アポリナ4
108話 アポリナ4
グッピーの声で駆けつけた時には5匹の鬼たちは倒されてた。
「遅いぞロラン、ティア」
「殺ったのか」
「一匹は突いただけで殺してはいない」
「ロラン、見てこいつの角、簡単に取れる。ヒゲも取れた」
アニタが鬼の角を取って見せた。
「どれ、あ、こいつもだ。コレは付け角だな。見ろ、牙もだ!」
「こいつらは鬼なんかじゃねーな。おい! 起きな」
グッピーは倒れた鬼の腰のあたりを槍の反対側で突いた。
突いただけという奴だろう。
腰を突かれた鬼が動き出し逃げようとした。そしてその鬼の鼻先に槍をつけ。
「おまえらはなんだ」
「うっオレは……ナニも」
「ロラン、鬼が来た!」
頭の中でミシェールの声がした。
「エスタ、来いミシェールが!」
「どうしたロラン!」
ミシェールの所に戻ると、穴だらけズタズタの鬼が5匹倒れていた。
やはり、角は付け角だった。
「ほら、ミシェール。こいつらは鬼じゃない」
「それ、わかった。けど、襲われたから……人を殺めてしまった」
「仕方ない、向こうが悪いんだ。グッピーたちのトコに、一人殺ってないのがいる話を聞こう」
「お、ミシェールは大丈夫だったか」
「ああ、こいつらと同じ連中だった」
「こいつ、なんだか変だぜ。何もわからねぇとよ」
ミシェールが、こっちに来た。
角を取られ怯えてる男を見た。
「こいつ、術にかかっている」
森から村に帰るった。
あのキャサリンの育った家の。
「モーミ、一人で森に?!」
「ごめんなさい。皆、お腹すいて……」
「そう、だけどみんなに心配をかけてはダメよ。その人たちがいなかったら。あなたは夕食ぬきです」
「はい、でもみんなにはコレを」
森に入った少女はキノコが入ったカゴ渡した。
「あのーその子にも夕食を。おいミシェール、クマの肉を」
「マー様、皆が鬼を退治してくれたからもう森に入れます」
それから教会へ行き。
「もう一泊したいと……」
「金は払います」
「まあお金の問題では…巡礼者の滞在は一日と」
「なんでだよー。長く村に居たらまずいコトでもあんのかぁ神官さまよ〜」
「そんなことは、わかりましたでは今晩も」
その晩は森で獲った獲物で、ひもじい思いをしていた村人たちと村の真ん中で祝盃をあげた。
「村の周辺のオークや鬼は俺が退治した!」
「ありがとう!」
「感謝します」
「これは…ションリ様が勇者様を」
集まった村人、半分とは言わないが亜人が多かった。
モネたち猫耳族やゴブリンにトカゲもどき、木人など見慣れない亜人も。そして人との混血種も。
彼らの話では、人間が森に多くやって来たから一緒に暮らすようになったと。
もともと彼らの森に人間が侵攻してきたのだ。
まえにはなかったというあの町も侵攻の拠点になっていたと。
パスキンの国王は侵攻し土地を広げるも先住民とは友好的な手段を取り。アポリナのような村が辺境には増えてるらしい。
が、やはり人間と弱い亜人との差別はあるようだ。
奴隷にされ、売買されてる亜人も多いと聞いた。
「村も大分変わったね。でも、村から出たあたいらは女は娼婦、男は人足なんかがイイとこなのがあまり変わらない」
「オレの居た村の連中だって『宝探師』ならいいが盗っ人呼ばわりだ。他の職につける奴は少なかった」
「なあキャサリン、村からはどうやって出たんだ、その資金稼ぐのも大変だっただろ。こんな、なんにもねー村じゃ。前は町もなかったんだろ」
「ああ、あたいは毎日村から出たい村を出て稼ぎたいと教会のションリ様に祈ってた」
「神の助けでか?! それはないだろう。俺は神は人なんかに何もしてくれねーと思ってる」
「そうかもね。あたいもそう思うよグッピー。村である日、男が声をかけてきたんだ」
『おまえさん、村を出る気はねーか? おまえさんみたいなべっぴんなら町へ行けば稼げるぞ』
「男は町へ獲物を売りに行くからと馬車に乗せてくれた。そして町である男に紹介された。後で全部わかったよ。あたいも村で声をかけた男の獲物だったんだ。あたいは娼館に売られたんだ。それからずっと娼婦で稼いで生活していた……」
「見ず知らずの男に連れて行かれるのに抵抗はなかったのか」
「村から出たかったから、そく飛びついた」
「やはりな、あの娼館に居たネルっていう猫耳少女の話と似ているな」
「ネルと……。そうね、あの娘も娼婦をしているね」
「教会で祈ってたそうだ。やはり村から出たいと」
「しかしよぉ大きな声じゃ言えねぇが、あのみやげモンみたいな女神像に祈ってもなぁ」
「祈ったら町から出れた……だよなキャサリン」
「ん、まあ……」
「その先は娼婦に……なんか怪しくないか、ここの教会」
「裏で何かやってなけりゃあんなデカい教会が建つわけねーか」
「あの町の娼館の大元はどこか調べらるか」
「おもしれーやるか」
「リンダ」
「あ〜に。今日は楽しい。酒がさぁ教会の倉庫にいっばいあってさ〜持って来ちゃたあ〜うぃ」
「ダメだこりゃ。グッピー行ってくれるか」
「おう俺の神走術見せてやる」
「そんなコトが出来るのか」
「いままで、見せる機会がなかったからな」
つづく




