可愛いものだな)
王都に戻ろうとしていると、急に爆発音が聞こえてきた。
「なんだ?」
注意しながら近づいていくと、そこには凄惨な光景が広がっていた。馬車が二台、その周りには騎士と思われる人たちが、魔物たちと戦っていた。
「まずいな。このままではあいつらは間違いなく負けるだろう。」
(戦闘に参加すればあの者たちを救うことはできるだろう。だが、、、この子を一人にするわけには。)
そう悩んでいるヴィゴーレにテネレッツァが
「ヴィゴーレ様、助けに行きましょう。僕なら大丈夫です。母に鍛えられているので!」
「信じてもいいのか? お前は死ぬかもしれないのだぞ。」
「大丈夫です。そんなことよりも自分の前で人が死んでいくのは、耐えられません。」
(ふふ、どこか私に似ているな)
私も昔はこんな風になりたかった。誰かのために一生懸命になり、救いに行ける人。昔の私は、臆病だった。小さなミスを恐れて何もできなかった。だから、自分の友も救うことができなかった。
(このぐらい大胆で、勇気があるぐらいがいいのかもな。)
「わかった。だが絶対死ぬんじゃないぞ。」
「はい!」
作戦は単純だ。私が突っ込み、テネレッツァが後ろから支援する。
曰く、補助魔法が得意らしい。
「フィアンマセント!」
騎士と馬車の周りに群がるオークに3m級の火球を放ち、燃やしてやった。
「はっはっは、まるで豚肉の丸焼きだな!」
一方、テネレッツァは
「マジックブースト」
ヴィゴーレ様に向かって補助魔法をうった。
この魔法は、対象に魔力増加及びスピードアップを施す魔法である。
母さんが作った魔法らしい。
ヴィゴーレ様が強すぎて、雑魚は一瞬で片付いた。
だが、まだ大取が残っていた。キングオークである。全長は3mはぐらいはあるだろうか。手には馬鹿でかいこん棒を持ち、どこかで拾ったのだろうか、王冠をかぶっている。
だが、ヴィゴーレ様は迷うことなく、
「死にな。インフェルノトリガー!」
なんと、ポーチから二丁の銃を取り出し、回転しながら、大量の弾丸をキングオークに浴びせた。
「すっご、、、」
仮にも、魔物のランクでは、Sランクに分類される魔物である。そんな魔物を一瞬で倒すとは。
「母さん、sssランクって思ったよりも強いのですね。」
(まあ母さんの方が強いかな。)
~騎士サイド~
生存は絶望的であった、何とかしてこの馬車におられる姫様と公爵令嬢だけでも逃がさなくては。
「だが、キングオークがいるまではどうすればよいのか。」
「ぐぁぁぁぁ!!」
また、仲間の一人がやられてしまった。もう無理なのだろうか。
「妻よ、子供よ、すまない私はもう無理かもしれない」
そんな時だった。
「まだ、諦めるのには早いぞ。」
そんな声と共に、一匹のオークが真っ二つにされた。何事かとみてみれば目の前には、20代前半ぐらいの女性が一人と、冒険者になったばかりに見える子供がいた。
「王国直属近衛騎士団がそんな弱腰になってどうする。王が泣くぞ!」
そういいながら、目の前のオークどんどん切り伏せていく。
(何という強さだ。あの女だけでない、その横にいる子供もとてつもない才能を秘めている。)
そしてキングオークも一瞬で倒してしまうのだった。
今回の章はいかがでしたか?
面白かったり改善点等があればぜひ感想欄で教えてください。
今後ともよろしくお願いします。




