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第九章 部活対抗魔法武術祭 前編

【どうして、私の争奪戦になるのですか?】

私は驚きが隠せずそんな質問をした。

「どうしてって、筆記、実技ともに満点で無詠唱魔法すら使える子が入ってきたのよ?そりゃあみんな欲しがるでしょ。」

アローナ部長が説明しているとラーナ副部長が補足するように言う。

「で、私たちがテネレッツァを勝ち取ったから、ほかの部たちが嫌がらせをし始めたのよ。」

迷惑なものである。私には関係ないのに。

そんなことを考えているとふと思ったことがある。

【それって、1年生も出れるのですか】

「ええ、出れるわよ。だからあの子たちもこんなことをしてきたのでしょうね。」

マリア先生が半分呆れた顔で答えてくれる。

 私は決心した。あいつらにやり返してやると。この母上が買ってくれた制服を汚し傷つけたあいつらをぼこぼこにしてやると。

 そして、私はある魔法を発動した。

(もういいよね。やってやる、「リバース」)

「あ、あああー。ふう、これで私の声が聞こえますか?」

全員が目を丸くした。それもそのはずである。あのエリカ様でさえ治すことが出来なかったバダゴーラの呪いをまだ幼い子が自分で直しているのだから。

「初めて使ったけどうまくいきましたね。」

「いったい何をしたのですか?」

アリューシア様が私に尋ねてくる。

「リバースという支援魔法の応用です。もともとは罠の魔法陣や攻撃魔法陣を消すのに使う魔法なのですが、自分にかけられているバダゴーラの呪いを魔法陣に置き換えて消しました。」

みんなの開いた口が塞がらない。支援魔法一つでエリカ様ですら解けなかった呪いを解いたのだから。

「アローナ部長、私を部活対抗魔法武術祭に出場させてください。」

そして私は、決意に満ちた声で部長たちに言った。

「ふーん。なるほどね。いいわよ。あいつらにやり返したいのでしょ?」

部長たちもやる気のようである。

「じゃあ、出場届を渡そうか」

不意に後ろから声がした。振り向くとそこには、顧問の先生であるタルトナ先生がいた。

「声が出るようになったんだね、テネレッツァ。母上もお喜びになることだろう。 そして、、」

ものすごく裏がありそうな笑みを浮かべて言う

「わたしもあいつらにやり返したいと思っていたところだ。」

満場一致で出場が決定した。


「そういえば、魔法武術祭ってどんなルールなんですか?」

私は今年入ったばかりで、見たことがないのでルールがさっぱりだった。

「ああ、そういえばアリューシアとテネレッツァはルール知らないわね。いいわよ。復習も兼ねて教えてあげましょう。」

部活対抗魔法武術祭

各部活から3人ずつメンバーを出し、戦う祭りである。

 武器は何を使ってもよく、殺さなければ何をしても良い。

 優勝チームは、賞金と女王陛下に願いを聞いてもらうことが出来る。

 学園の中にある会場を使い、3対3で戦う。

「大まかなルールはこんなものかな。あ、後この魔法武術祭はちょうど今から1か月後の2月の4日、水の日にあるから」

タルトナ先生が付け加えるように言ってきた。

「じゃあその祭りに向けて練習だー!」

「「「「「「おーーー!」」」」」」

全員の意見が一つにまとまり祭りに向けて準備が始まった。


「あ、おかえりテネレッツァ」

王城に、ほかの生徒に気づかれないように帰るとベロニカ様が出迎えてくれた。

(どうしよっかな。まだ秘密にしてようかな?)

笑顔でそんなことを考えていると

「どうしたの?楽しいことあった?ってあれ?その服どうしたの?」

ベロニカ様が私の服が制服と違い保健室で借りてきた服に代わっていることに気が付いた。

「あ、これはいろいろありまして。夕食の時に話しますよ。」

 素で話してしまった。まあいいかと思いながら、自分の部屋へ行こうとすると

「なるほどねー。じゃあ夕食の時聞かせてね。」

ベロニカは普通に返したがテネレッツァが去った後に違和感に気づいた。

「え、えええええ!!」

その声にほかの四神たちも集まってきた。

「どうしたんですか?急に大声をあげて。虫でもでたんですか?」

サーニャは落ち着いた雰囲気で話しかけてくるが本人はそれどころではなかった。

「な、なんで?なんでテネレッツァが話せるようになってるの?」

「「「え?」」」

ベロニカの一言でほかの3人も言葉を失った。

一方そのころテネレッツァはと言うと

「はあ、制服汚してしまったな。お母さんに怒られちゃう」

全く別のことを心配していた。


その後、夕食時にて

「あ、母上ごめんなさい。制服いろいろあって汚してしまいました。」

テネレッツァは食堂に入ってきたクロノアに誤った。

「今はそんなことはどうでもよい。それよりもなぜ、お主は声が出せるようになっておるのだ。」

クロノアはとても焦っている。それもそうだ、いきなり我が子が話せるようになったら驚かないはずがない。

「それも含めて今からお話します。」

私は、夕食を食べながら今日の出来事を話した。

 クガンのこと、服のこと、部活対抗魔法武術祭のこと、そして声が出るようになったこと。

その話を聞いた者は従者を含めみんな驚いていた。

「なるほどのう。まあ、テネレッツァが無事で何よりじゃ。そなたが幸せであることが妾の幸せでもあるのだからな。」

そんな和やかな雰囲気で4日目の夜は更けていった。


「今年の部活対抗魔法武術祭はどうなるかねえ。」

学園の一室でヒルナが一枚の紙を見ながらつぶやいていた。


そして1カ月後

ついに、部活対抗魔法武術祭の日となった。

「準備は出来ているようじゃな。さあ、精一杯頑張ってこい!」

母上にそう言われて私は王城をでた。

「さあ、やってやる。」


「さあ、今年もやってまいりました。部活対抗魔法武術祭!今年も司会は、私、ダントが務めます!」

そして、魔法投影版で今回の組み合わせが移し出された。

1回戦 料理部対書術部

2回戦 馬術部対美術部

3回戦 卓上競技部対体術部

4回戦 剣術部対弓術部

5回戦 魔法技術研究部対吹奏楽部

シード 生徒会


「今年の注目は剣術部でしょう!」

1回戦目の開始が近くなり、会場は白熱している。

「さあ、選手の入場です!」

女王様の席から向かって右側から、料理部が、左側から書術部が入ってきた。

「選手の紹介です。料理部部長クチナ。副部長フラゴラ、そしてヴェルドゥーラです。」

会場から歓声が沸く

「続いて書術部です。書術部部長スクリヴェーレ、副部長クアデルノ、そしてリブロです。」

両者が戦闘準備をはじめる。

「では、1回戦、はじめ!」

開始の合図とともに両チームが魔法を打ちあっている。私はその様子を選手席から眺めていた。

「ほえ~。すごいですねぇ~。」

見ていた私はある一人の選手に気づいた。


「影移動」

ヴェルドゥーラが魔法を唱え一瞬で相手の部長の後ろまで移動する。

「なに!?」

ヴェルドゥーラはそのままスクリヴェーレの意識を刈り取った。

「「部長!」」

リブロが魔法を唱えヴェルドゥーラを吹き飛ばす。

「3対2ですね。リブロ、少し時間を稼いでください。私が爆発印で全員倒します。」

「りょーかい」

リブロが風魔法と水魔法を同時に唱える。

「アクアラ、ウィンド」

水球を生成し、風魔法でまき散らし視界を遮る。

「なるほどね。そんな使い方もあるのか。」

私は見ていて自分も出来そうだな、と思い、少し思考を巡らせていた。

「ちっ。全員で畳みかけるぞ!」

クチナの号令にフラゴラ、ヴェルドゥーラもうなずき戦闘を仕掛ける。

 しかし、クアデルノはそれもすべて読んでいるようだった。

「リブロ」

「了解」

リブロが水魔法を鞭のように操り、3人を締め付ける

「さようなら、爆発印、エスプローズィオ」

クアデルノの魔法によって3人ともダウンした。

「そこまで、勝者、書術部!」

「「「「「「わあぁぁあぁーー!」」」」」」

会場から歓声が沸き起こる

「続いての試合は10分後に行います。」

みんな休憩に入っていた。

休憩の後、続いて馬術部対美術部、卓上競技部対体術部の試合がそれぞれ行われた。

それぞれの勝者は美術部と体術部であった。

「続きまして、剣術部対弓術部です!」

今日一番の歓声が巻き起こる。

「それほどまでに、人気なカードなのでしょうか?」

私が部長のアローナに聞くと分かりやすいようにすごい簡潔に説明してくれた。

「何と言っても、この二つの部活が毎年の大本命だからね、それが今年は一回戦目で当たったんだから。そりゃあみんな盛り上がるわよ。」

説明してくれてなるほど、と思った。

そして、どんな人たちが出てくるのかなあとみていると司会が選手紹介を始めた。

「では今年の選手を紹介しましょう。まずは剣術部から。部長スパーダ。副部長スクード

そして、クガンです!」

「え?」

私は驚きが隠せなかった。なぜなら、クガンが出場しているのだから。

「てことは、私たちに嫌がらせをずっとしてきたのは、」

「ええそうよ。剣術部ね」

ラーナが不服そうに答える。まあそれもそうである。あれほど嫌がらせをしてきたのだから。(主に私)

「続きまして、弓術部です。」

すると三人の女性が入ってきた。その三人を見て思わず笑みを浮かべる

「なんか、見たことある人たちがいますね。」

「選手を紹介しましょう。部長パロラ、副部長コルダ、そして期待の新人、アリューシアです。」

剣術部に負けないぐらいの歓声が巻き起こった。

「両者、準備をしてください。」

両チームが武器を構える。そしてアリューシアの手には見慣れた武器があった。

 時は2週間前に遡る

「アリューシア様、この武器を使って下さい。」

私は王城でアリューシア様にある武器を手渡した。

「こ、この武器は?」

アリューシアがそう聞き返すのも当然である。普通の武器屋はおろかほかの国でも見かけないような存在感を放っている。

「この武器は、私がヴェリミーア母さんから10歳の時に貰った【神弓テルヌミス】です」

「こ、こんな貴重なもの。受け取れません!それに母上の形見ではないのですか?」

アリューシアがその弓をテネレッツァに押し返すとさらに手渡してきて言う

「私からのお願いなのです。この弓を使ってかっこいいところを見せてください。」

滅茶苦茶上目づかいである。その顔を見たアリューシアは恥ずかしそうに受け取った。

「テネレッツァ様がそこまでいうなら仕方ないですね。」

その場面をクロノアは、面白そうに眺めていた。

「ヴェリミーア、か、、、」


「それでは4回戦、はじめ!」

試合の開始の合図とともにアリューシアが飛びあがり弓を構える

「最初から全力で行きます!セイプリッツ・アロー!」

無数の矢が相手チームに降り注ぐ。だが、

「そんなものが通じるか!フィードバーニア!」

スクードが魔法を唱え、矢を吹き飛ばす。

「まだです。ラインドラ!」

魔法を唱え、相手に向けて放つがすべて剣に吸われた。

「「「なに⁈」」」

スパーナが不気味な笑みを浮かべる。

「くっくっく、これは魔力吸いの剣。アクセ・マギア!」

弓術部の三人は顔を青ざめる。

「な、なぜ、そんな武器が、」

パロラが震える声で言う

「さあ、片付けてやろう。インパクトスラッシュ!」

スパーナが斬撃を飛ばし、3人に直撃させる。

だが、倒れたのは一人だけだった

「早く、反撃を!」

そう言うと、コルダはその場に倒れこむ。

「許さない」

アリューシアの表情が怒りに満ちている。

弓を構え、魔力を流す。

「ウルティモ・コルポ(終撃)!」

巨大な矢が剣術部に向かっていく、だが、

「そんなもの、吸収してくれるわ。」

また、吸収されてしまった。

「さあ、消えろ!ラインドラ!」

無数の雷二人をめがけて飛んでいく

「「ぐぁぁあ!」」

「そこまで!勝者、剣術部!」

「「「「わああぁぁぁ!」」」」

会場に歓声が巻き起こる。

「た、タンカを急げ!」

会場には倒れている3人が残っている

そしてその3人も先生によって運ばれていった。

「続きまして、魔法技術研究部対吹奏楽部です。」

次の試合の勧告がされると

「おっと、行かなくちゃ」

私は急ぎ足で待機室へと走っていった。

「さあ、選手の紹介です。吹奏楽部部長フルトナ、そして双子の姉妹、フラウトとトラヴェルソです。」

待機室でその時を待っていると

「時間です、ご入場お願いします。」

声がかかった。

「さあ、行きましょう、私たちの時代を作りに!」


「続きまして、魔法技術研究部の紹介です。

部長アローナ、副部長ラーナ、そして期待の新星、テネレッツァです!」

(やばい、緊張で倒れそう。)

私が緊張で死にそうな顔をしていると、部長が後ろから背中を叩いてきた

「緊張しなくても大丈夫だよ。あなたの力、みせてあげなさい!」

「さあ、第五回戦、はじめ」

始まりの合図とともに、アローナが魔法を唱える

「グラキエ!」

三人に向かって氷塊を飛ばす。

「音魔法 音壁」

フルトナの魔法によって氷塊が打ち消された。

「うわあ、めんどくさいな。」

アローナがそう言いながらも魔法を連発する。だがすべて打ち消されてしまった

「音魔法 音波」

アローナのスキをついてフラウトがカウンターで魔法を飛ばしてきた。

「支援魔法 スペルシールド」

こちらも相手と同じように魔法で相殺する。

一進一退の攻防が続いていく

「ちっ。きりがないですね。」

ラーナも同じように魔法を連発しているが、倒れる気配がない。

(あいつらとの試合まで力をなるべく隠しておきたいけど、そうはいかなそうだな。)

そう思いながら一振りの杖を出し、魔法の発動準備をする。

「フィアンマ」

そう言おうとした瞬間、発動が解除された。

「え?なんで」

その一言にフルトナはしてやったりといった顔をしている。

「音魔法 ノイズ。相手の魔法発動の声を阻害し魔法発動を無効かする魔法よ。」

「うわあ、まじでめんどい」

アローナがすごくめんどくさそうな顔をしている。

「はあ、アローナ様もういいのでぶっ飛ばしてください。十分力を見れました。」

私はアローナにそう告げる。すると

「よし、じゃあ本気出すね!」

ニッコリ笑顔で杖をしまい、拳を構えている。

「な、何をするきですか?」

トラヴェルソもいきなりの行動に驚きを隠せない

「アローナ流拳術、神速。」

フルトナの視界からアローナが消え、気づいたときにはフラウトとトラヴェルソが倒れていた。

「な、なに?なんなのよ。あなたたちは!」

「なにって、ただの魔法技術研究部員ですが?」

そういうとアローナはそのままフルトナの意識も刈り取った。

「そこまで!勝者、魔法技術研究部!」

「「「「「わああああぁぁーーー」」」」」

観客席からは盛大な拍手が送られる。

「さあ、小休憩をはさんだ後、書術部対美術部、体術部対剣術部、魔法技術研究部対生徒会の試合を行います。」


今回の章はいかがでしたか?

面白かったり改善点等があればぜひ感想欄で教えてください。

今後ともよろしくお願いします。

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