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ミシェールの言葉

127話 ミシェールの言葉


 ウルマン国の王都トラート。


 平和なのか、ゲートに兵士は居るが、居るだけだ。

 入るも出るも自由だ。

 王都なのにと、思ってしまう。

 この町は黒色人種が多い。道行く半分以上だ。

 王様も黒色人種らしい。


「なんだか、いちだんと南国めいてきたね。着てる服も皆、薄着だし。ハル、その毛皮、熱くなぁい?」


 メラルダが通訳した。


『大丈夫』


「平気だって。乳あてが素敵ねルルレット」


 女たちは王都に入る前から暑いと上半身は、乳あてだけだ。

 さすがにおっぱいがまだ小さいアニタはシャツを乳に巻いてるだけだ。


 男は、グッピーは上半身裸。オレはとりあえずシャツ一枚を。古いので背中に大穴が。

 涼しい。ボロシャツが幸いしてる。


 直射日光を避けるためフードかぶってる人も多い。ミシェールもその一人だが、見える部分の素足。と、靴からサンダル履きに。


 ここでは最初の宿が空いていてすぐにとれた。

 部屋も大きな部屋があり。四人部屋、二部屋に男の二人部屋、一つ。

 メラルダ、アニタ、ルル、ハルの部屋では南方語勉強会が始まった。

 同時にハルが西方語を覚える。

 ハルはエルフとの混血だけあって言葉を覚えるのが早いと。

 寝る前のエスタもこの部屋に。

 オレも少しは南方語を覚えようと参加したが、武術みたいに、のめりこめなかった。途中で、部屋から出た。


「ロラン」


 宿の食事場にミシェールが一人でお茶していた。


 あれから、面と向かったのは、はじめてかも。

 アレは告白だったのか?


「契って」


 あの一声が、未だに。頭からはなれない。

 エスタの像がなかったら、オレはミシェールに恋したかも。

 でも、像がオレのトコにあったからミシェールは現れた。


「どうロラン。エスタをあきらめて私と契る気になった」


「あ、いや。そのつもりは……」

「女神になんでこだわるロラン」

「女神を捜せと……頭の中で」

「頭の中……」

「エスタが、まえのマコーナの魂が、戻った方がいいのかわからない。でも、女神を探さなくてはって気になる……」

「多分、ソレはマコーナの意志が……。忘れてロラン。もうアレには必要ない、別の魂がやどりはじめてる」

「忘れろと言われても……マコーナが」

「別の者を愛せロラン。私でもいい。そしたらマコーナの魂は……エスタは」


 ミシェールは知ってるのか、エスタの身体にマコーナが戻ると。どうなるんだ、やっぱり。


「ロラン、また世界が滅びる。前の世界が滅びたように」

「えっこの世界が、またって。それはいつ?!」

「今のところまだ、わからない。ロランの行動しだいだ。けど、ロランが悪いわけじゃない。私がいけないの」

「ああ、いったい何を言ってるんだミシェール!」


「ごめん、まだここまでしか!」


 そう言ってミシェールは去った。


 世界が滅ぶのはオレの行動しだいって、ミシェールが、いけないって。どういうことだ。


〘ロラン、ロラン、聞こえる〙


 あ、またあの声だ。


〘時々つながる、私を早く。女神を見つけて!〙


「君はマコーナか?!」


〘ええ、でも今はあなたがくれた名。エスタよ〙


「そうなのか、やはり……。で、おまえがエスタの体に戻ったら今のエスタは」


〘それは……に。……るの……またつなが……〙


「あれ、聴こえなくなった。おい、マコーナ! どうしたエスタはどうなるんだ!」


 最近、あの無垢なエスタが昔の妹みたいで可愛く思えてきた。あのエスタにマコーナが戻ったらエスタは、どうなるんだ。消えてしまうのか?


 オレの今の行動って、像を見つけてからだ。

 そして、像を人間にしてもらおうと女神を探してる。

 コレをしたら世界が滅ぶのか? どーゆーコトだミシェール!

 なぜ、ミシェールが、いけないんだ。

 

               つづく

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