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護衛団

124話 護衛団


 ようやくジャングルをぬけ、ウルマン国辺境の村を見つけた。

 村に毛皮や肉を買取る店があった。

 あのハルの小屋の生肉もミシェールの「なんでも袋」で持ってきた。

 小屋では、生肉はすぐに腐るので、普段あまりデカい獲物は獲らないそうだ。

 ルルを助けたので殺ったらしい。

 

 あの怪物の肉は珍しいいのでイイ値がついた。

 その金で、ハルの服も買ったが。

 愛用していた山猫の毛皮は捨てずに身に着けてる。


 ドゥナン国の辺境のキナリノ村は川に近くて漁業で栄えてたが、こちらはジャングルの近くで山の獲物が豊富。町に持って出ればイイ稼ぎになるようだ。

 村は裕福だ。


 オレが居た「宝探師」の村よりはずっとイイ。

「宝探師」は当たると大きいが、それはなかなかだ。

 貧乏な村だった。


 宿と食堂をかねた大きな店に。


「十人とは、多い旅の一行ですな」

「まあね、はじめは皆、別だった。だんだん増えたのさ」


「旅は物騒な場所や連中が多いからな。大勢の方が良いかもな。特に辺境はな、わしらも町に出る時は村の護衛団に頼むんだ」

「護衛団?」

「村に流れ着いた腕利きの連中が集まって商売にしてる。まあ国や町のわけあり人も居るそうだが、あらくれ者ではない。ホラ、あっちで呑んでる連中がそうだ」


 見ると、村人でもなさそうな無頼漢と、いった感じだ。黒色人種も混じってる。


 宿の人間は外国人が来るせいか、言葉が通じて助かる。

 肉屋や衣服屋なんかは通訳を入れないと。買い物が出来ない。

 なんで、世界中の人間が同じ言葉じやないのか、つくづく思う。


「あんたら、西方から来たのか?」


 護衛団の男が一人こっちに来た。


「そうだけど。なにか?」


「そうか、いや懐かしい言葉が聞こえたんで、話したくなってな。俺はライガーという。あっちじゃお尋ね者だが、悪い事をしたわけじゃない。俺はバカでな、人に騙され人を殺っちまったら手配書がまわってな脱国だ」


 なるほど。ないことじゃない。

 まあ自分をバカと言うヤツは少ない。

 人の良さそうな男だ。


「オレはロラン。仲間と女神巡礼の旅をしている」

「女神?!」

「この国の辺境の山に大きな女神像があって町を見下ろしてると聞いた」


「それは、ヘガルタだな。愛の女神と言われている」


 宿の主人だ。詳しいのか。


「そうだと思う」

「あんたら、あそこへ行くのか。辺境と言っても逆だ。この国の反対側だよ海の方だ。そうだな七日はかかるかな」


「地図が、あるんだ近いルートを教えてくれ」



「町まで行くのら俺たちを傭わないか。見れば女たちが多い。街道は賊も出る」


「あんたら、強そうだが。護衛はいらねー」

「そういうコトだ」

「そうか……じゃ気をつけてな」


「あのライガーという男、なかなかの腕利きだな」

「わかるの?」

「武術家は、相手を見る目がないと無様に負けて、はじをかく」

「武術家……あたい、あんたらと一緒に旅してさ、そういうのを初めて知ったよ」


「ブジユツカ?」

『武術家だよ。闘うための技を習って使う人だ』

『武術……オレの槍もそうか?』

『だろう……ハルさんの槍はドコで覚えたんだ』

『子供の頃、エルフに』


 メラルダにハルが槍を見せてる。ハルの槍はグッピーのと違い短くて刃先は東方の刀に似ている。

 ソレを見ていたグッピーが。


「ハルのその槍は何処で手に入れたんだ。それは東方の武器と似てるが」


「聞いてみる。槍の使い方はエルフに習ったって」


『教えてくれたエルフにもらった』



 翌朝、宿を出るとあのライガーと護衛団の仲間が。


「ホントにいいのか。賊は手強いぞ。そこの槍のにいちゃんだけじゃ、女たちを守れきれないだろう」


「大丈夫だ、ウチの女たちは強い」

「アニタ強い!」

「エスタ強い!」


「ハハハハハハ。子供にはかなわないよ、あの賊どもは」


「バカにするな!」

「アニタ、普通の子供のコトよ」


「あんた、あたいの弟子と手合わせしないか」


「あんたの弟子? まあ、あんたは強そうだが……」


「エスタ、闘え」


 おい、ティアーナ。弟子って。まあそれなりに闘えるエスタだが、相手は。


「ちょっとまて子供じゃないか」


「弟子は子供じゃない」


「そうか、じゃサム。ちょっと相手してやれ」


 ライガーは護衛団の若いのを呼んだ。黒色人種の少年だ。

 エスタは短棍棒を両手に。

 護衛団の少年は剣をぬかずにかまえた。


「大丈夫なのかティアーナ」

「剣をぬかないとはバカにしてる。問題ない」


               つづく



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