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辺境の村キナリノ

113話 辺境の村キナリノ


「さて、この川をどうやって渡るか。エメルダは、どうやって渡ったんだ?」


「あたしは一人だったから泳いだの。ほら、あたしの手見て」

「小さいがマクが張ってるな。水かきか?!」


「それにあたしはよく浮くの裸になって頭に荷物を乗せて泳げたわ」

「亜人だな。俺は兵法で似たようなコト出来るぜ」

「あたいも」


「グッピーやティアーナは出来ても他はな、それに馬車や馬は」

「丁度、後ろは森だイカダを作れば馬車や馬も」


「リンダ、なるほど。なら、丸太がいるな」


「弟子ども来い。木の斬り方教えてやる」


 ティアーナ、弟子どもとはオレたちのコトか。

 らしい。

 ティアーナと目が合った。手招きしてる。

 オレとアニタとエスタが。


 空を飛んでた翼メガネザルのカスタが降りて来てエスタの頭に乗った。


「カスタ、おまえもアニタたちと来るのか」


  キカーッ



 さすがにオレたちはマネ出来ないが。

 ティアーナはひと抱えありそうな丸太を斬り倒した。


「おまえらみたいな未熟者が、やると剣を折るからな。よく見てろ!」


 よく考えたらちゃんとした剣を持ってるのはティアーナとオレだけだ。

 アニタは短剣だし、エスタは短棍術棒だし。


 ティアーナは気合とともにイカダが組めそうな木を次々と斬り倒した。


「グッピー、リンダ。丸太を運ぶの手伝ってくれ!」


 馬車があって良かった。


 イカダを川岸で組んだ。


「あの向こう岸の木の所へロープを掛けてくる」


 メラルダが、裸になるとロープを咥えて川に飛び込んだ。

 速い。川の流れがゆるやかなんで、すぐに向こう岸に。

 こちらに残ったロープのハシをイカダに結び引っ張るようだ。


「もう一本ロープを張ろう。イカダを何度も引っ張りやすくなる」


 と、グッピーが飛び込んだ。



 無事、川を渡り。オレたちは一番近くにあるという村に向かった。

 ドゥナン国辺境の村だ。キナリノ村という。

 けっこう人の多い村で広い。川の近くだけあって網が干してある。

 大きな食堂もあった。


 入るなり、客が一斉にこちらを見た。旅先では、よくある。オレたちはよそ者だ毎度のコトで、もうなれた。

 九人だ、空いてるテーブルをくっつけて、空きの椅子を探してると。ゴツい人相の悪い男たちが。


「おい、にいちゃんたち。えれーぺっぴんたち連れてんじゃねーの。少し分けてくれねーか」


 土地のあらくれにからまれる。

 コレもよくあることだ。


「みんな、俺の嫁と子供だ。おまえらにはやらん」


「グッピー、アニタはあんたの子供じゃないよーだ」


「嫁でもない」


「あんたら、楽しいメシのひと時を邪魔しないでおくれ。文句があるならおもてへ出な!」


 男たちとリンダ。アニタ、エスタ、ティアーナが外に出た。


「すまないね。娘さんたち大丈夫かね……」


 店の女将らしい女が頭を下げた。


「あ、大丈夫。もう帰ってきた。皆、旅でなれてるから」


「え、もう」


「おかあちゃん、奴ら外でのびてるよ」


 店の若い娘が。女将の娘か?


 ホント、みんなだんだん強くなってくなぁ。

 アニタとエスタだけか。

 リンダとティアーナは、もともと強い。


「俺らの出る幕ねーな」

「オレはもともと出ない」

「アニタたち、だんだん野蛮になってくわねぇ」


「ルルレット。少し言っとけ、あまり強くなると嫁にいけねーって]


「あんたたちって、何者なの? ずっーと気になってたの。お忍びの役人?」


「役人! メラルダ、逆よ。私ら盗っ人の小悪党よ」


「『盗っ人』では、ない! 『宝探師』だ! ルル。おまえもだろ。盗っ人でいいのか?!」


「あんたたち、言葉からして西方から来たんだね。で、何する?」


「ここは何が美味いんだ?」


「川が近いからね川魚の料理が多いよ。特にデカいのでサモというのか美味しい。一匹でこの人数分はある。今朝とれたんだ」


「じゃソレとパンとスープ人数分」

「スープは魚と野菜のがある」

「両方頼む」


「気前がいいね。そういう客、好きだよ!」


「あ、それからこの村に宿はあるかい?」


「村の一番奥にあるよ!」


 メシをたらふく食べて店を出て村の奥にあるという宿へ。


「おあ、まただ」


 道いっぱいにならんだ人相の悪い男たち。


「あんたら、この村から無事に出れると思うなよ」


 食堂で、からんできた連中の仲間だ。オオカミみたいのを数匹連れてる。


               つづく

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