アポリナ7
111話 アポリナ7
「貴様らは何者だ! なぜ私の邪魔をする」
「邪魔……とか、するつもりはないけど。あんたらが田舎の純粋で信心深い女の子たちをだまして、人の人生変えたり、妙な術使い鬼を作り、村人にひもじい思いをさせたりと、表では良い顔して裏でおかしなマネをしてるのが、わかちゃただけだ」
「いろいろ知ってしまったようだな……」
「ロラン、そいつの目は邪眼だ。見ちゃダメ!」
そう言ったミシェールが白い火球を飛ばした。
火球は、神官長の顔に命中した。
「ウガァ目が、目が焼けるぅ」
「女神を使っての悪事、ソレは神からの罰だ。一生暗闇で生きるがいい!」
珍しい。ミシェールが怒ってる。
神官長から飛びだった黒い鳥はエスタの頭の上にとまった。
近くで見ると身体は小さな目の大きいサルみたいだ。翼は黒いカラスのそれだ。
祭壇から足を踏み外した神官長が地下への階段へ落ちた。
うがぁあああ
ドタドタドタ
祭壇まで来たミシェールは「なんでも袋」から祭壇の女神像よりひと周り大きな女神像を置いた。
そして古い像を袋に入れて。
「キャサリン、コレが貴方たちが崇拝した本当のションリ様よ。この像を皆に伝えて、貴方は今日からこの教会の巫女よ。ねえ、ロラン。町の娼館の女たちも村に帰して」
どうしたミシェール、急に? おまえマコーナ宗派かなんかだったのか?
祭壇に置いた像はあの大神殿の巨大女神像と同じ姿の老女神だった。
キャサリンは、ホントに巫女になって教会を仕切るコトに。オレたちと村から出なかった。
キャサリンはミシェールを天使かなにかのように手を組んで巫女になることを承知した。
ミシェールにこんなカリスマ性があったなんて。あの白いフードマント姿が神々しく見えた。
しかし、あの老女神像買ってたんだな。ミシェール。
村の悪党神官騒ぎは、うまくおさまった。
ミシェールがいなければ変な空気で終わったかも。何しろ村の善良な神官を悪党とあばいたのを村人はどれだけ納得したか。
村から出た馬車の上で。
「エスタ、アニタにもそのサル触らして」
「そいつはサル種みたいだけど実は亜人種なんだよアニタ」
「こんなちっちゃいのが? 亜人なのお姉ちゃん」
「そんな小さな体に大きなカラスみたいな羽は動物として不自然でしょう」
「さすが動物に詳しいお姉ちゃんだ」
アニタ、亜人は動物より怪物に近いんだぞ。
それにルルが亜人に詳しいなんて聞いたことない。
「そいつは見た物を主人の頭の中へ遅れるんだ。と、捕まえたインチキ神官にいろいろと聞いたんだけどね」
「サル、肉食べる」
エスタがサルに干し肉をあげた。食べた。けっこうなついてる。
「エスタ、サルじゃ可哀そうだ名前をつけよう」
「なまえ、アニタ、エスタ、ルル」
「こいつの名前だよ」
クオーツ
「おまえ、クオーツか?」
「アニタ、ソレはそいつの鳴き声だよ」
カァーツ
「カァータ、コレ、カスタ!」
「え、エスタ、そんなのでいいの?!」
「アニタ、エスタ、カスタ。そりゃいいや。ハハハハハ」
「クッピーって、どうかなぁ」
「ソレはやめてくれ! アニタ。ルルカットてーのは」
「やめて、ルルはカウカウだけでいいわ!」
結局カスタに決めたようだ。カスタはペットあつかいだ。ホントに亜人なのかこの目玉サル。
もうすぐメルランだ。
つづく




