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草原の賊

125話 草原の賊


 エスタ、ホントに大丈夫なのか? 

 エスタは試合なんてしたことはない。ただ、グッピーやティアーナの闘うのを見て真似てるだけだ。


 まず、エスタからの攻撃はない。

 短棍棒を二本持ったエスタは相変わらずの寝ぼけまなこでフラフラ歩きだした。



 こんなのと手合わせだと、まるでやる気を感じない。スキだらけじゃないか。


 ちょっと見、カワイイ女の子。いくつなのか、わかりにくい顔つき、なんなんだ、この女は。

 叩くのは可哀想だから寸止めでいくか。


「トオッ!」


「なにっ!止める前に受けた。うあっ!」


「ヒッ!」


 あの黒人少年、振りかざした剣を受け止められ、素早いエスタの連打をモロにくらっ。


「やめっ!」


「サム、大丈夫か」


「だ、大丈夫です」


 なんて早い攻撃だ……ててっ。まさか本気で打ってくるとは。


「小僧、本気でやらないとダメだ。エスタに殺されるぞ!」


 寸止めなんて考えてたから。攻撃がゆるんだ。

 真剣なら死んでた。打ってきたのがヒザ、モモ、ハラ。


「あまくみた、次は!」


「はあ?!」


 ボコボコボコボコ


「ヒイッ」


 上から振り下ろし、とっさに横へまわして横腹狙うも受けられて片方の棒で頭を連打。コレは勝負にならない。


「おい、サム大丈夫か、コブだらけだぞ」


 この娘……見かけにダマサれると危ないな。師匠のあの女、もっとヤバそうだ。


「なるほど、なかなかの使い手だ。おいゲットーおまえ代われ!」


 今度は坊主頭頭の槍使いだ。


「まて、こっちは棒だぞ、槍に布でも巻け」


「ロラン、心配ない!」


 ティアーナが言うのなら大丈夫なのだろうが。


 始まった。槍使いのはじめの一突きを棒でよけて、棒を槍の上を滑らせて相手の前まで行ったエスタは相手を滅多打ちにした。


「あ〜あんな風に決められたら俺はティアーナに殺されてるな」


 グッピーなら、アレを素早くよける。


「コレはまいった。安心してあんたらを送れる。では、良い旅を」


「じゃあな」



「おい、ドラム。お頭にあなどるなと。いや、手を出さない方が無難かもしれん」

「ヘイ!」




「あいつら、あの程度で護衛とは、街道に出る賊ってーのはたいした連中じゃないなー」

「まあ普通の村人にとっては、あれでけっこうな護衛なんだろう。いくら取るのかねぇ護衛代」


「賊が出たら楽しいのに、奴らに楽しみをとられるのはごめんだ」


「あんたたちと、居ると退屈しないわね。だけど少しは運動しないと太るわ」


 馬車から降りてメラルダが歩き始めた。

 オレの前を歩く揺れる尻がやっぱり、気になった。


「メラルダ、聞いてもいいか?」

「え、ナニ……いいけど」

「おまえの尻だ」

「ナニ、ロラン。朝から……したいの?」

「ナニを……じゃない。もしかしてメラルダ、尻尾」

「あ、わかっちゃた。やっぱり。一応スカートで見えないようにしてたんだけど、ロラン。あたしのお尻見てたのね」


「ロラン、スケベだ」


「アニタ!」


「あら、ロランは小さい頃からスケベよ、よく、あたしのオシッコ、覗いてたもの」


「まあなぁロラン、子供の頃はそういうの見たいんだよな。ルルレットは知ってて見せてたんだろー」


「グッピー、人を変態みたいに言わないでよ!」


「好きな子には見せたいんだよグッピー。女心をわかりな」


「リンダねぇ〜。別に見せてたわけじや」


「ロラン、あたしのモフモフの尻尾見せてあげるよ」


 って、それはオレにではない。

 みんなが見た。一番先頭でスカートめくれば丸見えだ。


 しかし、メラルダ。とんがり耳に牙、その青い尻尾、父親の亜人はオオカミ族の系統なんじゃ?


「キャ!」


 馬車の前に槍が飛んで来た。


 賊か!


 草むらに身を隠していた、数人の賊どもが現れた。


 槍を投げたらしい大男が、馬車の前に現れ槍を手にした。

 片目に黒い眼帯をした男が大男の横に立ち。


『ねえちゃんたち、有金全部出しな。ソレと着ている物も全部脱いでこっちに渡せ』

『お頭、べっぴんさん揃いじゃねぇですか。コリャ久々の当たりだ』


『子供もいるじゃねーか!』


『あら、男も二人まざってるわ』

『姐さんお楽しみですな』

『嬉しい、あんたたちみたいな、ゴツゴツして汚いのと違うわよ』


『護衛はいないみたいだな。村で傭わなかったのかゲヘヘへ』


「なるほど、こいつらなら奴らでも。さて、どうするロラン」


「こいつらとやりたいひとー」


 メラルダがハルに通訳したら、ハルがオレの前に出た。ハルがやるのか。


「面白いロラン、ハルの腕前見てみてー」


『なんだ、この女』


『オレはハルだ』


 ハルは着ている服を脱ぎ巻き付けてたオオヤマネコの毛皮をまとい、オレたちがジャングルで初めて会った時の姿に。

 ハルは着ていた服を片目の男に差し出した。


『服が欲しいんだろ』

『俺は全部脱いでと言った』


                つづく



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