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アポリナ2

106話 アポリナ2


 宿のないアポリナの村、教会へ行けば宿泊施設があると。

 はじめは怪しまれたが巡礼者ならと入れてくれた。

 まあ町の茶屋の娘ですらオレたちは巡礼者には見えないと。

 東方の彼方の島や北のマコーナの神殿、港の大女神像の話をしたら信じたようで。 

 入ったら、二階が宿の大広間で部屋はないが大勢でごろ寝出来る場所だった。

 

「ここは巡礼者のお泊り部屋ってか」

「だだ広いが、この辺は暖かいから寒くないしなぁ。屋根もある。野宿よりはマシだ。なによりタダだしな」

「ここがあるから、宿なんていらないのよ。この村」


「あたいの居た頃はなかった。それにここは平屋だった」


「いったいココはなんでこんな大きな教会が建てられたんだ」

「巡礼の受け入れじゃ金になんねーだろ」

「なんか、裏で稼いでるじゃないの」

「神官が山賊でもしてたりしてな」


 朝は朝食にとパンとウシ乳が出た。


「コレもタダか?」

「いたれりつくせりだな〜気前がいい」


 昨日は暗かった一階の礼拝堂は窓を開け明るくなっていた。

 神台の燭台に火が。


「ええ、コレが女神像なのか? 小さいな」


「子供の頃はもっと大きく見えたよ」


 あのマコーナの大神殿に売っていた羽根を広げた十字型の女神像と同じ物に見えるが年季が入っていて売り物みたいにきれいではない。

 

「ねぇロラン。この女神様の顔誰かに似てない」


 と、アニタが像をしげしげと見つめて振り返って言った。

 像と言えばエスタ。だが、オレは、毎日見ていたから違うのはわかる。じゃ誰だ?


「美人だ。だいたい女神さんは皆美人だ、あの北の神殿の女神像が婆さんなのがおかしい」


「あそこで売っていた家に置く女神像とそっくりだよなコレ」


「あのおみやげの像やペンダントの女神とかは、あの大きなお婆さん像の若い姿って聞いたわよ」


「だよなぁ婆さん像ってのじゃ祈りがいがねぇ」


「信教対象に若さや見かけは関係ない」


「だよな、ミシェール。神様は爺さんのイメージだしな。おこられちゃたよロランん〜」

「グッピーが間違ってるからよ。まあたしかにあたしも若い綺麗な方選んじゃたけど」


 そういえば皆でお揃いのペンダント買ったよな。


「老婆の女神物もあったのか」

「あったわよ」


「皆さん、おはよう御座います」


「神官長様お久しぶりです」


「あなたは?」


「この村に居たキャサリン・ボルタです」


「ボルタ……隣の孤児の家の出ですか。大勢いるので名を言われても。覚えられません申し訳ない」


「神官長様のおかげで村から出れました」

「私ではありません。ションリ様のお導きで村を出たのです」


「巡礼の方々お泊めできるのは一泊だけですので、町まで遠ございます。お早めにお発ちになったほうが良いでしょう」


 それもそうだと、オレたちは村を出ることに。


「なーんかさぁ追い出されたような気しない」

「ああ、言葉は丁寧だったけど、よーが、すんだらさっさと出ていけぇてきなー」


「そんなコトないと思うけどなぁ。村の人は良い人ばかりだ」


「あのぉもしかしてキャサリン?」


 キャサリンに声をかけたのは猫耳少女の亜人の娘だ。


「そうだけど、あんたは?」


「あたしモネだよ」

「モネ! ホントに。大きくなったから、わからなかった。モネはまだ村に居たのか」

「あたしらは人と違って中々、村から出られないから。お姉ちゃんと会った?」

「いや、ネルも村から出たのか?」


「おい、キャサリン。その猫耳の娘の姉はネルというのか?」


「そうだ」

「ネルって猫耳の娘、町で会ったぞ。ほらアニタが声をかけた」


               つづく




 


 

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