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私は気が付けば、どこまでも真っ白な空間に浮かんでいる。
ーーーき、ーーーき、ーーーばき
何か聞こえる。
ーーーばき、ーーー椿
呼んでる。誰?
ーーー椿、早くーーーして。でないと、あの人がーーー。
何?聞こえない。
ーーーが危ない。ーーー死んでしまう。
誰が?ねぇ、あなたは誰なの。誰が危ないの?教えて。
すると、急に周りが暗くなった。
ーーー貴方を殺す。
え?
その瞬間、意識が浮上した。
何?今の。何だか分からないけど、凄く怖かった。
そして、起きたのはいいけど、助けられてから起きたかったな。なんで、首もとにナイフが当てられてる訳?
気がつけば、犯人らしき男とお父様が言い合っていた。
横にはアルと兄様、それからボディーガードと気絶した人間が数人。
うむ。私がここに居るから動けないと。
どうしょうか?
ふと、アルと目が会った。
珍しく情けない顔をしている。
ふふ。心配してくれたのだろうか。
これは、私が動くべきかな。婚約者殿を悲しませると、女がすたる。
見よ、由良さん直伝、
「ッ」
私は男の腕を掴み、逆上がりの要領でくるりと周りながら、頭めがけて遠心力を使って両足踵落としをした。
「グッ」
そして、すかさず顔面に膝蹴り、着地後、ロウキック。
完璧。さすが由良さん。
ナイフ男は鼻血を出して倒れている
やっぱり、手足が結ばれていると技がかけにくいし、着地が難しい。
しかし、この人何であんなに喚いてたんだろ?
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父sid
椿が誘拐されたと聞いたのは、先に会場についてからだった。椿の車にぶつけて、止まり、拐ったらしい。さらに、横にいたボディーガードが裏切っていたとは。
椿はそのまま誘拐されてさしまった。
椿は幸い緊急用小型通信機とGPSを作動ささていたため、直ぐに居場所はわかった。
「おじさん、椿は大丈夫なんですか?!」
アルフォンス君が焦ったように走ってきた。
「きっと大丈夫さ。居場所は分かっている。」
通信機から聞こえる声に椿を傷つけるような音は聞こえない。
「なら、俺も行きます。」
「それは、許可出来ない。」
「いいえ、行きます。椿は私の婚約者です。」
どうしょうかと悩んでいると、アルフォンスの父ルーディアン・エドワードが了承した。
「いいんじゃないか?アル、お前に何かあると綾小路に迷惑がかかる。その事をしっかり理解しておけ。」
「はい。」
「おい、ルー」
「頼むよ、泰造。」
「分かった。だが、無茶はしてはいけないよ。それは勇気ではなく無謀というものだ。出来ることと出来ないことを良く見極めるんだよ。」
「お父様、準備が整いました。犯人からの動きは?」
息子の彰が親衛隊を連れて戻った来た。
「今はまだない。さあ、あの子を迎えにいこう。怪我でもしていたら、殺しかねない。」
「そうですね。急ぎましょう。」
場所は郊外を少し離れた廃ビルだった。そこは以前に契約していた会社だったが、経営困難になり潰れたはずだ。
中に入ると直ぐに人が来た。親衛隊に一人だけ残すように指示を出し、全て気絶させて、縛っておく。
後で起きられたら面倒だからね。
残った一人に椿のいる場所まで案内させて、同様に縛っておく。何か喚いていたが、直ぐに静かになる。親衛隊の手際はいい。
椿を連れていった、犯人は上の階にいた。
しかし、何だってこんなことをしたんだか。
「お前が!お前が潰したんだ!俺の会社を!そのせでいで娘も妻も。どうしてくれる!ああぁぁぁ!お前の娘も殺してやる。家族を失った痛みを思いしれ!あははは」
それは酷い言いがかりだった。怒りをどこにぶつければいいか分からなくなってしまったのだろう。
そして、床に倒れていた椿を抱え、ほっそりとした白い首にナイフを突き立てた。
その時、椿の目がそっと空いた。
その瞳には恐怖を感じず、現状を冷静に見ている。
なんて聡明な子なんだ。
そして、次の瞬間、小さな掛け声と共に男が倒れた。
は?
きっとこの時全員の意見は一致していただろう。
この子何したの?
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「捕らえろ!」
「はっ!」
「お父様!」
「椿。大丈夫だったかい?」
「ええ。私は平気です。」
「椿!」
「わっ」
椿に勢いよく抱きついたのは彰だった。
「大丈夫か?怪我は?痛いところは?」
「大丈夫よ、お兄様。でも、せっかくのドレスが汚れてしまったわ。」
「そんなの幾らでも買ってあげるよ。椿に怪我が無くて良かった。何かあったら犯人を殺していたかもしれない。あんまり、無茶なことはしないでね。」
「ええ。心配してくれて、ありがとうお兄様。」
「椿。」
「アル。ふふ。珍しく情けない顔をしていたわね。心配かけた?」
「当たり前だろう。心配させるなよ」
「ふふ。ごめんね。でも、来てくれてありがとう。」
「何も出来なかったけどな」
「じゃあ、次に期待してるね。何かあったら颯爽と助けにきてくれる?」
「次が無いように気を付けていることにするよ。」
アルは弱ったような顔で笑った。
心配させちゃったね。ごめんね。
さあ、帰ろう。
「ところで、どこであんな技を習ったのかな、椿」
あれ?私ピンチ?!




