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メラルダ

112話 メラルダ


 メルランの町の娼館で経営元が無くなったんで店長のドワーフが、あたふたしていた。


「私は、今日からどうすれば……」


「あんたが、まっとうな娘で商売すればいいんだよ」

「私が」

「そうだ。しかし、帰りたい娘は家に帰すんだ」


「ネル、ネル・シーマルはいるか」


「あら、あんたは」

「村で、妹が心配してたぞ」

「モネが」


 妹の名を口にしたネルの目に涙が溜まった。


「店長、あたし帰りたい!」


「ちゃんと仕事した分、払って帰せよ」


「ほい」



「おや、君のそのペンダントは」


 多分南方の黒色人種だろう、でも髪は銀色だ。この娘は亜人なのか? そうだ、この店は亜人専門だった。


「コレは叔母にもらった物だ。北方の女神だと」


「君は亜人じゃないだろう?」


「南方人に見えるだろうけど、ホラ」


 と、エルフのようなとんがり耳を見せた。耳たぶの赤い玉の耳飾りが目立つ。


「髪の色も。こんな南方人いない、あたしはなにかの亜人との混血なんだ」

「何かって、親がわからないのか」

「まあね……。あっちでいろいろあって、叔母を頼ってこっちに来たが、結局こんなとこで働いてる」


「国へ帰る気は」

「ソレはなくもない……母親がいるんだ国に。でも……」


「なんだかいろいろ事情がありそうだな。ここを出る気はあるのか」


「あるが出ても、生きていけない」

「伯母さんはドコに」

「死んだよ。もうこっちに頼る人は居ない」


「そうなのか……国へ帰ろう。今ならココをやめられる。オレたちと南方へ行こう。いいよな店長」


「その娘がのぞむなら……」



「はあ、ロラン。そんな話、いつした?」


「今決めた。南方へ行こうと思ってたんだ。あっちに詳しい者もいなかったから……。あんた、案内してくれ」



 南方国に向かう街道。


「南方へ行くって、何かあるの?」

「ああ、彼女の国にへガルダという女神がいて。ソレは愛の女神だそうだ。あ、まだ名前を」


「あたしメラルダ・クン。母親が女神様からつけた名だ。メラはあたしの国でこの髪の色、銀のコトだ」


「相変わらずカワイイ娘が同行する。コレはロランの宿命かなんかか? おまえ、前世でどんだけ女に縁がなかったんだ。もしくは、醜女ばかりに、モテてたとか」

「なんだソレはグッピー。モテないおまえは前世でモテモテの女たらしだったのか」

「かもな……悲しい業だぜ」

「ドコの宗教だそういうのは?」


「多分、師匠の国だろう……」


「なに言ってんだか。メラルダ、こいつらバカだからね」


「ルルヘットに言われたかねーよ」

「ルルレットよ!」


「グルドン、槍バカだ。覚えられない」

「ティアの剣法バカには負けるわ! わざとだよ」


 南方出身のメラルダと会って、頭にひらめいた。それとも、聞こえたのか。あの声が “南方へ行け” さだかではないが、そんな気もした。

 たまたま、聞けば女神の話に縁があったメラルダ。やはり、ただの偶然ではない気がした。

 女神が呼んでるのか?


 馬車の手づなを取るリンダも南方へ同行。

なんだか荷物の多いメラルダとエスタが荷台に。

 アニタはリンダの横だ。リンダはアニタを気に入ってるらしい。


 今日はルルは歩いてる。体の調子が戻ったらしい。

 キャサリンに買ったラン馬は馬車につながってる。今はミシェールが乗ってる。


「グッピー、嫁候補が一人減ったな。でも一人増えた」

「アレは亜人だろ……」

「でも半分は人だ。それに南方美人だぞ」

「しかしな、候補とか誰が言った。俺が嫁と決めてるのはミシェールだけだ。だからおまえについてる。まさか、一緒に東、北、南まで行くとはな。なんでミシェールは、おまえに……。惚れてるとは思わねーけどな」


 ミシェールがオレに“契って”なんて言ったの知ったらグッピーは、どう思うのか。

 オレから離れて行くのか。


「ロラン、川だ。でっかい川がある」


「あの川の向こうは南方の国ドゥナンよ」


               つづく



 


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