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ジャングルの精霊

123話 ジャングルの精霊


「どうだティアーナ、ルルはどっちに行ったかわかるのか?」


「こっちから強い血の臭いが」


「血、ルルがなにかに……」


「人の血じゃない」



 ジャングルの大木。


 女は怪物の解体を終えると肉を背負いカゴに入れ木を登り始めた。数回登り下りし、あたしを手招きした。

 今度はあたしをカゴに入れ木を登りだした。

 わっ、こんな枝もろくにない木を器用に登るもんだわ。


「わあっ高い……」


 あたし、高いの苦手なのよ。

 この木、ジャングルで一番高いじゃないの。小屋まで登ったら。ココより高い木は見えない。

 当然下なんか見たくない。


 小屋でカゴから出された。

 女は何か粉を持ってきてソレを付けて、さっき運んだ葉っぱの上の肉を食べだした。

 粉を付けた肉を私に差し出した。食べろというの。でも、コレあのカエル魚の怪物の肉よね。

 食べたくない。

 女は、あたしが受け取るまで差し出した。

 取ってはみたが、食べられない。それに生じゃ。


 あたしのベルトの袋に火打ち石があったのを思い出した。焼けばなんとか。


 小屋の中に乾いた枝葉の山が有るのを見つけた。ソレを取りに。


「キャアア」


 枝葉の中に虫の幼虫が。

 コレはチュビラ以上に苦手だ。

 あわわてて元の位置に戻ると。


 女はどうしたという顔で幼虫を手に取った。

 また、あたしに差し出した。

 あたしは手でいらないと、したら。わかったのか、やめた女は虫を口に入れた。

 あ〜ヘコむわ。あたしはどんなにお腹が減っても虫だけは食べない。


 生肉と虫の臭いで気分が悪くなった。あたしは小屋の出口に走り下へもどした。


「ウゲゲェ〜」



「あわぁ、なんか降ってきた。何だコレ、ゲロ臭え」



「アレはグッピー!」


 木の下にグッピー、ティアーナ、ロランが。

 ヤバい下見たらクラクラしてきた。

 でも、頑張って。


「ロラン、あたしは上よ!」



「ルル!」

「今のは、ルルレットの、ゲロ?!」

「どうした、なんでそんなトコにいる?!」


 あたしが声を出したので女が来て声をかけた。


『仲間か……』


 やっぱりなんと言ったかわからない。

 あ、覚えた言葉があった。


『家族!』

『家族、兄、姉?』


 家族は聞き取れたがあとの言葉はわからない。けど、ウンとうなずいた。


『待て』


 と、何か言って小屋の中へ。そしてあのカゴを。

 あたしはまた入れられて背負られた。女はスルスルと木を降りた。


 木の上から、ルルをカゴに入れて人が降りてきた。


 うわぁおつぱい、出てる。

 なんだ、この女は。森の種族か。少しティアーナに似てる感じも。長いボサボサの毛のせいか。


 女はルルの入ったカゴをオレたちの前に置いて。


『家族!』


 と、言った。


「はあ、なんだって?」


「あんたたち、こっちに来たんだから言葉の一つくらい覚えなさいよ! 家族って言ったのよ」


「それはルルがオレたちの家族ってコトか」


「そうじゃないかしら。彼女に怪物に襲われたとこ助けてもらったの」


「そうか、礼を言わねぇとな。で、ルルありがとうは?」


「知らないわよ」


「ルルレット、偉そうなコトいって、ありがとうも知らねーのか」


『ありがとう』


「は、これだ」


『おまえたち、ドコへ行く?』


「まだ、なんか言ってるぞー」


「ティアーナ、誰か言葉のわかるのヤツ連れて来てくれないか」


「誰だ」


「誰でもイイ」


 ティアーナがすぐにメラルダを背負って戻った。


「この人は、森の精霊……」


 メラルダは女を見るなり言った。


『あなたは森の精霊ですね』

『精霊、違う。人間……半分、エルフ』

『そうですか。仲間を助けてくれてありがとう』

『たまたま、ゴグラが居たから。狩りもした。だから、肉やった。けど、食べない』

『あの子はゴグラの肉嫌いなんだ』

『嫌い。そうか……おまえたちはドコに行く?』

『女神像が有る山の町へ行く、知ってる?』

『女神、知らない。山、町。連れて行け』


「なんと……」

『あの人、言葉をあまり知らないみたいだ。人とエルフの混血と言ってるが……』

「エルフなのか?!」

「本人はそう。なんか同行したいみたいなんだけど」

「同行?! どこまで。行きたいんだ」

「それが、わからない。ジャングルから出たいようなんだが、一人じゃ出れないらしいの」


「このさい一人増えても問題ない。いいと」




 また大所帯になったな。


『アニタよ。あ・な・た、名前は?』


 アニタがリンダから教わった片言で名前を聞いた。


『ハル』

「ハルだって、通じたよリンダ」

『良かったねアニタ。ついでにみんなの名前を教えてやって』

『アニタの姉、ルルレット』

『アニタ、ルルレット、家族』

『そう。この人はリンダ』

『リンダ、アニタ、母?』

『違うよ。それから、アレはティア』


「アニタ、ティアーナだ」


『こっちのはグルドン』


「グッピーでイイ」


『あれがロラン。そばにいるのはエスタ』

『エスタ、ロランの嫁か?』


「えっ、リンダなんて?」

「エスタはロランの嫁か、と」


「違う」


 今、何人が言ったんだ? 3人は。


『違うよ。ハル』

『家族か?』

『家族も違う』


「嫁じゃないなら恋人? あの子はなんなの? あたしも気になってたんだ」

「あの子はロランの隠し子なのよ」

「隠し子……ロランって、いくつだエスタと年はあまり変わらないように見えるわよ」


「メラルダ、本気にするな、ウソだ。エスタは……妹だ」


「妹だったの……そのわりにはベタベタね」

『ハル、エスタ、ロランの妹だ』

『で、亜人のメラルダ』

『亜人?』

『あたしも人間との混血よ』

『人間のようだ』

『ホラ耳はとんがりだし、牙もあるのよ』


 メラルダの牙、初めて見た。


『あの……白いフードはミシェール』


 ククカッ 


『この子はカスタ』

『カスタ、不味そう』


『そのサルは食べ物じゃないよ。ペットだからね』

『ペットってナニ?』


「今なんてメラルダ」


「カスタはペットと教えたらペットってなんだって」


『家族だよ』

『食べ物だろ……家族?』


「フフフフフ、ジャングルで暮らしていた、この人には理解出来ないわペットなんて」


              つづく






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