賊を斬る
126話 賊を斬る
バキッ
『なにっ!』
ハルが服を渡すと眼帯男の腕を折った。
『このぉアマァ!』
「ホレ、ハル」
グッピーがハルの槍を投げた。
受け取ったハルは、そのまま槍を持つデカブツの足を斬り草むらにもぐった。
『お頭が、やられた!』
残った連中は草むらに入ったハルを追った。
『どこ、何処に隠れたの、出てきなさい!』
女は剣を草刈りのように振り回した。
『あひぃ、どこ握ってんのよ!』
『おまえ、男か』
ハルが女の背に張り付いた。
女は剣を振り回し暴れるが、ハルは落ちない。
『こいつぅ』
『キャア!』
仲間が背中のハルに斬り掛かったと同時にハルが草の中に消えた。
反動で仲間は女の背中を斬り裂いた。
『すまねぇ姐さん!』
『あんた、後で殺す!』
『ガァ!』
女の前の男は真ん中に傷が走ったかと思うと二つに割れた。
『ヒイッ、ゴメラ!』
『おがぁ!』
『イテッ!』
『ぐあっ!』
草むらに入った男たちは次々に血飛沫を上げ倒れる。
『お頭ぁみんな……ヒッ』
女の背に再び乗ったハルが首に槍の刀部をあてた。
『おまえは、女か、男かどっちだ』
『あたしは女よ』
ジョロジョロ
『女は立ちションしない』
『ヒイッ!』
女は漏らしながら斬られ倒れた。
あっという間だ。
残りは足を斬られたデカブツと腕を折られた頭だ。
『うがっ』
デカブツが槍を振りまわすが、ハルには、かすりもしない。
飛び跳ねたハルはデカブツの頭に着地すると脳天に槍を。
『助けてくれ!』
片目の男が折られた腕を持って逃げ出した。
オレたちの馬車の横を走り後方ヘ逃げる。
ラン馬の上のミシェールは見送った。
あれじゃ当分悪さは出来ないだろう。
誰か来た。あれは?
『おう、ドラム。助けてくれ、これじゃ剣も使えねぇ』
『お頭!』
遅かったか。村のミオちゃんと話し込んじまったからな。
『ドラムっ……ガッ。うらぎっ……たな』
『別にそういうわけじゃ……頭』
あとから来た。男、片目を斬った。
こっちに来る。見覚えのある男だ。
『やっぱり大丈夫でしたか。ライガーの兄ィが気になるから見てこいと』
「なんだってメラルダ」
「あの警護団の仲間らしいわ。ライガーに見てこいと言われたと」
「あの男。気を回し過ぎだぜ」
男は頭を下げると戻って行った。
「賊の亡骸どうする。手配書がまわってるはずだ。金になるぜ」
「ああ、でも役人に会うのは面倒のもとだ。ほおっておこう」
村に戻ったドラム。
『みな、やられたのか』
『へい』
『頭たちの遺体は?』
『野ざらしで』
『そうか……荷馬車を用意しろ』
『頭たちを葬りに』
『違う、賞金にする』
街道を行く馬車とロランたち。
「ああ、違うよルルレット」
「う〜んこっちの言葉はわかりにくいわ。とりあえず単語だけでも教えて」
「例えば」
「そうね〜好きは?」
『オレ、ルルレット、好きだ』
「え、ハル。メラルダ、今なんと」
「ハルさんが、ルルレットのこと好きだって」
『ありがとう。私も』
「好きはメラルダ」
「あの高い建物。町よねロラン」
「ああ、だがアレはウルマンの王都だアニタ」
「町、好きだ。ロラン」
「そうか、エスタは町好きか」
「美味しい、美味しい。いっばい!」
つづく




