ロラン娼館へ
104話 ロラン娼館へ
「と、いうわけだ。遊びに行くわけじゃない」
「そうなんだ。じゃ話ししたらすぐ帰ってきて」
「ああ、当然だ」
亜人の女の子と話しに娼館へねぇ。
あれ、なんで他の町の亜人じゃいけないの。
ちょっとぉロラン。
あ、もう行っちゃった。
メルランの町 娼館アジン
「話しをするだけ……。ホントかなお客さん。まあそういう人はいないことないがね、だからといって料金は……」
店長という男はヒゲ面のゴツいが背の低い男だ。多分ドワーフかノームだろう。いわゆる経営者も亜人という店だ。
「わかりました。半額で、時間も半分になりますよ」
「ああ、それでイイ。ネルという猫耳の娘を頼む」
「はい、指名料3ニーニョ」
「指名料取るのか」
「こちらも商売で」
ネルの部屋。
「ホントにお話しをするだけで来たの」
「ああ。アポリナという村を知っているか」
「村になんのよう? あたしはアポリナから出て、ここで働いてるの」
「ホントか。こんな偶然あるんだな」
「あら、あたしがアポリナ出と知って来たんじゃないの」
「あ、ココに来たばかりだから。アポリナ出身の知人に聞いたんだ。村には、まだ教会はあるか?」
「あるわよ。子供の頃よく行ってたわ。教会のことが知りたいの?」
「そうだ。教会に祀られてる女神のコトだ」
「ションリ様のコトね。詳しくは知らないわ。なんでも願いをかなえてくれると。あたし願ったの村から出たいって。で、今はココに」
なんだかキャサリンみたいな話だな。願いは、かなってるようだけど。村を出たら娼婦か。
「なんか、村の名前聞いたら家族に会いたくなっちゃた。ねぇホントにお話しだけでいいの? あたしのもふもふの尻尾で気持ちよくしてあげるよ」
「マジか。ホントに話しただけだったのか」
ほとんど村の情報は聞けなかった。
町のお茶屋で亜人種は苦手と店に入らなかったグッピーと待ち合わせしていた。
「ああ、村の出という娘だったが……」
「ハイ、コーブ茶お待ちぃ」
お茶を持って来たのは頭に巻き角のある亜人の娘だ。
「あ、あんた。この町の近くにあるアポリナという村知ってるか」
「知ってるよ、近いと言っても、この辺の村じゃ一番遠い村だよ」
「そうなのか。あんたは村に行ったコトは?」
「わたしはその村の出だ。あ、この町で働くたいがいの亜人はあの村の出だよ。お客さん、村に行くのかい?」
「ああ、あそこに大きな教会があると聞いた。女神像があるとも」
「教会、女神あるよ……。お客さん、あそこにナニしに?」
「オレたちは女神巡礼をしてるんだ。いろんな女神をな、見ては祈りを」
「ウソぉ〜お客さんたちそんな信心深い巡礼者には見えないわ」
「そーか。ならなんに見える?」
「ん〜そうね放浪の盗っ人」
「盗っ人はこいつだけだ。俺は放浪の武術家だ」
「武術家? ウソぉ〜ありえなぁ〜い」
宿に帰ると。
「爪だけでもイイ金になった。あとオークの武器もな。仲間に分けて山賊は解散させたよ。あんたたちの分だ」
と、金袋を出してテーブルの上に置いた。
リンダ・チュルンが来ていた。
宿が一軒だったのですぐにわかったと。
「山賊を解散したのはいいが姐さんはどうするんだ」
「特にあてがない。で、しばらく同行していいか? あきたら、てきとうなとこで離れる」
「ソレはかまわねーよなロラン。姐さんみたいな美人は歓迎だぜ」
「グッピーのお嫁さん候補がまた一人増えたわね」
「お嫁さん」
「気にするなアレはルルレットといって口の悪い小娘だ」
「ルル、お嫁さん候補ってそんなにいるの。この一行に」
「キャサリンは知らないお姫さまやメガネのカラクリ娘とか、まえにはいたんだ。あっちのフードの娘にあんたもよ」
「あたいがグッピーの嫁候補なの」
「おい、お姫さんはともかく、メガネは入れるな」
「私も」
翌朝、村へ向うことに。町で小さな荷馬車を買った。
馬車にリンダとアニタが、荷台にエスタとミシェールが。
その後にロープをつないだラン馬に乗ったキャサリンがトコトコと。
ティアーナとグッピーは歩くのも鍛錬と馬車や馬には乗らない。
ときおり馬車から降りたエスタがオレの手を握り。
「エスタ、歩くの好き。ロランも好き」
「ロラン、美貌のエスタが生身で横を歩くのは、たまらんだろう。で、なんで女神を。もういらないんじゃないのか」
「オレが欲しいのは赤ちゃんじゃない。まともに会話したり出来る理想のエスタだ」
「エスタ、話し出来る」
「そんな大きななりで赤ちゃんはないだろう。俺ならそいつでも充分だが」
ちょっと極端に言い過ぎた。最近のエスタは、まえみたいにトロンとした顔じゃなくなった。まえより生き生きとしてきた。
いろんなコトを覚えたせいか。
だが、あの声が気になるんだ。多分、ホントのエスタ、いやロメーン・アルシアだ。
女神を捜せと。やはり、ホントの姿に戻りたいのだろう。
なぜだか、戻してやりたい。彼女はオレの妹の名を受け入れた。
「ロラン、好きはキスする」
「おいエスタ……。そんなことダレに」
アニタだろう。
「リンダ、ルル姉はなぜか、教えてくれない。女遊びってどんな遊びなんだ」
つづく




