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RETURN: EDEN  作者: Eishun
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第32話:千年の闇を越えた、夜明け

エデンの間の隠れた隅にある、冷たい大理石の柱に背を預けて座り、オリンは旅のノートのページをパラパラとめくっていた。

斉天大聖とシヴァ神からの二つの偉大な教訓を注意深く書き留めた後、彼の視線は猫の女神バステトから教えられたリストの最後の名前に止まった。ルシファー。

「ルシファー……深淵(ジ・アビス)を支配する魔王……」

オリンは頭を掻きむしり、独り言を呟いた。

「あれ、ちょっと待てよ……なんでこの名前、こんなに聞き覚えがあるんだ?前に誰かが、ものすごく厳粛で懐かしそうな口調で言及していたのを聞いたことがあるような気がするぞ……」

オリンの量子記憶が過去へと巻き戻り始めた。彼が第七の境界の裂け目を修復する任務を終えたばかりで、大天使ミカエルに導かれてまばゆいプラチナの光に包まれた「起源の聖域」へと足を踏み入れたあの瞬間へ。

終わりのない時間の川の神聖な水の中で、天国の6つの炎の翼を持つ軍神ミカエル自身が、火炎の聖剣の永遠の炎を見つめながら、低い声で打ち明けたのだった。

「かつて天界を揺るがした戦いにおいてすら……私が剣を振り下ろし、ルシファー――『光をもたらす者(ライトブリンガー)』の名を持ち、かつて最も輝かしかった兄弟――を打ち倒した時のことだ。下界の者たちはそれが憎悪と反逆であったと思っているが、因果のより深い次元においては……もし宇宙に穏やかな光と絶対的な秩序しかなければ、魂は温室の草木のように永遠に弱いままとなってしまう。自由意志と打たれ強い精神を鍛えるためには、下界には砥石、残酷な対極の存在が不可欠なのだ。ルシファーは最も暗い外套を羽織ることを選び、人類のための究極の試練として永遠に呪われることを受け入れたのだよ……」

オリンは太ももをバチン!と叩き、目を丸くした。

「マジか!思い出したぞ!魔王ルシファーってのは、むやみに殺戮を楽しむダークなモンスターじゃなくて、ミカエル様の『義兄弟』であり、宇宙のすべての魂のための砥石として最も偉大な暗黒の外套を背負うことを受け入れた者だったんだ!これこそが至高の悪のマスター――すべての逆境哲学のラスボスだ!」

しかし、悟りを開いた直後、オリンは行き詰まりに陥った。

「それは分かったけど、一体どうやって今から深淵(ジ・アビス)まで忍び込めって言うんだよ?あそこはマルチバースで最も深い闇の絶対禁入区域だぞ。マイナス3万カルマの借金を背負った俺みたいな魂が、深淵の大気圏に足の指を突っ込んだ瞬間に、闇のエネルギーで窒息させられるか、不法入国の罪でエデンの看守に捕まって刑務所に放り込まれるのがオチだ!」

フゥー……フゥー……ヒュン!

オリンが苛立ちで頭を掻きむしっているちょうどその時、突然黄金の竜巻がホールの隅を吹き抜けた。

きらめく銀色の翼を持つ優雅な人影が現れたが、その肩には……自分の3倍の高さもある巨大な郵便袋を担いでおり、中には何万もの羊皮紙の巻物、召喚状、カルマの借金取り立ての請求書、そして時空を超えた手紙がぎっしりと詰め込まれていた。

「ああ、神様……朝から締め切りに追われて、水一滴飲む暇もないよ!天界から下界へ手紙を配達して、神話の領域をループして、足がもうバラバラになりそうだ……」

その天使は激しく息を切らしながら、ふらふらと歩いていた。郵便袋が重すぎて視界を遮っていたため、彼はうっかり大理石の段差につまずき、バランスを崩して前のめりに倒れ込んだ。

「ああ、もう終わりだ!最高裁判所の秘密の郵便箱を落としちゃった!」

ルビーがちりばめられた純金の小包の箱が空中に放り出され、量子境界の溝に向かって真っ直ぐに、風を切り裂くような猛スピードで自由落下していった!

ヒュン!

東京での70年間とエジプトでの召使いの人生から受け継いだ、罠を避ける床滑り反射本能が即座に爆発した!

オリンは体を30度の角度に傾け、花崗岩の床を10メートル滑走し、両腕を伸ばして空中に身を躍らせて純金の箱を完璧にキャッチし、音も立てずにスムーズな3回転の宙返りで着地した。

カチャッ。

オリンは立ち上がり、服の埃を払い、床に座り込んでいる天使の前に、無傷の箱を両手で差し出した。

「荷物ですよ、神様!間に合ってよかったです、傷一つありませんよ!」

天使は胸を押さえて安堵のため息をつき、顔を上げた。それは信じられないほどハンサムな顔立ちで、翡翠のように輝く目を持ち、額には光る羽で縁取られたヘッドバンドを身につけた天使――大天使ガブリエル(通信の天使)だった!

ガブリエルは箱を受け取り、額の汗を拭きながら、驚きで目を丸くしてオリンを見つめた。

「おや……この至高のツルツル回避のフットワーク……胸の光る天使の羽のバッジ……君は、ミカエル兄さんが絶賛していた第七境界の修復スペシャリスト、小僧のオリンじゃないか?!」

ガブリエルはまばたきをし、オリンの頭上をちらりと見て、真っ赤な「-30,000 カルマ」の数字が激しく点滅しているのを見ると、クスクスと笑い出した。

「あ、ちょっと待って……君は天界のゴシップ掲示板で大流行している『ネロが腸を爆発させるまで歌う』事件の作者にして、『7秒ファラオ』でもあるんだよね?!たった今、君のチームのための何千通ものカルマの罰金通知をここに配達し終えたところだよ!」

その場で見事に暴露され、オリンは顔を真っ赤にして頭を掻き、引きつった笑顔を作った。

「あはは……俺の悪名が広まるのが早すぎますよ、ガブリエル様……」

ガブリエルはオリンの肩を叩いて笑い飛ばした。

「ハハハ!輪廻転生だもの、誰にだってうっかりミスはあるさ!とにかく、君は僕を大損害から救ってくれた。この郵便箱を量子の溝に落としていたら、僕の今月のボーナスは即座に全額没収されるところだったよ!教えてくれ、君みたいな子がこんな隅っこでしょんぼり座って何をしてるんだ?天界最高の郵便配達員に手伝ってほしいことでもあるのかい?」

オリンは金脈を掘り当てたように喜び、ガブリエルの耳に顔を寄せて囁いた。

「ガブリエル様……実は、悪役になる秘訣を学ぶために、魔王ルシファーに会うため、深淵(ジ・アビス)の最も深い層へ降りる道を探しているんです……。魂が闇の圧力に押し潰されることなく、安全にあそこへ忍び込むように案内してもらう方法は何かありませんか?」

「深淵(ジ・アビス)」と「ルシファー」という言葉を聞いた途端、ガブリエルの唇の笑顔が突然凍りついた。通信の大天使の目は少し細められ、深遠な眼差しでオリンを見つめた。

「ルシファーを探すために深淵に降りるだと?君はかなり大胆だな、小僧……。あそこは宇宙で最も暗く、最も圧力の高い場所で、普通の天使でさえ近づけば簡単に闇に飲み込まれてしまうんだぞ」

しかしその後、オリンの目にある断固とした炎と、彼の胸でミカエルのバッジが柔らかく光っているのを見て、ガブリエルの唇の端は理解したような笑顔に歪んだ。彼は郵便袋の底深くに手を突っ込み、紫がかった赤の光で輝く明けの明星(モーニングスター)のシンボルが刻まれた黒曜石のパスを取り出した。

「これは縁だと思おう!実は毎月、ミカエル兄さんからの極秘の外交書簡をルシファーに届けなければならないんだ。行きたいのか?いいだろう、君をパンデモニウムの門へ真っ直ぐに送るために、次元間郵便チューブを使おう!」

ガブリエルは通信のラッパを振り回し、空中で軽く叩いた。紫の火で燃え盛る深く暗い渦が、即座にオリンの足元に開いた。

「このパスを持っていけ、それは君の魂を闇の圧力から守ってくれる。覚えておけ、ルシファーは全領域で最も誇り高き偉大なる存在だ。教えを請うには誠実さと理解力を使え。くだらない真似をすれば、帰る道はなくなるぞ!」

オリンはパスを受け取り、感謝して頭を下げた。

「ありがとうございます、ガブリエル様!」

一抹のためらいもなく、オリンは真っ暗な渦へと真っ直ぐに飛び込み、「光をもたらす者」との歴史的な謁見の準備を整え、深淵(ジ・アビス)の終わりのない深みへと急降下していった!

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