王都の検問
118話 王都の検問
カーマ家 屋敷内
『ゴーガン、どうした。その怪我は。祭りの夜に派手な争い事があったと聞いたが。巻き込まれたのか?』
『そうなんだ、叔父さん。外国人の旅行者なんだが、それは酷いあらくれ者の九人で。噂では辺境の村の村長衆も酷い目にあったらしい』
『外国人のあらくれどもか。この後も被害が出そうだな』
『朝、町を出たらしい。僕らはホッとしたよ』
『ここを発って、何処へ向かった?』
『さあ僕には……あんな奴ら叔父さん捕まえて牢にぶち込んでくれ!』
『ゴーガン、口汚い言葉だな』
『あ、兄さん。おじゃましてます』
『またケンカして、派手にやられたなゴーガン。いい年してまだまだやんちゃで困ったものだ』
『僕はまだ成人式前だ』
『外国人の無法者にやられたそうです』
『噂は聞いてる。町の役人は何をしていたのか。あらくれ者を野放しにしおって』
『そんなやからが王都に入ったら……。暴れる前に捕まえてやります』
『お前ほどの戦士はいないだろうからな。頑張れよ騎士団長。じゃわしは』
『それで、あらくれ者はどんな奴らなんだ。ゴーガン』
『ああ、オークみたいな槍使いと鬼ババみたいな双剣使いを先頭に人相の悪い女たちだ。女だからとあなどれない』
『女も居るのか……。9人の鬼か』
街道上。
「あの女神教の宗山へ行くには、王都を通った方が近いし休める」
「ドゥナンの王都か。デカいのか?」
「実は行ったことないんだあたし。王都なら辺境に行くちゃんとした地図が手に入るんじゃないかな」
「王都か……。やっぱり治安はいいのよね? もう、あらくれどもにからまれるのはたくさんよ」
「王都の聖騎士団はこの国最強らしいわ。治安は良いと思うけど」
夕方、王都の入り口に着いた。
入都の検問所は夕方だというのに並んでた。また適当に設定を考えた。
『お、こいつ槍使いだ』
『手配書にはオークのような男と、こいつじゃないなオットー爺さんより小さい』
『おまえは、何しに王都へ』
なんか、聞かれた。わからん、まあ設定通りに言うか。
「あの外壁にあったろ。武術大会に出るつもりた、後の奴も同じだ、旅先で出会った」
『外国人か、言葉がわからねぇ』
『マルモ、来てくれ外国人だ』
『ハイ』
『後ろの女、長身だが美人だ』
「後ろの女は、おまえの嫁か?」
「まあそんなもんだ嫁は口がきけねー。耳も悪い」
「そう……美人なのに口も耳も……大会がんばってね」
『手配書の鬼ババじやないですね。いいんじゃないかしら』
『まあそうだな……俺の好みだ。いいだろう。通せ』
「はい、通っていいわよ」
『戻っていいぞマルモ。次!』
『私は旅の薬草売りだ。隣のは弟子だ』
『その男の背のカゴの中、あらためさせてもらう』
『なんだ、コレは剣が入ってるぞ』
「ああっあ」
『その弟子はクマに襲われてノドをやられ声が。傷を見せてやれ。剣は護身用だ』
ミシェールがノドの傷を見せろと手まねをした。
『酷いな。大変だったな。ん、オイこの剣ぬけないぞ。これじゃ使えんだろう』
『古道具屋で買ったんだ。使えないよ。金返してもらいたい。あれからクマに会ってないからいいけど』
『そうか。よし、通れ』
ナニ言ってんだかさっぱりだったけと首に傷まで付けて、剣も封印し、なかなかやるなミシェールも。
この検問芝居も皆、楽しみだしたな。
『次!』
『馬車だ。女ばかりだぞ。怪しくないか』
『しかし、あらくれ者には見えんな、子供も居る』
『この先のベラの村へ行くんだ。外国から来た親戚だ。辺境まで向いにいったんだ。叔母の一家だよ』
『子供は皆、女だな』
「エスタ、子供?」
『なんと?』
『オレは外国語はわからん! オバと子供三人。問題ない。通せ』
「何かなぁ誰か捜してるみたいだった」
「あぶない奴でも居るんじゃないこの辺」
カッカッ
「見て、白い大きな馬に乗って王子様が現れたわ」
「アレは王子じゃないよ。この国の王子は色黒で太った中年オヤジと聞いたよ」
「じゃアレは?」
『どうだ、外国人のあらくれ者は来たか?』
『あ、騎士団長殿。外国人は数人来ましたが、手配書に書かれたような人物は』
『そうか、来ないにこしたことはない。変装も考えられる。怪しいのが来たら連絡するように』
『はっ!』
「あ、王子が横に」
『君等は何処へ?』
『ベラ村へ行く予定です。今夜は王都で一泊して明日朝に出ます』
『そうか、女性だけだな。あらくれ者がうろついてるから気をつけてな』
「メラルダ、あれ何者かしら」
「見たところ剣士ね、城関係の役人じゃないかな。検問で話してたし」
「じゃないかなリンダさん。アレは噂に聞く聖騎士団の団長かもね。イイ男らしいわ」
つづく




